11日(月)の高取山・仏果山から帰宅すると、段ボール箱の宅急便が届いていた。
差出人は愛媛県新居浜市のK.Tさんだ。先日、「イノシシの頭骨を貰ってください」とメールが来ていたのだ。愛媛県産のイノシシの頭骨と神奈川、千葉、岡山のものとの違いの有無を見たかったので、もちろんOKした。
新居浜市阿島海岸で見つけたようだ。満潮時には海水で海岸が浸るようだ。ビーチコーミングに行って、頭骨を見つけ、図書館で拙著「頭骨コレクション」を見てイノシシの頭骨だと判ったようだ。
Fig.1 阿島海岸で from K.T
、その後K.Tさんは、またこの海岸を散策して真っ白い大腿骨を拾い持ち帰った。
その時もイノシシの頭骨はそのままにして、帰宅してからイノシシの頭骨が気になって、頭骨を部屋に飾ることはできないので、もうぼくに貰ってもらうしかないだろうと思い意を決して拾ってきたとのことである。で、その日の夜にぼくにメールをくれたのだ。その時添付されてきた写真がFig.1のものである。
下は、K.Tさんが送るまえのイノシシの頭骨と、イノシシの肩甲骨(左下)とイヌの大腿骨
これらがしっかり、梱包されていた。
Fig.2 送る前の状態 from K.T
この海岸をビーチコーミングしていて見つけたようだ。骨を見つけたのは初めてとのことだ。
でも、恐らくこれからは骨を目にすることが多くなるであろう。
でも、恐らくこれからは骨を目にすることが多くなるであろう。
Fig.3 大島がすぐ側に見える新居浜市阿島海岸 from K.T
Fig.4は送られてきたイノシシの頭骨だ。
老齢メスだということが分かるくらいで、一目見ただけでは他の地域との差異がまったく不明だ。
Fig.4 側面から
Fig.5 上面から
Fig.6 底面から
第三臼歯しか残っていなく、しかも臼歯の咬合面は摩耗している。
始めは海岸に流れ着いたので、このように摩耗したのかな?っと思ったが、それなら他の部分はもっともっと摩耗したり欠けたりしているだろう。
Fig.4やFig.5の側面や上面からの状態をクリックして拡大してみると判るが鼻骨や前額骨、頬骨弓の頬骨側頭突起や側頭骨頬骨突起を除いた他のパーツの骨は癒合合体している。
特に涙骨は上顎骨・前頭骨・胸骨としっかり合体していて縫合部分が判らないほどだ。
第三臼歯の摩耗は、手持ちのイノシシの頭骨とは比べものにならない程摩耗し、咬合面がすり減っていて、かなりの老メスのイノシシだと思うが、手持ちのメス(岡山産や丹沢産)と比べると全体に小さい。老齢なのにこの小ささはどうしてなのかと思うほどだ。
新居浜、高梁、清川の順に大きくなっている。地域差を比較するのに僅か1個体ずつだけだが、
まるで、寒冷地にいくほど身体が大きくなるというベルグマンの法則に則っているかのようだ。
しかし、K.Tさんが送ってくれイノシシの第三臼歯の咬合面の摩耗の度合いは、ニホンザルなら20年以上生きていたような老齢個体のものだ。
この個体は老衰して川に流され、骨となって新居浜の海岸に流れ着いたものと考えられる。
K.TさんはFig.3の新居浜阿島海岸の前の大島から流れ着いたのが自然だと考えている。
この大島はイノシシによる農業被害が拡大しているようだ。
っとなると、K.Tさんから送られてきた♀イノシシの頭骨の小ささは島嶼化の影響だと云える。
しかし、大島と新居浜との間は1キロ弱であり、愛媛県と大島のイノシシは交流があると考えるのが妥当だろう。そうなると島嶼化よりもベルグマンの法則が効いていそうだ。
K.TさんはFig.3の新居浜阿島海岸の前の大島から流れ着いたのが自然だと考えている。
この大島はイノシシによる農業被害が拡大しているようだ。
っとなると、K.Tさんから送られてきた♀イノシシの頭骨の小ささは島嶼化の影響だと云える。
しかし、大島と新居浜との間は1キロ弱であり、愛媛県と大島のイノシシは交流があると考えるのが妥当だろう。そうなると島嶼化よりもベルグマンの法則が効いていそうだ。
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