「特定秘密保護法反対」

「特定秘密保護法」、「集団的自衛権」に反対します。憲法第9条をしっかり守りましょう。教育勅語の教材活用は間違いだ!

自由であっても、他人の生まれ、身体、性別、年齢、故郷、風習、宗教、民族、国を差別する、小馬鹿にする、冒涜するのは許されない。

原発不要・核廃絶


2019年4月4日木曜日

カヤネズミやヒメネズミを食べていた Marten had eaten harvest mouse and Japanese field mouse

4月1日にMaruさんと伊勢沢林道を歩いて拾ってきたテン糞④と⑪にはツバキの雄蕊の葯や花糸がたくさん入っていた。今日は、カヤネズミやヒメネズミの骨と考えられるものが含まれていたテン糞⑤とテン糞⑩についてアップする。
図1. 探索したルートのテン糞④、⑤、⑩、⑪の位置
テン糞⑤
キブシ種子、カヤネズミの毛多数・上腕骨・下顎骨・尺骨・橈骨・尾椎・骨片
このテン糞⑤から出てきたネズミ科の尺骨とテン糞⑩からの尺骨と手持ちのアカネズミの尺骨・橈骨を比較して(図6)、この骨片はカヤネズミと推定した。
図2.テン糞⑤から出てきた骨片
A:上腕骨遠位部、B:胸椎、C:左右の下顎骨、D:橈骨と尺骨

テン糞⑩
キブシ種子・果実果皮、サルナシ種子、雄蕊の葯、ヒメネズミ毛・骨片・尺骨・頚椎・第一臼歯、トカゲorカナヘビ歯・骨片
 図3.テン糞⑩から出てきた骨片
A:左、脛骨 右、尺骨 B:下顎切歯 C:トカゲorカナヘビの歯 D:第一臼歯
図4.第一臼歯 
左上顎の第一臼歯であることが判る。さらに、手持ちのアカネズミの標本と比べると少し小さい。赤線Aで囲まれた尺骨はアカネズミよりもかなり小さい。
図5.トカゲorカナヘビの下顎骨(歯が抜けている)

阿部永監修「日本の哺乳類」東海大出版会によると
アカネズミの頭胴長は80~140mm
ヒメネズミの頭胴長は65~100mm
カヤネズミの頭胴長は50~80mm
おそらく、橈骨や尺骨も上記の3者の頭胴長と同じくらいの割合の大きさであろう。
図6のUlna尺骨(右:アカネズミ、中:糞⑩からのもの、左:糞⑤からのもの)を見ていただきたい。糞から出てきたものは遠心部が欠けているが、大きさから判断すると、中がヒメネズミ、左がカヤネズミと推定してもおかしくないだろう。
同様にRadius橈骨は(右:アカネズミ、左:糞⑤からのもの)を見ると、糞⑤からのものは遠心部が欠けているが、アカネズミのものと比べると、明らかに随分小さい。カヤネズミの橈骨と推定できる。
図6.アカネズミの橈骨Radiusと尺骨Ulnaとの比較
橈骨Radiusの右がアカネズミ、左がテン糞⑤からでてきたもの。
尺骨Ulnaの右がアカネズミ、中がテン糞⑩からのもの、左がテン糞⑤からのもの。

以上のように、カヤネズミとヒメネズミが食べられていた。

2019年4月3日水曜日

テンたちのヤブツバキの花芯食い Eating Camelia's flower ovule by marten

4月1日にMaruさんと歩いた伊勢沢林道で拾ったテン糞の中で、いくつかの糞からヤブツバキの雄蕊の葯や花糸などが多数出てきた。
森は、マメザクラが咲き、ヤブツバキの木もたくさん花をつけていた。
テンたちはそのヤブツバキの花芯食いを始めたようだ。
テン糞④
キブシ種子・果肉果皮、ヤブツバキ雄蕊の葯多数・花糸、ノウサギ毛多数・骨片、カマドウマ脚
図1.ヤブツバキの雄蕊の葯
図2.ヤブツバキの雄蕊

テン糞⑪
ヤブツバキの雄蕊の葯・花糸多数、キブシ種子、サルナシ種子、腐葉砕片、小哺乳類毛
図3.ヤブツバキの雄蕊
これまで、ヤブツバキの花芯食いは7例見つかっているが、1例だけがハクビシンの糞と他はテンである。タヌキやアナグマは木に登れないのでヤブツバキの花は食べることができない。
一昨年冬に専門学校で見つかったハクビシン糞にもツバキの雄蕊の葯が入っていたことがあった。ツバキの花食いはハクビシンとテンの特権かもしれない。

これから、横浜でアフリカ時代の知人たちとの呑み会だ!

