昨日、タイワンザルの4歳くらいのメスの後頭骨部分が全て脱落している例などから、後頭骨は隣り合う頭頂骨や側頭骨、蝶形骨との縫合が遅れるのではないかと述べた。そこで、老齢オスニホンザルの後頭骨をその回りの骨との接合癒合状態をみた。この個体は、前歯は折れ磨り減り、犬歯や頬歯もかなり磨り減っている。生存している時は腰は曲がり、手足の肘や膝が曲がった状態で歩いていたので老衰したと考えられる。
図1.老齢オスニホンザルの頭骨底面(左)と上面(右)の頭骨
頭骨底面を見ると後頭骨と頭頂骨や蝶形骨はがっちり癒合しているが、左右の側頭骨と後頭骨が僅かに細い部分(← →)で癒合して合体しているが、縫合部分は隙間が空いている(図1&2)。この隙間は破裂孔と云う。一方、前顎骨・鼻骨・上顎骨・涙骨・前頭骨・頭頂骨はしっかり癒合している。
これは、他の哺乳類の頭骨でもほぼ同じである。
図2.老齢オスニホンザルの後頭骨と側頭骨、聴胞abと蝶形骨pg
← →:後頭骨と側頭骨の癒合した部分
が、15歳で逝った愛犬クロの頭骨底面を見ると、後頭骨と側頭骨はがっちり縫合していて、破裂孔は見えない(図4)。しかし、タヌキやキツネ、シカ、カモシカ、イノシシなどのオトナの頭骨では後頭骨と側頭骨が縫合していない。 後頭骨と側頭骨底部の縫合部分に隙間の破裂孔があるのは三叉神経などの脳神経の出口となっているからだ。老齢で逝ったクロの破裂孔は閉じているが、卵円孔や聴胞後部の頚静脈孔は大きく空いている(図4)。
図3.クロの頭骨底面からの後頭骨と側頭骨
頭蓋骨が形成される前に既に血管や脳神経や脊髄神経が形成されているので、それを覆うように頭蓋骨を形成されるが、脊髄神経を囲むのは大孔となり、頭部や頸部への神経などの卵円孔や破裂孔、頚静脈孔は蝶形骨や側頭骨と後頭骨がそれらが通る孔として癒合しなかったのだ。




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