2012年2月3日Yabeさんと伊勢沢・奥野林道を歩いた。
その時、テン糞を見つけ拾ってきた、水洗いした。
今回は、少し報告書風にまとめてみた。
結果と考察
地図上の、伊勢沢・奥野林道のGPSの軌跡と数字は見つけ、採集してきたテン糞の位置。ポイント1、2、3、4、5は伊勢沢林道での糞採集位置
ポイント6、7、8は奥野林道の糞採集位置
8時43分テン糞1
エゾエノキ種子3個、マメガキ種子6個、サルナシ種子7個、昆虫の脚、外骨格少々
エゾエノキ種子3個、マメガキ種子6個、サルナシ種子7個、昆虫の脚、外骨格少々
8時48分テン糞2
サルナシ種子多数
サルナシ種子多数
8時56分テン糞3
エゾエノキ種子2個、マメガキ5個、サルナシ種子無数、ケンポナシ種子6個、キブシ種子18個
エゾエノキ種子2個、マメガキ5個、サルナシ種子無数、ケンポナシ種子6個、キブシ種子18個
9時11分テン糞4
マメガキ種子25個、サルナシ種子多数、不明同一種子2個
マメガキ種子25個、サルナシ種子多数、不明同一種子2個
10時テン糞5
エゾエノキ種子5個、サルナシ種子2個
エゾエノキ種子5個、サルナシ種子2個
11時4分テン糞6
マメガキ種子10個、エゾエノキ種子24個、サルナシ種子91個
マメガキ種子10個、エゾエノキ種子24個、サルナシ種子91個
11時7分テン糞7
マメガキ種子3個、サルナシ種子46個、バッタの脚
マメガキ種子3個、サルナシ種子46個、バッタの脚
11時15分テン糞8
エゾエノキ種子6個
エゾエノキ種子6個
以上の1~8までの糞内容物から出てきた種子をまとめた。
*不明種子とは2月4日にアップしたものだ。
*不明種子とは2月4日にアップしたものだ。
位置 | エゾエノキ | マメガキ | サルナシ | ケンポナシ | キブシ | 不明種子 | 他 |
1 | 3 | 6 | 7 | 昆虫 | |||
2 | 多数 | ||||||
3 | 2 | 5 | 多数 | 6 | 18 | ||
4 | 25 | 多数 | 2 | ||||
5 | 5 | 2 | |||||
6 | 24 | 10 | 91 | ||||
7 | 3 | 46 | バッタの脚 | ||||
8 | 8 | ||||||
合計 | 42 | 49 | 146 | 6 | 18 | 2 |
エゾエノキ、マメガキ、サルナシが主要な食物になっており、まだケンポナシが食べられていることがわかる。
この結果は、伊勢沢・奥野林道周辺に特有ものというよりも土山峠付近などのことを含めて考えると東丹沢山麓周辺に生息するテンたちの傾向であろうと考えられる。
例年だとキブシが多いのに、今年はキブシが少ないのは、まだまだエゾエノキやマメガキ、さらにはサルナシのように美味しい果実があるから、キブシを食べないということなのだろうか?それとも昨年はキブシの実なりが悪かったのだろうか?雪が融けて、2月中、下旬、3月がくればその答えが出てくる。
さらに、節足動物の内容物が非常に少ないのは、積雪のために枯草の下などに隠れている昆虫類を探し出せなかったということだろう。
もう一つの問題として今回見つけたテン糞は何頭の糞なのだろうか?
奥野林道の6、7、8のポイントは非常に近いが、これは同一個体なのか?それとも行動域の境界上にマーキングとして3頭の複数個体が標したものなのか?
奥野林道の6、7、8のポイントは非常に近いが、これは同一個体なのか?それとも行動域の境界上にマーキングとして3頭の複数個体が標したものなのか?
彼らに、消化しないビーズ玉のような小さな標識を入れた肉かリンゴを何か所かに置いて、林道上に排出された糞内のビーズ玉で、彼らの林道上での行動範囲を調べなくてはならないだろう。捕獲して発信機をつけないでやるとするとこれだ!あー、大変だが面白そう。
タヌキはタメ糞で、タメ糞の場所も特定することが可能だ。そうすると面白いことが可能になってくるかな?。
2012,02,05
2012,02,05
6 件のコメント:
だいぶデータが揃ってきましたね。
いい資料ができそうです。
でも湯河原にはケンポナシなどないような・・・。
以前は糞の一欠けらだけを取ってきましたが、
テン糞の場合は一回分と思える塊を全て拾ってきております。
不明種子が出てきたので、今はこれを植えて春の芽生えから何なのか確かめてみるか?
あるいは標本としてこのまま持っているか、迷っております。
それにしてももう少しトカゲとかカエルなんかの骨が出てきてもよさそうなものなのに、、、、。
肉食動物と云えでも、トカゲやカエルを捕まえるのは容易なことでは無い訳ですネ。
以前、相模川沿いの田んぼで採取したイタチの糞を分析したことがあるのですが、当然カエルが出てきましたね。アマガエルの腸骨(だっけかな?)でした。山のテンだと、ヒキガエル、ヤマアカ、カジカ、タゴというところでしょうか…。そろそろ、ヤマアカの産卵が始まるような…。
ニシメガネザルさんのコメントを見て、”ハ”と気が付きました。
ぼくの山歩きはほとんど尾根歩きだ。
沢沿いだと植生も違うので、動物たちのエサも違うだろう。
これからは尾根沿いと沢沿いも見ていかなくてはダメだ。
春のカエルたちの目覚めで、動物たちも小型脊椎動物や節足動物たちをもっともっと食べ始めるの期待しよう。
両性・爬虫類の骨が入っていても種が特定できないので、カエルたちの死体も拾って骨を集めなくては、、、、。
ニシメガネザルさんに感謝!
千葉県博の先生がイタチの糞分析か何かで、ずいぶんとカエルの骨による識別の知見をおもちで、むかーし資料ももらったような気もするのですが……。
ニシメガネザルさんへ
またまた情報ありがとうございます。
自分でも、せめてヤマアカくらいの骨格はしっかり標本を作ってみようと思います。
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