網走方面を旅行した、高校時代の同窓生のT.Gさんからオオアシトガリネズミが封筒におさめらて郵送されてきた。5、6枚のビニール袋に収められていた。
彼から面白いものを拾ったので送るとメールがあったので、腐敗させるためのガラス容器を用意していた。連れ合いから受け取ったらすぐ、袋をやぶり、そのまま容器に移し水に浸した。
8月26日に水に浸けて、9月7日に上澄みの毛が混じった汚物を流し、
取り出したのが下の頭骨を含む、骨格だ。
残念ながら、一度踏まれたか郵送中に潰されたようだ。
頭頂骨や後頭骨、聴胞あるいは側頭骨部分、左の前額骨が壊れている。
みても分かるように、頬骨弓がないのが、トガリネズミ科の大特徴の一つである。
左の上顎骨の第一切歯を見てほしい。クリックして拡大!
一本の切歯なのに、鍵状に二つに分かれている。
下顎骨を見ると、切歯もは前方に長く突き出し、他の歯も鋭く尖っている。
下顎の第一切歯も伸びて、しかも4つの尖がりをもつ。
上・下の第一切歯とも他科の動物たちにはありえないような形だ。
このオオアシトガリネズミはミミズや土壌節足動物を
この鋭い歯で捕まえて噛み殺し潰して食べているようだ。
下顎を引き上げる咬筋は上顎のどの部分に付着しているのだろうか?
オオアシトガリネズミは前脚が少し大きく、これで腐葉土をかき分けて餌動物を探し回っているようだ。
左上:大腿骨、脛骨と腓骨がある。腓骨は足首から3分の2位が脛骨と合体している。
上腕骨や脛骨が左下方の寛骨の右にある。
唯一のオオアシトガリネズミの骨格なので、
100均でケースを買ってきて上のように収めた。
2 件のコメント:
新しい標本ゲット、おめでとうございます。
北海道には本州でみられない動物がかなりいますね。
津軽海峡があるだけでずいぶん違うものです。
ところで、オオアシトガリネズミの歯の先端部が黒くなっているのは、植物も食べている、ってこと?
take隊員へ
歯の先端部分が黒くなっているのは、植物も食べている?
ンンー、さすがにtake隊員!脱帽です!
手持ちの図鑑やネットを調べてもトガリネズミの仲間の食性は、無脊椎動物、ミミズ、昆虫の成虫・幼虫、クモ、他などとしか出てきません。
で、同じSorex(トガリネズミ属)の欧米生息のものを調べました。すると、胃内容物の調査では、植物物質という記載が数種類で記載されております。
あのくらい黒ずんでいるということは、かなりの割合で植物食をしているということですね。
調べる研究者・調査者も以前の食虫目という分類概念があったため、思い込みによる研究がされていたことによりますね。
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