「特定秘密保護法反対」

「特定秘密保護法」、「集団的自衛権」に反対します。憲法第9条をしっかり守りましょう。教育勅語の教材活用は間違いだ!

自由であっても、他人の生まれ、身体、性別、年齢、故郷、風習、宗教、民族、国を差別する、小馬鹿にする、冒涜するのは許されない。

原発不要・核廃絶


2022年7月24日日曜日

アナグマの脛骨と腓骨  Tibia and fibula of Badger

前回はイタチ(イタチ科)とハクビシン(ジャコウネコ科)の脛骨と腓骨がしっかりしており、これは木登りをするからだ説明した。しかし、イタチ科のアナグマは完全な地上性であり、糞内容物からも木登りするとは考えられない。それはアナグマの糞は腐葉細片や腐葉土で生活しているミミズや節足動物などの外皮や脚が多数混入し、他の食肉目の動物がクワの実食いをしている時にも糞にクワの種子が混じるのは稀であり、クワの実が林床に落ちた時に漁って食べていると思われることが大半だ。それはキイチゴ類やマメガキやサクランボでも同じような事が云える。つまり、アナグマは熟した果実がなっている木には登らないで林床に落ちた時にそれを食べているに過ぎない。
だから、アナグマの腓骨は細く、脛骨に接していると考えられる。が、実際は違う腓骨は太く、脛骨とは完全に分離している。さらに上腕骨に顆上孔がある。この顆上孔は爪を使って木に登る哺乳類の大半がもつのだ。ネズミには無いが、木登りするリス科は顆上孔をもっている。あるいはクマは木に登るので顆上孔がある。
話は少し逸れたが、アナグマは前足の爪で地面を掘り、トンネルを作り恐らく後ろ足で土をかき出す時に、後ろ足首を前後左右に動かしているのではないだろうか?同じように地中にトンネルを掘るモグラは同じように掘った土を後ろにかき出すが、足首の可動性が劣り、前後にしか動かせないのではないだろうか?
アナグマの上腕骨の顆上孔の存在や腓骨が太いことはアナグマも木登りする動物であると思えるが、実際は木登りはしない。木登りとする時の前足の爪の使い方や後ろ足の使い方が、地中でのトンネル生活を可能にしているのだろう。
図1.串間市の若いアナグマMeles melesの左足の脛骨と腓骨
古生物学者は過去に生存していた動物の生活を語る。何を基準にして語るのか?それは化石として出てきた骨だ。骨の形態から現存の動物と対照比較して語るのだ。しかし、それは非常に難しい事だと解かる。

次回は、前足も後足も器用に使うサルの仲間(霊長類)の脛骨と腓骨を見てみよう。

2022年7月23日土曜日

イタチの陰茎骨  Os penis of Japanese weasel

先日、イタチの脛骨と腓骨を写真に撮り、他のイタチの骨をネット上のフェレットの骨と対比して見ていたら、フェレットの骨にOs penisが載っている。これは?っと思って2018年3月に鴨川千枚田付近の道路で轢かれたイタチの骨を見直した。このイタチの轢死体は鴨川で農業をやっているAIさんがわざわざ横浜まで持ってきてくれたのだ。あった!不明な骨として小袋に容れていた。長さは30ミリを超えるものだ(図1)。
図1.イタチMustela itatsiの陰茎骨Os penis

学校を辞めてから集めた骨を整理して、ウサギやリスなどの中哺乳類はすぐ見られるように透明なプラスチックケース(フェレロ ロシェのチョコの箱)などに容れている。

しかし、キツネの陰茎骨もアナグマの陰茎骨もこのイタチの陰茎骨もこれまでどこの骨か分からなかったのだ。ここで、キツネとアナグマのものも再度アップする。

 こんな不思議な骨をヒト以外の哺乳類は持っているんだ!他の骨格の骨とは全く接していないし、オスは持っているがメスには無い骨だ。ヒトのオスは持ってないから、ヒトオスは犬歯が短くなったように外部生殖器においてもメス化しているという事なのだろうか?

