サルとネコの頭骨の裏側(底面)の口蓋部分(上顎骨口蓋突起と口蓋骨)を見ていて、大きな違いがある事に気がついた。それは、サルの口蓋は凹んでいるが、ネコではほぼ平である(図1)。また、サルの左右の歯並びは切歯を頂点とした放物線を描くが、ネコではハの字型になる(図1)。
この口蓋部分が凹むのは、ニホンザル、カニクイザル、キイロヒヒ(図2)もハヌマンラングール、レッドコロブス、リスザル(図3)もヒトもそうだ(自分の上顎を触ってみて!)。
図3.レッドコロブスProcolobus badius(左)、ハヌマンラングールSemnopithecus entellus(中)、リスザルSaimiri sciureus(右)の口蓋
どうして、サルの仲間とネコでは口蓋の形状が違うのだろう。一つ言えることは、サルは雑食と葉食で、臼歯で食べた食物を何度も噛む。しかし、ネコは肉食で口に入った獲物は殆ど丸飲みだ。咀嚼ははとんどしない。この咀嚼をするか、丸飲みかの違いで、他の動物たちの口蓋を見てみよう。
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