カモシカが沢に消えていったので、ぼくは宮ケ瀬尾根を猿ヶ島のピークをめざして西北へ向かって歩き出した。まもなく、スギの根元の樹皮が齧り取られているのを見つけた。
え?あのカモシカが食べた?
歯型がついていて、その大きさが分かるところを探して10円玉をスケールとした。
ここは少し斜めに細い歯型がついている。シカではないことがわかる。
10円玉の上に横についた歯型がある。
ここも歯型が横に白く残っている。
別のスギの木にもあった。 やはり、あのカモシカか?
もう一度、スギの根元の樹皮が齧り取られた全体を見てもらう。
高いところは、地面から30センチもない。
樹皮を齧る日本に生息する動物は、サル、ネズミの仲間、ノウサギ、クマ、イノシシ、シカ、カモシカだ。
サルがスギの樹皮をしかも根元を食べるなんてことはない。
ネズミならさらに低い位置を齧るだろう。
クマなら平行な歯型が最大6本と犬歯の痕が付きそうだ。
イノシシなら、もっと根の方の樹皮も齧るだろう。
シカやカモシカはこのように低い位置の樹皮ではなく、もっと高い位置の樹皮も齧る。
そうです。ノウサギの食痕と考えた。
このスギの木の根元は1、2年前にも齧られた痕が残ってる。
赤い線で囲まれた部分だ。
皆さんは誰が齧ったと思いますか?


















































