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原発不要・核廃絶


2012年3月15日木曜日

環境省の野生動物に関する仕事

ぼくは今、野生動物保護専攻のクラスがあるTCA専門学校で週二日授業をしている。
野生動物保護に関わる就職口は、
アセスメントなどの野生動物の調査会社や、有害動物駆除の会社、
さらにはペットや獣医を手助けするものがある。

日本ばかりではないが、各地で増えた野生動物による農作物被害、
さらには人的被害があり、一方では、絶滅が危惧される動物たちもいる。
環境省ではH.11年に、各都道府県に生息する野生鳥獣の特定鳥獣保護管理計画をたて、
実施させている。
神奈川県の対象動物は、サルとシカだ。
この鳥獣保護管理計画が上手く機能して、野生動物たちが適正に保護管理されている都道府県は無いと言い切っても良い。
そのため、都道府県の自然植生や農作物、さらには人まで被害を被っている。

これらの計画は「絵に描いた餅」になっているからだ。
今、一番必要なのは、現場で絶えず動物たちを監視し、
状況に応じて対応できる人材がまったくいないからだ。
そのような人材は、定年退職したような人で、お茶を濁そうとしてはダメだ。
考える力をもった若くて元気な人たちを、都道府県は教員を採用するのと同じように
雇あげるべきだ。

先日、丹沢山塊を一緒に歩いた笹沼萌さんは、ツシマヤマネコが生息する
環境省の対馬野生生物保護センターに採用された。
3年間契約で、手取りは10万円そこそこだ。
さらに、専門学校を卒業して環境省のアクティブレインジャー
(自然保護官の補佐役で、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説等となる)
に採用された若者たちがいる。
が、二人は2年もしないで辞めた。
給与が日給月給で、5年契約であり、将来が見通せないのだ。
5年経つと自然保護官や正職員になれるとすべきではないのか?
環境省は現在世の中に巣食っている悪い雇用形態を率先しておこなっている。
若者は次々に現れてくるから次々に新たに採用していけば良いと考えているのだ。
若者を育てようとしていない。と云うよりも日本の自然をしっかり保護管理していこうという
気持ちが環境省のお役人はもっていないのだ。
本省がそうであるから、その指導を仰ぐべく県、市は目も当てられない。
行政を含む多くの組織が自分の既得権益を維持発展させることには
熱心だが、今の現状を打破するには何が必要なのかということを考えなさ過ぎる。
公民館、博物館、〇〇会館、これらはどれも、役人たちの天下り先だ。
これらは天下る役人がいなくなればもっともっと若者が職につけるだろう。
交差点で交通事故死があってから、信号機が設置されても亡くなった人は戻らないのだ。
今の行政の方針は、日本の生物自然が崩壊してしまった後、回復させようとしているように思える。

4 件のコメント:

take隊員 さんのコメント...

読んでいてあらためて腹が立ってきましたね。

「環境省のアクティブレインジャー」とか「保護センター職員」など、わたしにとっても夢のような職業です。

その純粋な夢を打ち砕く役人って、何だろう?
自然好きな若者を嫌いにさせてしまいそうです。
環境省は自然を語る資格すらもってなさそうですね。

こうなったら隊長がNPOを立ち上げて、国や県にパトロールは保全の付託を迫り、若い職員を大勢雇うしかなさそうです。

fukuda, fumio さんのコメント...

take隊員へ

そうなんですよ。
環境省の「アクティブレインジャー」や「保護センター職員」は野生生物に興味を抱く若者たちの憧れの職業ですよ。

それが日給月給であったり、いくら地方でも10万前後の給与で、しかも3年、5年契約でほっぽりだされるんではこまります。

本当に、NPO法人を立ち上げて野生生物を好きで職業にしていきたい若者を雇あげていきたいです。
そのあたりのもう一つの精神的力が漲ってこないのが残念だ!

自然保護・保全の見回り、シカ柵、サルの電気柵の見回り、登山道、ハイキング路の見回りなどの維持管理をしながらの動植物の観察し、教育情宣活動も行う。そしれ、動物班では、その地域のサル、シカ、クマ、テン、タヌキ、リスなどの動物たちが担当者たちによって観察調査されていく。これを地域の農林業者といっしょになってやっていく。

野良こねこ さんのコメント...

あこがれの箱根のアクティブレインジャーの皆さんも、そのような待遇とは驚きました。
しかし国立公園にはまだそのような方がいて、外来生物の駆除をしたり、環境教育をしたりしていますが、国立公園の外では夢のまた夢のような状態です。
 小田原市の官民協働の環境シティ会議では、地域の森林官の必要を叫ぶ人が出てきております。私も賛成です。森林の動植物を総合的に見て、人工林の管理や動物の観察・管理をする人が是非必要ですね。ドイツでは森林官は見回りの際ライフルを携行し、必要に応じてシカなどの間引きを行っています。これをは日本では、なかなか難しそうですが、常に情況を把握して管理計画を立てられる人材が、市町村レベルでもあって良いと思います。
 また森林整備に関わる林業者の方達に、動植物などの知識をもっと知ってもらい、地位の向上を図るとともに、動物被害や先生のおっしゃる報告をしてもらったり、そのような研修を受けた県や森林組合の職員が増えてくれることが望ましいですね。
 福田先生のような方がNPOを組織して、動植物保護管理の人材と制度を作っていただけたら素晴らしいと思います。
 9月にお願いした講座でも、皆さんに是非その辺のお話をして頂けたらと、楽しみにしております。

fukuda, fumio さんのコメント...

野良こねこさんへ

猿害、シカの食害などの野生動物による農林業被害は、生態学で解決できる問題はほんのわずかなんです。

政治・経済学の問題なんです。

しかし、微力でも声を上げていかねばなりませんね。