15日のゴジラ尾根・鍋嵐・ハタチガ沢林道の続き:
まだ、拾ってきたテン糞は未処理であるが、
18日の「テンはタヌキより温かい所が好き」とアップした地図上で、
県道上で黄色で不明とした糞。
黒く、毛が混じっているのが判る。
2日間も水に浸けておいたのに崩れない。
ピンセットでほぐすと毛だらけだ。洗面器状の大きな入れ物に移し、
棒で突いたりしながら毛をほぐした。
ほぐれた毛だけをすくい取るようにして毛玉をほぐしては毛だけを取り除いた。
大きな器の底に固形物がわずかに残った。
それらを茶漉しの移して、乾かしたのが下のABCの歯や骨である。
ネズミ亜目の動物であること9が、Aの歯で判る。
Aの囲いの中は、切歯や臼歯や臼歯を含む上顎骨や下顎骨だ。
Bの部分の下は寛骨の坐骨と恥骨と腸骨が丁度縫合した股関節に当たる部分だ。Bの左中央は大腿骨の一部であり、右中央は上腕骨の肘に当たる部分だ。
Cの部分は頭骨の破片だ。
Aの上の部分の切歯を拡大して見ると、
切歯が全部で大小合わせて7本ある。
大の部分の下は左下顎の切歯であり、上は左右の上顎の切歯である。
これはアカネズミのものである。
小の部分は上下の判断が難しい。
どうも子どものネズミの切歯である。
臼歯の部分をよく見ると、下の黄色の線で囲った部分の臼歯は非常に小さい。
是非、クリックして拡大して黄色線で囲った臼歯と他の臼歯を見比べてください。
手持ちのアカネズミの歯や骨で比較した。
この線で囲ったものや小さい切歯、さらには大腿骨、寛骨、上腕骨の部分は、
アカネズミのものを二回りくらい小さくしたものだ。
この小さなネズミは幼体ではなく、臼歯の歯根もしっかりしているのだ、
カヤネズミの標本は持っていないが、カヤネズミの可能性が高い。
見た時は同定できなかった糞は、キツネの糞であり、アカネズミとカヤネズミ?を食べたようだ。
4 件のコメント:
ふむ。ということは周辺というかそのキツネの行動圏にカヤネズミが棲むようなカヤトというか草地がある…ということですね。
ア!ニシメガネザルさん、お久しぶりです。
そうなんです。
この糞があったのは県道のガードレールの外側なんですが、中津川沿いにというか県道沿いは高さ2メートルくらいのカヤ場になります。
実は県道から中津川に掛る橋を渡るには、ゲートがあって通行禁止なのです。そこで、山登りやバードウオチャーは遠回りして、道路沿いのカヤ場を10メートルくらいかき分けていき、橋を渡ります。
しかし、臼歯はもちろんのこと、大腿骨頭もアカネズミのものと比べるとずいぶん小さい。
しかし、これだけ山奥だと、そのカヤトは独立しているのでしょうか? カヤネズミたちは、ダムで孤立した個体群になっちゃっているんでしょうかね。あるいは法面をうまく使って移動してるのか…。11月も中旬だと、まだ秋の繁殖シーズンかも知れませんね。
カヤ場の広さやその分布を注意してみたことがありませんでした。
これからは、カヤ場をもっと注意することにします。
カヤネズミについてもっともっと知りたいです。
どうもありがとう。
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