2019年4月2日火曜日

伊勢沢林道の自然探索 Nature observation and research in the Isezawa forestroad.

昨日の天気予報は午後3時くらいから雨だったが、伊勢沢では午前10時過ぎからミゾレとなって落ちてきた。午前9時過ぎまでは気持ち良いほどの晴れであったが、西の空に既に怪しげな黒雲があった。
帰路、車に乗って間もなく土砂降りとなったが、帰宅する2時頃にはすでに雨は上がっていた。
春の花を見つけ、動物糞を拾い、食痕を見つけ、小鳥たちの鳴き声に耳を澄まし、双眼鏡で鳥を追った。Maruさんに鳥の名前をたくさん教えてもらったが、鳴き声と名前が一致しない。鳴き声で判るのはまだミソサザイだけだ。コヤツはしょっちゅう甲高い声で囀っているので、判りやすい。教わって覚えたのはシジュウカラとコガラの声の違いだ。でも、今は思い出せない。難しい!

鳥やチョウの姿を見ると絵合わせで同定できるが、植物の同定は見たり調べたりする箇所がいくつもあり難しい。
8:02 ウグイスカグラの花がたくさん咲いていた
8:04 エイザンスミレ
8:07 ケマルバスミレで良いかな?
8:11 テングチョウがひらひら飛び回っていた
8:34 これはクマシデの花と云えるのかな?
8:38 カヤの雄花?
8:42 ムラサキシジミもちょろちょろ飛び回っている
8:47 キランソウだ!

9:08 ガードレール側のミツバツツジが2輪咲いていた。
帰路、清川村の家々のミツバツツジが満開だった。
9:23 ヤマトシジミだ!飛び回っている時はムラサキシジミと思っていたが、Maruさんがヤマトシジミだ!っと教えてくれる。
9:24 ガだ!2種類のガが飛び回っていた。このガは調べていない。
9:32 ん?これは????判らない!どなたか教えて下さい。
ヒメウツギとやまぼうしさんからコメントあり!
伊勢沢林道終点で小休憩する。太陽が雲に覆われそうだが、まだ大丈夫。林道終点から沢沿いの坂道を登るまえにヨゴレネコノメがいくつか咲いている。
 9:49 ヨゴレネコノメだよね!
10:12 このスミレの葉をしっかり撮ってこなかった!
伊勢沢は大半が干上がっており、ところどころしか水が流れていない。
10:13 アナグマが枯葉を鼻と前足で掻きまわしたようだ。
回りの緑の葉はシカが食べないヤマトリカブト。
10:14 トリカブトの間に顔を出していたコスミレ?
これはヒナスミレとやまぼうしさんからコメントあり!
やまぼうしさんから貰ったスミレの冊子が見当たらない。あれがあると調べやすいのに!
10:16 美味しそうなユリワサビ
10:28 探していたキクザキイチゲ!でも葉だけ、花が見当たらない。
花を求めて沢沿いを遡上する。あった!
10:28 最初に見つけたキクザキイチゲの花 
Maru氏にこの花を見せたかったので、取り敢えず一息つく。
ミゾレ状の雨が落ちてきたので、戻ることにする。
林道に出てから雨がポツポツと小止み状態になり、音見沢橋付近では止んだので、11時ちょっと前だが、お昼にする。

伊勢沢林道はこの3週間の間に整備された。林道上の倒木や土砂は取り除かれ、張り出していた枝は切り払われた。
その枝の樹皮をシカが食べたようだ。
11:09 食痕だ!
シカの下顎切歯の歯型が付いている。
12:16 左:テン♀の糞と右:テン♂の3回分の糞
12:20 ヤマルリソウ ここのヤマルリソウは気の毒だ!いつも、ホコリまみれである。
12:47 ミヤマカタバミだ!
12:47 スゲの仲間を食べたシカの食痕だ!

12:54 淡いピンクのミヤマカタバミもある。
テン糞を12個拾ってきた。今の時季は林床の落ちている果実も乏しい時期なので春の動き出した動物たちを食べている筈なので、内容物を調べるのは楽しみだ。

2019年4月1日月曜日

キクザキイチゲを見に行ってきた Have gone to see Anemone pseudoaltica.

