11月23日にイノシシの頭骨をアップすると、take隊員からイノシシが笹の根を切るのはどの歯なのだろうか?とコメントがあった。ぼくは犬歯だ!と答えたが、その根拠をイノシシの犬歯の写真とともにアップする。
まず、上から見た犬歯を見ていただきたい。
上下の犬歯を互いにいつも擦り合わせているようだ。
見てのとおり、まるで擦り合わせることで互いに磨きをかけているとも云える。
ハサミは互いに擦り合うが、研がなければ切れ味が悪くなる。
イノシシの犬歯はハサミのように擦り合わせることにより、上顎の犬歯が下顎の犬歯を下顎の犬歯が上顎の犬歯を互いに砥石替わりになって互いに研ぎ合っている。
これで、ササの根などは楽にブチと切ることができるだろう。
下顎は前後左右に動くので、イノシシは簡単に噛み切っているだろう。
イノシシでは犬歯同士だけが擦り合うが、犬歯を持つサルやキツネでは異なる。
それにしても、イノシシの歯は切歯も臼歯も前臼歯も立派で頑丈なものだが、犬歯だけが無根である。イノシシの犬歯はネズミの切歯と同じように減っても減っても伸び続けるのだ。バビルサが種分化したのも理解できる。