図2.アナグマMeles melesのOs penis
図3.キツネVulpes vulpesのOs penis
コロナがまたまた蔓延している。しかし、ようやくこの頃散歩をしている人の中にはマスクをしないで歩いている人もチラホラ見かけるようになった。①ワクチン接種、②換気の悪い屋内ではマスクをし、大声を出さない。③外出中は自分の手指で顔を触らない。④手洗いの4つが大事かな?

2022年7月22日金曜日

松茸山でブランチ   Brunch at Mt.Matsutake

 帰路、早戸川の流れによる音と木々の葉を通る緑風の涼しさを味わいながら歩く(図1)。工事会社が新たに設置したゲートを乗り越え、ヤマユリを見ながら車を置いた場所に着く。すぐ、水沢橋の駐車場へ向かう。今度は3度も工事のトラックと擦れ違う。一度はトラックに後戻りしてもらう。シマッタ!あの工事がいつまで続くのか工事期間の表示を見て来なかった!

図1.早戸川の流れと林道
水沢橋を渡るとワゴン車が一台停まっていた。ぼくはその横につける。ザックを担ぎ、ショルダーバックを持って車から離れる。奥野林道のゲートを巻いたところで、車にカギをかけたかどうか不安になり引き返す。奥野林道を歩く。歩きながらどうしてぼくはこうやって一歩一歩歩くんだサッサと何故足をすぐ出さないのだ!っと自分に云いながら足をサッサと出しながら歩く。すぐ、息継ぎの仕方がジョギングしている時のように整ってくる。口から吐く息がフゥー、フゥーと二度続けて出るようになる。汗が出る、気持ちが良い。何とそうやってかなりのスピード?で歩いて、法面の上にあるヤマユリの所までくる。見上げる。あるある今年は上の方がたくさん咲いている(図2&3)。この法面のヤマユリを今年も見ることができた。このヤマユリの種子が伊勢沢林道方面にも飛んで行っているだろうに、、、。
図2.8:30 奥野林道法面のヤマユリの株
図3.図2の左上のヤマユリ
ここから、また息継ぎを整えながら歩く。今までのぼくの一歩一歩歩きから解放されたかの感がある。松茸山口の駐車場にはスギの木を伐り出している。車が置かれている。ン?シカの警戒音だすぐ目の前だ。が、シカは見えない。
姫次は次回にして、ここから松茸山山頂の東屋でインスタントラーメンを食べることにする。平坦だが少し登り下りのある道が続く。暑いのでタマゴタケが出てないか探しながら歩く。さぁー、いよいよ急登の場所だ(図5)。10分もしないで東屋だが、、、。
図4.8:42 松茸山口の駐車場 目の前でシカの警戒音だ!
しかし、ぼくはまたまた一歩一歩の歩きで、しかも、手摺りに頼って身体を引き上げてもらった。
山頂の東屋に着く(図6)や、ザックやショルダーバックを投げるように置き、東屋の周りをうろついて、吹き出る汗を腰のタオルで拭き取り、爽やかな空気に浸る。馬ノ背方面からチェンソーの音が聞こえる。
東屋の長椅子に腰を下ろし、ザックを引き寄せてガスボンベ、コッフェルを出し、セットしお湯を沸かす。コンビニで買ってきたスジコ入りのオニギリを頬張り、半分にしてコッフェルに容れたラーメンを少し蒸らす。ラーメンではなく、冷たい果実入りヨーグルトを食べたい。コンビニで探したがどの棚にあるのか見つからなかったのだ。
そうそう、今回初めてコンビニでクレジットカードではなくデビットカードを使ってみた。帰宅してPCで通帳をみたら、支払い額がそのまま引き落とされている。クレジットカードは1ヶ月分まとめて翌月に引き落とされる。しかし、デビットカードはその日の内に引き落とされる
図5.8:59 階段上の道が頂上まで続く、両脇に鉄製の手摺りがある
図6.9:05 山頂着
ここの東屋の床の地面にはいつきてもアリ地獄がたくさんある(図7)。この東屋は朽ちない。アリ地獄がたくさんいるくらい風通しが良くて乾いているからだ。中央のテーブルや東屋内の周囲の椅子の表面を掃除して埃を拭き取りたいくらいだ、、、。40分以上も東屋でゆっくりしたので、出かける事にする。その間に自撮りだ(図8)。
図7.アリ地獄がいっぱい
図8.東屋の前で
ヒルのいない同じ道を戻ろうと思ったが、水沢橋に向けてハイキング道路を下ることにする。いるいるヒルが鎌首をもたげて寄ってくる。防火用水の下が掘り起こされているので、ここでザックを下ろし、持ってきた飽和食塩水を靴下に噴霧する。
図9.10:24 防火用水の下が掘られている。アナグマが掘ったかな?
水沢橋の駐車場に着き、車の4つのドアを開け放す。右手が血だらけになっている。膨らんだヒルがいたので落とす(図10)。っとズボンをたくし上げると靴下にヒルがつき靴下が赤くなっている。指で剥がし取る。右足にはいない。でも、帰ってから連れ合いからウルサク云われないように、靴を脱いでヒルの有無を調べる。いたいた、両足の靴の中にもいる。もちろん、落とす。なんと帰宅して靴下を脱いだら靴下が赤く染まっており、膨らんだヒルが2匹も転げおちた。連れ合いに見つからないように赤く染まった部分を洗面所で洗っていると連れ合いに見つかった。ヒルは殺して!っと叫ぶ。
シャワーを浴びて洗っても血が止まらない。ティシュを固めて押し付けその上から絆創膏を貼る。やはり、今時はちゃんとヒル避け用に出かける前に靴下を並べて飽和食塩水を丁寧に噴霧していかなくてはならない。
図10.右手についていたヒル