今日は、Maruさんと伊勢沢のキクザキイチゲを見に行ってきた。
9時頃までは天気も良く、小鳥たちは囀り、テングチョウやムラサキシジミが飛びかっていた。
しかし、伊勢沢に入ると空は雲に覆われてしまった。
キクザキイチゲAnemone pseudoaltaicaは以前あったところには無く、少し奥へ探し歩いた。
晴れていたので花弁は開いているかと思っていたが、
曇り空になったため、キクザキイチゲは花弁を閉じてしまっていた。
それでも今日は多くの花に出会ったので良しとしたい。
 ほんのりと青みがかった花弁

2019年3月31日日曜日

シジュウカラが巣箱を出入り The pair of great tit bundle out of and/or into the nest box.

一昨日午後庭に出た時に、シジュウカラがジージー鳴いていた。嘴には枯草がくわえられていた。ぼくは、家の陰に隠れて様子を伺うと巣箱の中に入った。
久しぶりにシジュウカラが巣箱を利用してくれたので、庭には戻らず、玄関から部屋に入った。
巣箱は庭に出入りするガラス戸から1.5メートルも離れていない。
この巣箱は2013年4月下旬~5月下旬に利用されてから今まで一度も使われなかったのだ。しかし、今は巣材を運んで巣作りをしている。
このままだとあと一週間もしない内に産卵し、抱卵してヒナが生まれる。ヒナが生まれてもまだ虫は少ないだろうと思う。少なくても、2013年にくらべたら丸々1ヶ月早い巣作りだ!
巣材の枯草を運んできた

巣箱の中で2羽が一緒になることもある。連れ合いと一緒に見て、一人がその場から離れると、「今、入った。出てきた。また、来た!」などと互いに聞こえるように云い合う。
ちょっとしばらくは庭に出るのを止めなくてはいけないかな?
兎も角、嬉しい!
巣箱からでるシジュウカラ

2019年3月30日土曜日

タヌキは腐肉を食べるが、テンは食べない! A racoon-dog eats carrion, but a marten doesn't .

3月26日に谷太郎林道の権現橋から鳥屋待沢の左岸の尾根に登り、最初の415ピークを過ぎてから鞍部に出て斜面をトラバースしながら小尾根を下って鳥屋待沢へ降りて戻ってきた(下図)。
図1.歩いたルートとタヌキ糞①~③とテン糞①~④の位置

尾根を歩き斜面をトラバースしながら、目につく糞の写真を撮り、拾ってきて水洗いして、内容物を調べた(表1)。それぞれの糞の内容物の詳細は、下記に写真とともに記した。
表1.タヌキ糞3個とテン糞4個の糞内容物

7:51 タヌキ糞1
ケンポナシ種子・果肉果柄、腐葉砕片、ヒノキの葉、シカ毛・骨片、節足動物外皮・肢・翅、砂泥

8:10 タヌキ糞2
ヒノキ葉、サルナシ種子、腐葉砕片、シカ毛、羽毛・軸(翼)、骨片、節足動物外皮・肢、砂泥
長さ、5,6センチで、硬い茶褐色の毛が多数出てきた。カモシカの毛色ならもっと黒褐色だと思うし、柔らかい筈だ。恐らく、タヌキ糞1の個体と同一のシカの死骸を食べたのだろう。

8:30 タヌキ糞3
キブシ種子、ケンポナシ種子・果柄、マメガキ種子1個、腐葉砕片、シカ毛・骨片、節足動物外皮・肢、砂泥
この骨片は巾5ミリ長さ1センチくらいあり、2ミリくらいの骨片だ!骨を齧りとったのだ。この尾根の両側の沢付近にシカの死骸があるのだ!

8:00 テン糞1
羽毛・骨片、不明動物質、砂泥

8:06 テン糞2
羽毛・骨片・動物質内臓表皮、不明直径2,3ミリの丸っぽい植物質6個、ヒノキ葉片、砂泥

8:48 テン糞3
キブシ種子6個、カエル? 骨片、節足動物脚・外皮、砂泥
骨片からカエルとした。鳥や哺乳類を食べたら羽毛や毛が混じるが、この糞は骨片だけであり、軽い1センチくらいの長い骨の端が出てきたのでカエルとした。

8:52 テン糞4
キブシ種子・果肉果皮、節足動物脚多数・外皮
この糞はキブシの10個内外の果実を食べたものであり、果皮がとれた果肉が6個あった。節足動物の長い脚が多数絡まるようにでてきた。オオゲジを2匹以上食べたものと思われる。

