来月早々の9月1日(土)に小田原山盛りの会の
「森をつくる動物たち」のインストラクターを
することになった。
いつの間にか、サルから哺乳類全般に興味対象が移っている。
原因はただ一つある。農耕地や市街地周辺を行動域(遊動行)にしているサルの群れから
山の中で生活するサルたちを追うために、丹沢のサルを追い求めたのだ。
当初は、奥野林道の馬ノ背付近で生活していた群れを観察していた。
この群れは10頭に満たない小さな群れであり、オトナメスが2頭しかいなかった。
この群れ(馬ノ背群)については、
ぼくの「HPの自然・生物→山にサルが少ない丹沢→サル観察し隊」を見て下さい。
「馬ノ背群」が見られなくなり。
そのまま、奥野林道一帯にかけてサルのフィールドサインを探して歩き回った。
見つかるのはサル以外の他の哺乳類のフィールドサインばかり、
とくに糞がぼくの興味をひいた。
足跡については誰もが興味を持ち、誰の足跡か判りやすい。
足跡の情報から、その個体の移動方向や他の事が推定できる事柄も多いが、
情報量としては、糞としてのフィールドサインに比べると非常に少ない。
サル糞では、季節に応じた糞の色や形状や、食べたものによる色や形状、
さらには時間経過にともなう色の変化がすでに判っていた。
しかし、ぼくはクマ、タヌキ、アナグマ、テン、イタチ、ハクビシン、アライグマなどの食肉目の動物たちの糞に魅せられたというか、どうして?何故?何故?と疑問にもつばかりであった。
それは、食肉目の動物たちの糞の中に哺乳類や鳥、さらには両性・爬虫類などの肉(脊椎動物)を食べたことを示す物、つまり羽毛、毛、骨、歯などの痕跡が混じることが少なかったからである。
ヒグマが、春にはイチゴを、夏にはハマナスやフレップやガンコウランの実を、秋にはヤマブドウやコクワを食べているのは知っていた。また、ツキノワグマがブナの実を食べたりトウモロコシ畑を荒らしたりすることは知っていた。パンダはササを主食していることからもこのクマの仲間は動きが鈍いので動き回る他の生きている脊椎動物を捕食するのは困難であることも分かっていた。
(しかし、ホッキョクグマは肉食だけ?)
しかし、テンやイタチのような俊敏な哺乳類までが、果実に依存していて驚いたのだ。
もっとも、ちょっと考えればすぐわかることだ。動き回る脊椎動物を捕食するよりも
動かないでほぼ同じ場所に実って、毎年甘い香りを発する樹木の果実の方が、かんたんに見つけられてお腹を満たすことができる。
丹沢で生活する食肉目の動物たちがほとんど100%に近いくらい樹木の果実にたよっており、
また、それらの動物たちが糞として果実の種子をさまざまな場所にまき散らしていることも判った。
さらには、草地よりも剝き出しの地面の上に糞をしやすいことも分かってきた。
これらの事から、タヌキも含めて食肉の動物たちは森の裸地にタネを蒔き、ついでに肥料も梳きこんでおり、森を育てているのだ。
こんな事をブログ「故有事」でアップしていたら、
「小田原山盛りの会」の川島さんから以下のパンフレットの話しをいただいた。
是非皆さんと小田原駅西口でお会いしましょう。
下記をクリックすると「森をつくる動物たち」の案内が拡大されてみられます。
この小田原山盛りの会の川島範子さんは、ものすごく活動的な女性で、美大出であり山岳部でもあったようだ。一人で、様々な企画を立て、動き回っている。
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