2022年7月21日木曜日

早戸川林道のヤマユリ   Gold banded lily along the Hayatogawa forest road

今朝、4時半に目覚めた。が、ぐずぐずしてベットから離れたのは5時近くだった。昨夜山行の用意をしていたのでバック、ザック、ストックを車に乗せ出発だ。歩こうと思っているのは早戸川林道だ。マス釣り場を過ぎてゲートの手前にある水が流れている車置き場に停める(図1)。すぐ後ろから来ていた車はそのままゲートの方まで行く。ん?ゲート直前のところに置くのか?
図1.車を置く
なるべく端に寄せて車を置き、歩き出す。GPSを持ってきていないことに気付く。案の定、ヤマユリが満開だ!っとカメラのスイッチを押すがスイッチが入らない。バッテリーを抜いたり、いろいろやってようやくスイッチが入る。3,4分かかったかな?次から次へと咲いている。しかし、ちょっと盛りを過ぎている(図2)。
図2.ヤマユリの花
2年前の台風19号で抉り取られた箇所が工事されているようだ。歩行者立ち入り禁止になっている(図3)。構わず歩いていくと先ほど後ろからきていた車があり、工事の職人さんが早くも一人で動いている(図4)。何かぼくに話したそうだったが、彼の云わんとすることは判るので引き返す。恐らく川床に下りて行けるのだ。次回はもっと早くきて川床を歩いてこの場をやり過ごそう。
図3.工事の立ち入り禁止の看板
川床に砂利が積まれている。そこを歩いたら良いのだ。これから夏休みでたくさんのハイカーやキャンプをする人たちがやってくることだろう。ちゃんとした案内が必要だ。 

