面白いと云うか不思議なものだ。図1は、キツネの左側面から頭骨である。頬骨側頭突起が側頭骨頬骨突起の下になって接し、頬骨弓を作る。何故、面白いかと云うと、これはほぼ全ての哺乳類に共通しているからだ。
図1.キツネCanivoraの頬骨側頭突起(→)と側頭骨頬骨突起(←)の関係
図2.イノシシCetartiodactylaの頬骨側頭突起(→)と側頭骨頬骨突起(←)
図3.カモシカの頬骨側頭突起(→)と側頭骨頬骨突起(←)
図4.スミスネズミRodentiaの頬骨側頭突起(→)と側頭骨頬骨突起(←)写真をクリックすると拡大されて境目が判りやすい
図5.ノウサギRagomorphaの頬骨側頭突起(→)と側頭骨頬骨突起(←)
図6.カニクイザルPrimatesの頬骨側頭突起(→)と側頭骨頬骨突起(←)
図7.ピグミーオポッサムMarsupialiaの頬骨側頭突起(→)と側頭骨頬骨突起(←)
以上のように、食肉目(図1)、鯨偶蹄目(図2&3)、齧歯目(図4)、兎形目(図5)、霊長目(図6)、有袋類(図7)の頬骨側頭突起は側頭骨頬骨突起の下になる。が、後眼窩突起と眼窩輪を形成する骨は側頭骨頬骨突起ではなくて、頬骨前頭突起であり、つまり、頬骨は頬骨前頭突起と頬骨側頭突起に二つに分かれるのだ。
骨は受精卵が発生・成長していくと先ず目ができその周りの頭蓋骨が形成されていくわけだが、この組織から器官の形成にも順番や位置などの設計図が次々に起こる現象によって引き繋がれていく。この頬骨弓をつくる頬骨側頭突起が側頭骨頬骨突起の下に潜るのも成長の段階で決まってくるのだ。決して頬骨側頭突起が側頭骨頬骨突起の上になって頬骨弓をつくることはないのだ。
「暑さ寒さも彼岸まで」と云うが、お彼岸になった途端寒いような涼しさが続いている。靴下を履かないと足元が寒い。風邪をひかないように寒さを我慢しないで長袖だ。
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