 タヌキ糞にはどれもシカ毛が入っていたが、テン糞からはシカを食べたと思われる内容物は出てこなかった。タヌキは腐肉を食べるが、テンは腐肉を好んで食べるわけではないと云えそうだ!
過去のデーターをみると、シカが食べられた痕跡が出てきた糞が50個、その内、タヌキが39個で、テンが6個だ。他はアナグマ2個、キツネ1個、クマ1個、イノシシ1個だ!テンは拾った1024個の糞の内で6個だけだ。しかし、タヌキは281個中39個だ。統計計算をするまでもなく、タヌキは腐肉を食べるがテンは腐肉を好まないと云える(表2参照)。どなたかχ二乗検定で計算してみて!
   表2.タヌキ糞とテン糞の内容物のシカ毛が入っていた個数

2019年3月29日金曜日

ピグミーオポッサムの前恥骨 The epipubic bones of pigmy opossum.

有袋類ピグミーオポッサムの前恥骨の拡大写真を載せる。
寛骨は腸骨・座骨・恥骨の三つの骨からなり、ほとんどの哺乳類では子供期まで大腿骨頭が接する寛骨臼の部分で三つの骨は離れている。
成長するにつれて三つの骨は癒合し始める、腸骨・恥骨と恥骨と座骨、そして大腿骨頭が接する部分で腸骨・恥骨・座骨がの三つの骨が癒合し、一つの寛骨が形成される。
左右の寛骨の恥骨や座骨は思春期を過ぎた頃に縫合し始める。しかし、一部の哺乳類では大人期を過ぎて老齢化しても左右は癒合しない。

さて、有袋類にある前恥骨は恥骨とは、恥骨の前(上)にある骨である(下図参照)、前恥骨は恥骨は二か所で接しているが癒合しているわけではなく、靭帯で結びついている。
靭帯で結合することで有袋類の育児嚢を支えることができるのだ!
恥骨と前恥骨epipubic boneとの位置

今日は、また、寒くなってきた。
もう、3月も後1日だけで、4月に突入する。
今冬は乾燥していたせいか、庭の梅ノ木に下げていた、カヤランやフウランがもうすぐ温かくなるのにシワシワに乾いている。心配だ!


2019年3月28日木曜日

オポッサムの不思議な骨・前恥骨 Epipubic bone, the mysterious bone of pigmy opossum

昨年の暮れに知人のK.Nagamineさんからピグミーオポサムの死体が宅急便で、送られてきた。
頭部は、パソコンの横に置いていたので3週間くらいで骨にすることができた(1月18日アップ)。しかし、他の部分は物置に置いておいたので、冬の寒さで腐敗がすすまず、温かくなって急速に腐敗がすすみ、ようやく骨を取り出すことができた。
このところ、最後に骨を取り出す時には、水洗いした後、入歯洗浄剤を入れて1時間くらい置いてから再度、骨を洗ってから取り出す。
このようにすると、腐敗臭が消え、イヤな臭いを嗅ぐ必要がなくなる。

さて、下が取り出し、乾かした骨である。
A:左右の肩甲骨・上腕骨・橈骨・尺骨・手根骨・指骨
B:寛骨・大腿骨・脛骨・腓骨・足根骨・指骨
C:頸椎(上から環椎・軸堆・第三頸椎~第七頸椎)
D・D':胸椎と腰椎の一部  E:肋骨  F:腰椎・仙骨・尾堆

上腕骨の遠位の内側に顆上孔がある(実は、ぼくは有袋類のオポサムは木登りをするので、リスやテンのような後獣類の木に登る動物たちがもつ顆上孔の有無を知りたかった。)ということは、コアラも顆上孔が有ると云うことだ。

このピグミーオポサムの骨で、なによりも興味深い骨はBの左右の恥骨についている骨である(矢印をして?マークで示している)。タヌキやリスのような後獣類ではない骨だ!
この骨のついている部位と形から、この骨は有袋類の育児嚢を支える骨であると考えられる。
ネット検索したら、前(or上)恥骨epipubic boneと云い、有袋類に特有なのでmarsupial bonesとも云うようだ。
図1.ピグミーオポッサムの骨
上腕骨の内側に顆上孔supuracondylar foramenがあり、恥骨に前(or上)恥骨epipubic boneがつく。

しかし、いよいよ何故木に登る動物の上腕骨には顆上孔があるのか?また、登らないのに顆上孔がある動物もいるのはどうしてか?
前足の爪を使って木を登る動物にはあるが、ニホンザルのように爪を使わないで木に登る動物には無い。
顆上孔に通る神経は?