食肉目はネコ亜目とイヌ亜目に分かれる。日本に生息するネコ亜目にはネコ科のノネコや2種類のヤマネコが生息し、ジャコウネコ科のハクビシンやマングース科のジャワマングースも入り込んでいる。イヌ亜目はイヌ下目のイヌ科とクマ下目のクマ科、イタチ科、アライグマ科も生息する。
図1.日本生息の食肉目の上腕骨の顆上孔(孔に紐を通す)
a:キツネ b:タヌキ c:アナグマ d:イタチ e:アライグマ f:ジャワマングース g:ハクビシン h:ノネコ
爪を使って木登りするリス、スローロリス、ネコなどの哺乳類の上腕骨には顆上孔がある。しかし、モグラやヒミズ、さらにはアナグマにも顆上孔がある。どうも前足のカギ状の爪を用いて土を掻いたり、木に登ったりする動物に顆上孔があるようだ。
食肉目イヌ亜目イヌ下目イヌ科の動物には顆上孔が無い。が、タヌキは木登りしてカキの果実を食べる*。イヌ亜目でもクマ下目のクマ科、イタチ科、アライグマ科の動物は顆上孔がある。しかし、イタチ科でもラッコには顆上孔はないようだ(カワウソにはある)。
*クマやテンは垂直の木でも爪がひっかかれば木登りできるが、タヌキはどうであろうか?一方、ネコ亜目のネコ科、ジャコウネコ科、マングース科の全ての動物は顆上孔を持つ。
イタチ科のアナグマやカワウソも顆上孔を持つから系統によるものかなとも思ったが、ラッコには無い。また、齧歯目のリスやムササビ, モモンガのリス科は顆上孔があるが、ネズミ科は無い。ヤマネ科は有無は不明だが、樹上生活者なので顆上孔はあるだろう。
また、モグラやヒミズにも顆上孔がある。顆上孔は上腕骨の内側上顆の上に開いた孔である(図2)。この孔は当然神経が通るが、どのような役目を持つ孔なのだろうか?
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