図4.川側の路肩のガードレールは取り除かれている。
伝道方面へは行けなかったので、7時半を過ぎたばかりなので奥野林道へ行くことにする。

2022年7月20日水曜日

足根骨と脛骨、腓骨の不思議7)  Mystery of Ankle, tibia and fibula for weasel & palm civet

前回はイヌ科のイヌ、キツネ、タヌキとネコ科のイエネコの脛骨と腓骨を比べてみた。イヌ科の腓骨はどれも細く薄く、下半分が脛骨に付着している。が、イエネコの腓骨はイヌ科の動物たちの腓骨に比べると脛骨とは完全に分離しており、上下端で接するだけであった。イヌ科もネコ科の動物をカギ爪をもってはいるが、ネコが木に登れるがイヌ科の動物たちは木登りが下手であることを物語っていた。
食肉目は聴胞の内部が一室なのがイヌ亜目で、二室なのがネコ亜目の二つの亜目に分けられる。イヌ亜目にはイヌ科、クマ科、イタチ科さらには鰭脚類のアザラシ、オットセイの仲間が入る。ネコ亜目にはネコ科、ハイエナ科、ジャコウネコ科などが含まれる。
ここで、イタチ科は木登りが得意な、テンやイタチがいる。また、ジャコウネコ科のハクビシンは木登りどころか電線なども渡るのが得意である。
ここではイヌ亜目イタチ科のイタチ(図1)とネコ亜目ジャコウネコ科のハクビシン(図2)の脛骨と腓骨を比較する。
図1.イタチ(鴨川産)の右足の脛骨と腓骨
図2.ハクビシン(藤沢産)の右足の脛骨と腓骨
ご覧のように両者の脛骨と腓骨には大きな差がない。あるとするならばイタチは長さが55ミリくらいなのに、ハクビシンは長く80ミリはある。腓骨の太さは同じくらいなのでイタチの方がハクビシンよりも木登りが上手かもしれない。
☆☆ここでは取り上げないが、アナグマの脛骨と腓骨はしっかり分離ししかも腓骨も太い。さらに、アナグマの上腕骨には木登りする動物がもつ顆上孔をもつ。面白い事に顆上孔は同じイタチ科のラッコの上腕骨にもある。 骨だけ見て生態を判断するのは非常に難しい。

2022年7月19日火曜日

オンブバッタ  Onbubatta, a kind of grasshopper

 挿し木して鉢植えにしているキクの葉がオンブバッタのチビに食べられている(図1)。このオンブバッタはシソの葉を食べてボロボロにし、キクの葉も食べる。昨年まではシソの葉だけかと思っていたが、まだ、可愛いところがあるのでそのままにしているが、その内に殺虫剤を噴霧しなければならなくなるのだろうか?でも、それだけはしたくない。手で捕まえようとするとピョンと跳んで逃げる。先日は庭にトカゲのチビを見たし、玄関前の郵便受けの上にヤモリも見た。彼らがある程度始末してくれるだろう。

図1.オンブバッタのチビAtractomorpha lata
昨日は晴れたのに今日は朝から曇天だ。また、ぐずぐずとした雨がふりそうだ。散歩は今かな?それにしても、ヨーロッパは熱波に襲われ、オーストラリアは洪水にやられている。地球はこれからどうなっていくのだろう?

2022年7月18日月曜日

足根骨と脛骨・腓骨の不思議6) Mystery of Ankle, tibia and fibula for Carnivora

ネズミなどの齧歯目の多くの腓骨は脛骨の途中から癒合・合体している。しかし、リス科では腓骨と脛骨は分れている。また、鯨偶蹄目のシカやカモシカの反芻亜目では、腓骨は脛骨の両端に痕跡的に残っていた。しかし、同じ偶蹄類でも猪豚亜目のイノシシでは腓骨と脛骨ははっきり分離していた。 

今回は、指骨(爪がつく末節骨、中節骨、基節骨)だけを地面につける主に指向性の食肉目の動物たちの脛骨を腓骨を取り上げる。図1はぼくが3月までいた専門学校の教室で撮ったイヌの骨格の座骨、大腿骨、脛骨・腓骨、踵骨や距骨などの7つの骨からなる足根骨、中足骨、3つの骨からなる指骨である。このようにイヌやネコは指骨だけを地面につけて中足骨、足根骨は地面につけない。腓骨と脛骨は分離している。右足(図1の手前)の腓骨は脛骨の外側に位置することが分かるだろうか?

図1.イヌCanis familiarisの後肢 
イヌ科のキツネとネコ科のイエネコの左後足の脛骨と腓骨を図2に示す。キツネの腓骨はイエネコのものに比べると細い。この事は、ネコの方がキツネよりも後足首を左右に曲げることが可能である。イヌ科のイヌ、キツネ、タヌキなどの動物たちの腓骨は図1を拡大すると少しは見えてくるが、腓骨は脛骨に中ほどから癒合せんばかりに密着している。図2のキツネの腓骨の下半分は薄ぺらで脛骨に密着していたのを剥がしたものである。図3はタヌキの左の脛骨と腓骨である。腓骨は脛骨に接触し癒着しているが、これはぼくが木工ボンドで貼り合わせたからだ。生体の時もこのようにぴったりと腓骨の下半分は脛骨に癒合はしていないが付着している。つまり、イヌ科の動物は木登りは難しい。が、ネコは後足を動かして木を押さえられるのだ。
図2.左足の脛骨と腓骨 左:キツネVulpes vulpes 右:イエネコFelis catus

