早くも藤の花が垂れ下がっている。
お寺の境内に無断で入らせてもらった。
畑一面にこの赤い花が絨毯のように敷き詰められている。
何?この花は、ピーナッツかと早合点していたら、違う。
もっとしっかり見てくるんだった。
昨日は歩いていると汗ばむような温かさであった。
たくさんの人々が青葉の香りと陽射しを求めて歩いていた。
湘南台公園では、逆立ちする女の子、4,5名で一緒にバスケットボールを両足の間をくぐらせて遊んでいる女の子、小さな自転車を上手に乗り回す小さい男の子。
車椅子がやってくる。乗っているのは4、5歳のやせた男の子、栄養液の入ったビニール袋が下がっている。それからビニール管がその男の子とつながる。ぼくの隣にお母さんが座る。この音は何?と思わず男の子を見る。
胸がゼイゼイ音を立てている。しばらくしてお母さんは立ち上がり車椅子を押す。
ぼくは座ってそれらを見ているだけだ。



























