モグラの仲間の骨盤(寛骨と仙骨)を見ていて、ネズミの仲間のものと見比べていたら、齧歯目ネズミ科のアカネズミApodemus speciosus(ネズミ亜科)とハタネズミMicrotus montebelli(ハタネズミ亜科)の骨盤に明らかな違いがあることが判った。それはアカネズミの仙骨は2個の仙椎からなるが、ハタネズミの仙骨は4個の仙椎からなり、しかも仙椎の幅が狭い。ネズミの分類は金子之史著、日本産ネズミ科検索表「日本の哺乳類」東海大学出版会による。
図1.骨盤を背側から L:アカネズミA.speciosus R:ハタネズミM.montebelli
ヒトの場合は仙骨は5個の仙椎、しかし、ニホンザルでは3個、ネコ、イヌやタヌキでは3個、ノウサギは4個の仙椎、イノシシも4個の仙椎、シカやカモシカでは5個の仙椎で仙骨となる。ネズミ(ネズミ科)の仲間でこんな違いがあるなら、同じ齧歯目のリス科ではどうだろうか?ニホンリスでは2個の仙椎だ!ヤマネの骨の標本を持っていない。テンやタヌキなどの食肉目の動物糞の内容物として骨盤が見つかったことは今までないが、フクロウなどのペリットには骨盤の一部が出てきている。骨盤からもネズミ亜科かハタネズミ亜科のネズミを食べたかあるいはリスを食べたかを明らかにできることが判った。
あ、動物糞では食べた動物の歯は消化されないで糞内容物として出てくる。ネズミ亜科とハタネズミ亜科は歯では簡単に区別できる。
ところでハタネズミの細長い仙骨はモグラの仲間のものに似て細い。しかし、モグラの仲間は仙骨と寛骨が癒着合体している。
昨夜はいつものように9時前に寝たのでサッカーワールドカップの日独戦は見ていないが、今朝起きたら、ネットのニュースはもちろんの事、TVでも日本がドイツに逆転勝利したことで持ち切りだ!凄い!日本の若者は大谷翔平と云い世界で活躍している。
これをアップ後、ネットサーフィンをして、Microtusの骨盤を調べていたら、図1でアップしたハタネズミはオスであることが判った。メスのハタネズミは仙骨がアカネズミのように仙椎が2個からなり短い。雌雄で違うんだ!驚き!(2022.11.25)
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