図3.タヌキの左の脛骨と腓骨
腓骨はボンドで脛骨と貼り合わせている

次回はイヌ亜目イタチ科のイタチとネコ亜目ジャコウネコ科のハクビシンの脛骨・腓骨を取り上げる。

またまた、コロナが急速に増加している。雨中でも人通りの少ない所をマスクなしで散歩しているが、そんな中でもマスクをしている人がいる。そんな人と擦れ違う時は、距離を開け口にタオルハンカチで押さえる。あごマスクをしていてぼくに遇うとマスクを上げる人もいる。人通りの少ない道路では換気が自然に行われていてマスクは不要だと思う。もっと臨機応変にできないものかな?さぁーマスクをして出かけるかな?電車に乗って、「手もみ」だ!

2022年7月17日日曜日

雨の中の散歩  Walking in the rain

このところぐずぐずした雨が終日降り続いている。それでも雨が止む時がある。そんな時を狙って散歩に出る。運動靴を履き、帽子を被り、手にタオルハンカチを持ち、ズボンの尻ポケットにスマホを容れて歩く。腕を肘から曲げて前後に振って歩く。が、雨が止んだと思って出てきたのに10分も歩かない内に再びしとしとと降りだす。まー、降らなければ汗でシャツは濡れるから一緒だっと自分に言い聞かせて歩く。帽子のツバから雫が落ちる。
そんな散歩の毎日である。昨日はちょっと晴れ間さえあった。引地川沿いの住宅の庭からノウゼンカズラの花が顔を出していた。このノウゼンカズラ、40年くらい前は多くの住宅の庭で見られたものだ。しかし、今は少なくなった。蔓が暴れるように伸びてすぐ家の屋根まで届くからだろう。でも、こうやって懐かしい花が見られるのは嬉しい。

 安倍元首相が不幸にも凶弾に斃れたが、秋に国葬になるようだ。彼は確かに長期に渡って首相を行ってきたが、一人の財務省の役人を自死させた公文書の書き換え、友人の大学誘致を含む「もりかけさくら」を覆い隠す国葬には反対である。そんな事を考えながら歩いてもいる。

2022年7月15日金曜日

足根骨と脛骨と腓骨の不思議5) Mystery of ankle, tibia and fibula for wild boar

 同じ偶蹄類なのに、反芻亜目Ruminatiaのシカやカモシカの腓骨は脛骨の上端と下端に残存するだけであった。しかし、猪豚亜目Suinaイノシシはシカやカモシカのような反芻類のような腓骨の状態ではなく、しっかり腓骨として全て存在している。イノシシの後肢は見た目はシカやカモシカのものに似ている。大腿骨、脛骨・腓骨、足根骨、中足骨、指骨となり、シカやカモシカでは中足骨が大腿骨をほぼ同じくらいの長さがあったが、イノシシでは中足骨が短い(図2&3)。蹄がある末節骨だけが地に接し、中節骨、基節骨は中足骨とともに立ち上がる。しかも、イノシシの中足骨は第三中足骨と第四中足骨の二つに完全に分かれている(図2&3)。

