林道の続きです。
丹沢にはシカとカモシカが同所に生息する。
丹沢にはシカとカモシカが同所に生息する。
林道から沢へ下ろうとするとシカの警戒音が対岸の斜面から聞こえる。
斜面をグリセードをするように滑りおりていくと、
シカが右の樹皮を食べていた場所にでる。
足跡と糞粒が散在している。
これは対岸の斜面で警戒音を出した個体たちが食べた痕ではない、
足跡は前日のモノだ。
足跡の中に糞粒が一個落ちている。
このくらい深く足を雪につっこむと、シカの場合は第二・第五指のヒヅメの跡が第三・第四指のヒヅメ少し離れた後ろに小さくつく。イノシシのように逆さハ字状にはならない。
これは倒れたフサザクラの花芽をシカが食べた痕である。
下のは、シカが雪で折れたウラジロガシの葉を食べた痕である。
シカとカモシカの足跡や糞の区別は難しい。
ここでは、食痕があったので、葉や樹皮を噛み切った下顎の大きな切歯の痕をたよりにした。
これと足跡を組み合わせると、シカとカモシカの足跡の違いは、
第三・第四指のヒヅメ(主蹄、第二・第五を副蹄と言うようだ)の間が5ミリ以上開くのはカモシカで、カモシカのヒヅメの方がシカよりも全体的に大きく先が丸っこい。
で、手持ちの左:シカ(メス)と右:カモシカ(性別不明)の後足を比べた。
ここでは、食痕があったので、葉や樹皮を噛み切った下顎の大きな切歯の痕をたよりにした。
これと足跡を組み合わせると、シカとカモシカの足跡の違いは、
第三・第四指のヒヅメ(主蹄、第二・第五を副蹄と言うようだ)の間が5ミリ以上開くのはカモシカで、カモシカのヒヅメの方がシカよりも全体的に大きく先が丸っこい。
で、手持ちの左:シカ(メス)と右:カモシカ(性別不明)の後足を比べた。
これほど明らかにヒヅメの先が違うなんて気がつかなかった。
両方とも乾燥標本にしてある。
左:シカのヒヅメの先は尖るが、右:カモシカのヒヅメに先は尖らない。
さらに、シカのヒヅメ(第三・第四)の大きさが異なるが、カモシカはほぼ同じ大きさだ。
せめて、もう一個体づつ標本を集めて確実にしたい。
4 件のコメント:
頭骨だけでは検証できないことがたくさんありますね。
まだやることが多そうです。
ただ写真ですませることができるのもあると思うので、きっちりした写真も必要ですね。
私の場合、あちこちHPを巡って、足裏写真などけっこう探し出してます。
話しは少し飛躍します。
元資料を大事にして残しておくという姿勢が我国では乏しいように思います。
例えば、市、県、国の重要書類であったも10年、20年で反故にされてしまいます。
今回問題になった米国との核の密約でも米国側では資料が残っているのに、日本では散逸しております。
我国の哺乳類学は欧米と比べると100年くらい遅れていると思っております。
欧米では哺乳類の頭骨・骨格・形態・足跡・糞・食痕・他のフィールドサインは一般書としてたくさん出回っております。
が、日本ではようやく始まったばかりです。
バードウオチングが日本ではようやく一般的になっておりますが、欧米では100年以上前からです。
稲作(魚食)文化と小麦(肉食)文化との違いかな?とさえ思ってしまいます。
たとえば、リスのエサでも、私が写真におさめたミズキの花茎やクマシデはどこの資料にも載ってないのです。
今日、ブログにアップしたモミですら、クルミ500個に大して1個もありません。
40種ぐらいのエサのデータ表に、モミの名前が載っているだけで、数値は空欄。どうチェックしたのか不明です。
以前隊長に紹介していただいた、エビフライの載っていた外国のハンドブック、自力で作り上げるぐらいでないとダメせすよね。
子供の頃、動物好きはたくさんいたと思うのだけど・・・。
写真に撮って、図を描いて、計測して、標本として残す。
これらはどれもが大切ですね。
写真は生態写真のものすごく有力な資料ですね。
リスがモミの松毬をこうやって食べていたという証拠ですね。
何故か、我国では小学生くらいまでは生き物好きが理科教育で評価されるのですが、高学年や中・高生になるともうリスやテンを観察していたり、ネズミを解剖したり、糞を調べたりしたりしていると変人扱いされてしまう。
生物教育・理科教育でもう少し子供たちを野山や海岸に連れて行くべきだが、事故を恐れて野外には連れ出せない。というよりも事故があれば、マスコミを含む親がすぐ学校批判をする。
山歩きは今は中高年者の特権になってきたが、できる限り子供を誘いたいものだ。
コメントを投稿