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2023年10月19日木曜日

シカやカモシカの頭骨の不思議     The wonders of Deer and Serow's skulls

思うように歩けなくなって、このところ晴れていても家に居てコーヒーを飲みながら、読書か骨見に明け暮れている。で、シカやカモシカの仲間の(鯨偶蹄目反芻亜目ウシ科)頭骨を見ていて、他の動物たちとは異なる事があることに気が付いた。それは、サル(図1)でも食肉目のタヌキ(図2)やハクビシン(図3)の頭骨でも、子供の頃の頭骨を形成している前頭骨や頭頂骨、上顎骨、鼻骨でも縫合線が明確であり、まだ癒合・合体していない。が、オトナになると縫合線が消え、癒合・合体する(図1~3)。
このことは全ての哺乳類の頭骨でも同じだと思っていた。
図1.ニホンザルMacaca fuscataのオトナAdult(左)とコドモJuvenile(右)の上面から見た頭骨
図2.タヌキNytereutes procyoniudesのオトナ(左)とコドモ(右)の頭骨
図3.ハクビシンPaguma larvataのオトナ(左)とコドモ(右)の頭骨
しかし、シカ(図4)やカモシカ(図5)では、コドモと同じようにオトナの頭骨も縫合線が明確である。これはどういうことなのだろうか?ぼくが持っているシカやカモシカの頭骨はまだコドモなのだろうか、イヤそんなことはない。大きな角を持っているオスジカの頭骨の縫合線も明確だ。シカやカモシカは生後10年以上経っても頭骨が大きくなるのだろうか?

図4.シカCervus nipponのオトナ(左)とコドモ(右)の頭骨
図5.カモシカCapricornis cripusのオトナ(左)とコドモ(右)の頭骨

シカもカモシカも前頭骨から角が出る。シカ♂では毎年生え変わり、大きくなる。カモシカでは毎年角輪が重なり、大きくなる。つまり、両者(シカ♀を除いて)は毎年頭骨が成長しているとも云える。このことがいつまでもシカやカモシカの頭骨の縫合線が残ることと結びついているのかも知れない。

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