図1.ウリボウの脛骨と腓骨
右の脛骨と腓骨は左のもの、左の脛骨と腓骨は右のもの



図2.イノシシの中足骨と基節骨・中節骨・末節骨
末節骨に蹄がつく
 左:、右足 右:左足
指行性のイヌやネコのような末節骨・中節骨・基節骨の指骨だけを地面つけ、中足骨を上げて歩く動物の中足骨の長さと身体の大きさからみるとイノシシの中足骨の長さはほぼ変わりはない。つまり、イノシシは蹄行性の動物であり、末節骨だけが地面に接するが、中節骨や基節骨は中足骨と共に地面にはつかないが、イヌやネコのように中足骨から地面につけない歩き方に似ている。極端な云い方をすると、末節骨に蹄がつくかカギ爪がつくかの違いだ。
ここで、シカとイノシシの中足骨と基節骨・中節骨・末節骨の長さを比較しよう(図3&4)。
図3.左:イノシシ 右:シカ
Om:中足骨 p:基節骨 m:中節骨 d:末節骨
尚、このシカの中足骨の長さは図4を見て下さい。
図4.シカの中足骨の長さ210mmある
猪突猛進と云う言葉があるが、走る速さでは到底シカには負けてしまう。シカもカモシカもそうだが、中足骨が長くなることによってさらに、中節骨や基節骨も長くなることによってますます着地面から身体が遠ざかり走る速度も増したと云える。さらに、イノシシでは中足骨は第三と第四の二つの骨となっているが、シカやカモシカでは、これらの二つの骨が合体し一つとなっている(図5)。中心線で左右に分かれているのが解かる。左端のシカの中足骨の下方で図3の第三基節骨と第四基節骨が着き、図4の状態となる。
つまり、イノシシは2本の中足骨から2本の基節骨、2本の中節骨や2本の末節骨は骨にすると分かれている。しかし、シカやカモシカは2本の中足骨が癒合・合体しているが、2本の基節骨と中節骨、末節骨となる。
イノシシはシカやカモシカよりも足の動きに関しては柔軟性が無いような感じであるが、全く逆である。
図5.シカの中足骨
左は前から右は後ろからの中足骨
イノシシの中足骨は第三と第四の二つの中足骨に分かれる(図2&3参照)

次にイヌやネコなどの食肉目の後足を取り上げる。

2022年7月14日木曜日

ヒトの移動・分散と養蜂の起源  Migration and Dispersal of Human being & Origin of apiculture

 図1の丸太は、タンガニーカ湖東岸中方に出臍のように突き出すマハレ山塊周辺の人々が作るミツバチの巣箱だ!

人々は丸太を二つに割り、中をくり貫き、二つを合わさる部分に2センチにも満たない小さな穴を作る。そして、牛糞を中に塗って二つを合わせる。合わせ目は粘土で貼り付ける。それを木にぶら下げたり、岩場の隅に置いたりする。

すると、ミツバチが寄ってきて中に巣を造る。下の巣箱の右上端に残ったハチがかたまっている。

図1.1996年9月、マハレからムエシへのサファリで見つけたミツバチの巣箱
ミホンボ(半乾燥疎開林)に転がっていた
実は、キンシコウ調査で泊まった秦嶺山脈山麓の玉皇廟村では、多くの農家で図1のものと同じ物を作っていた。
しかし、ここでは木にぶら下げているのは見なかった。岩場の雨が当たらないような所か牛小屋などの家の壁に図2のように置かれていた。
図2.泊まった楊家の壁に架けられたミツバチの巣箱
図3.図2の巣箱を拡大
動物が似たような生息環境では同じような進化をする。例えば、オーストラリアの有袋類は草食、肉食、雑食の動物たちを産み出し、他の大陸の哺乳類と同じように適応放散している。これを平行進化と云う。
ぼくら人も似たような環境下では似たような物を作る。
くくり罠を応用した小動物を捕獲するさまざまな罠があるが、台湾の高砂族、マハレ周辺のトングエ族、秦嶺山脈山麓の人々、あるいは日本の田舎の人たちが作る罠はほぼ同じようなものだ。
沖縄の石垣島や宮古島のお墓は台湾の中国人のお墓と同じように斜面に大きな穴を掘って、その周りを石でかためた立派なものだ。このようなお墓は古代エジプトのファラオの墓も斜面に大きな穴を掘り周りを石で固めている。

上の丸太のミツバチの巣箱もそれぞれの地域の人々が独自に考え出したものだろうか?それともどこかに源があるのだろうか?
尚、インドネシアでも丸太をくり貫いた巣箱を木からぶら下げているようだ。
ヨーロッパでは藁を織り込んだ物、土器の物が伝統的な西洋ミツバチの巣箱で、箱型の物は最近だ!