食肉目の中でもイヌ型亜目の動物はネコ型亜目に比べるとどの科の動物も頬歯の数が多い。ネコたちとは違って良く咬んでから飲みこんでいるのだろう。先ず、口蓋を見よう。図1のイヌ科の動物たちの口蓋はやや凹んでおり、左右の歯列がハの字状に広がっているのではなく、閉じるようになっている。次にイタチ科も見よう。これらの口蓋も中心線付近が少し凹んでいて、歯列最後位の臼歯が臼状に潰れている。
図1.左:イヌ
Canis familiaris 中:タヌキ
Nyctereutes pryocyonoides 右:ホッキョクギツネ
Vulpes lagopus図2.左:アナグマ
Meles meles 中:テン
Martes melampus 右:イタチ
Mustera itatsiでは、アライグマやクマはどうだろう?アライグマもツキノワグマの口蓋は凹んでいる(図3)。かれらの裂肉歯はその用を成さず、臼歯は食物を潰すように特化し、ツキノワグマではイノシシの同じように磨り潰すようになっている。
図3.左:アライグマ
Procyon lotor 右:ツキノワグマ
Ursus thibetanusこのようにイヌ型亜目の動物たちは、肉食と果実食やクマのように植物全体を食べる雑食性に変化しており、口蓋や歯列も変化している。
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