17日に煩悩ノ頭から東南に走る尾根で見つけたタヌキのタメ糞:
このタヌキのタメ糞の位置は、GPSの記録によれば1243mである。
大山のピークが1252mなので丹沢ではこれでも結構高い。
で、下記の写真の新鮮なのを丸々一個分をゲットしてきた。
水洗いした。8、9割の内容物が残った。
なんと、ほぼ全てが甲虫の腹部、胸部、頭部、脚部、羽であった。
虫に関しての素人目には同じ甲虫を大量に食べたものと思われる。
恐らく枯れた樹皮の裏や隙間で越冬している甲虫を食い漁ったものと思われる。
(クリックすると拡大)
この中にわずか8個のキブシの種子(左上端)を見つけた。
この場所にあった、タメ糞のほとんどが黒光りするような糞だった。
高いところに生息するタヌキの冬の食性は、昆虫食が主になるのか?
例え、彼らが昆虫を食べてもキチン質部分は消化されないので、
たくさん食べてもほんの少しのカロリーしか得られないだろう。
否、昆虫は栄養豊富なのかもしれない。
トガリネズミやモグラたちのように以前食虫類と称された動物たちでも、
甲虫の外骨格部分は消化できないだろう。
アフリカにいた時、アリ食専門のセンザンコウの糞を観察したことがある。
糞はアリの頭や胸、触覚、脚などの塊であった。
アリ食に特化したようなセンザンコウでもキチン質は消化できないのだ。
それにしても、キブシのタネが出てきたことに驚いた。
キブシは低山のテンやタヌキばかりでなく、標高の高いところの動物にとっても、
冬季の重要な果実なのかもしれない。