今度は、ウシ(ホルスタインと思う)の頭骨をみると、ウシ科にも関わらず涙骨が凹んでいない(a)、また眼窩下孔は第一前臼歯の前に開く(↓)(図1参照)。前顎骨が鼻骨に接するように見える(赤丸で囲った部分)。但し、この頭骨の鼻骨は欠如している。
ウシは涙骨がニホンカモシカのように凹んでいないばかりか、ニホンジカのように涙骨と前頭骨、上顎骨、鼻骨の部分の骨が欠けて眼窩前孔があるわけでもない。
図1.右側面からのウシ(ホルスタイン)の頭骨
これからも、ニホンジカとニホンカモシカの頭骨の違いからシカ科とウシ科を区別することが大きな間違いだったことが判る。 しかし、どうしてウシの涙骨は凹まないのだろう。ウシは眼窩線から分泌液が出ないのだろうか?眼窩線から出る分泌液は自分の縄張りを他個体に知らせるためのものだ。ウシの祖先は水牛ではなくてオーロックスという動物だが、コヤツは縄張り宣言をする必要が無かったのか、或いは別の手段で、例えば糞尿で自分の縄張りを誇示したのかもしれない。あるいは、単雄複雌群とオスグループを形成するために個体の縄張りを形成しなかったのかもしれない。いずれにしてもニホンカモシカのようにペアで縄張りを形成する動物ではないと云う事が判る。

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