一 昨日、やまぼうしさんが早戸川林道を歩いていて、小中沢第二橋の上に転がっていたトガリネズミ科の動物の死体を撮って送ってきた。
「特定秘密保護法反対」
自由であっても、他人の生まれ、身体、性別、年齢、故郷、風習、宗教、民族、国を差別する、小馬鹿にする、冒涜するのは許されない。
原発不要・核廃絶
2023年11月4日土曜日
やまぼうしさんからジネズミの写真! Photo of Dsinezumi shrew from Yamabousi san
2023年11月3日金曜日
アナグマとタヌキの寛骨の違い The different of coxae between badger and racoon dog
タヌキとアナグマは外観がにており、一瞬間違うこともある。さらに、轢死体で頭部が潰され、数回轢かれて日数が経っているとその場で同定が難しい場合がある。
頭部が潰されていても上顎の第一臼歯を見つければ、その場でタヌキかアナグマかは判る(図1)。裂肉歯aや切歯や犬歯、前臼歯を現場で見つけてもちょっとタヌキかアナグマかの判断が難しい。が、第一臼歯bは大きさと形状からタヌキかアナグマかの判断がすぐできる(図1)。アナグマの第一臼歯の咬面は酷く摩耗したように平面である(図1)。それでも、何度も轢かれた場合は第一臼歯も見当たらないかもしれない。
大抵、腰の部分は轢かれても残っていることが多い。水に浸して腐らしてから干して、割れている場合でも寛骨は形状がはっきりしているので、組み立てやすい。タヌキの恥骨と坐骨、腸骨に囲まれた閉鎖孔はいびつな円形であるのに対し、アナグマの閉鎖孔は前枝(恥骨)に沿って坐骨弓まで伸びた楕円形になっている(図2)。
2023年10月31日火曜日
アナグマの頭骨は硬い Badger skulls are hard
ぼくはアナグマの頭骨標本を6個もっている(図1)。6個の内、下段の右の2つの頭骨は、鼻骨と上顎骨、前顎骨、前頭骨が縫合しているが、癒合・合体していない。さらに涙骨も上顎骨や前頭骨、頬骨と癒合していない。頬骨弓の頬骨と側頭骨も癒合していない。しかし、上段3つと下段の左の4つの頭骨の各部分の骨は癒合・合体している。下段の右二つは鼻骨と他の骨の縫合状態が判る。
アナグマの頭骨のように、頭骨の全ての隣り合った骨が癒合・合体している頭骨は、手持ちの頭骨では、イタチ2/3の頭骨くらいなものである。他は、老齢化しても頬骨弓の頬骨と側頭骨が接する部分や鼻骨と他の周囲の骨とは縫合線がしっかり判り、癒合合体することはない。シカやカモシカでは左右の前頭骨が癒合・合体するくらいであり、多くは縫合線がしっかり判る。あるいは、同じ食肉目イヌ亜目のイヌ、タヌキ、キツネの頭骨はアナグマのように鼻骨を含む全ての骨が癒合合体しているものはない。
2023年10月29日日曜日
シュウメイギク Shumeigiku
2023年10月28日土曜日
ちょっと不思議なアナグマの頭骨 Somewhat mysterious Badger skull
5個のアナグマの頭骨の内3個はFull adultの個体の頭骨で鼻骨と前顎骨や上顎骨、前頭骨との縫合線は不明確だが、2個は明確に判り、さらに他の縫合線も明確だ。つまり2個はまだFull adultになっていない若い個体である。この若い二つの頭骨の頬骨を見ていて、アナグマの頬骨は他の食肉目の頬骨の形状とは違っていることに気が付いた。
タヌキ(図1)もカイネコ(図2)の頬骨も上顎骨と前半部の大部分を接し、最後に涙骨と接する。しかし、アナグマの頬骨は中頃の一部だけ上顎骨と接し、大きな眼窩下孔で上顎骨から離れ再び上顎骨や涙骨と接する(図4)。
2023年10月25日水曜日
野生生物探検隊のtake隊員が亡くなった! Wildlife Expedition take member passed away!
野生生物探検隊のk-ta隊員からメールがあった。
真鶴のtake隊員が9月に亡くなったと云うのだ。
take隊員は、釣り船の船長をし、さらに午後からは真鶴駅前で居酒屋をやっており、ブログ「湯河原・真鶴/野生生物探検隊」をアップしていたのだ。それが2月にアップしてからご無沙汰になっていたのだ。
彼と会って20年くらい経つ。ぼくがHP「福田史夫の世界」の中で、天昭山神社のサルの群れを追っていた仲間に奥湯河原でまたワイワイやろうとアップしたところ、take隊員から「その時は私を誘って!」と連絡をもらってから付き合い始めたのだ。以来、彼は「野生生物探検隊」なるものを作り、彼の友人の植物写真家夫婦のisa/k-ta隊員、植物をすぐ同定するやまぼうし隊員やその友人のsak隊員などを含め、年2回くらい、take隊員のフィールドである白銀林道を散策し(図1)、その後食事会を行っていたのだ(図2)。しかし、コロナ禍になってなかなか会う機会がなくなっていた。
図2.2018年3月 雑魚番屋での食事会で野生生物探検隊
take隊員はぼくよりも7つも下だったので、今年になって急に身体の自由が効かなくなったぼくとしては凄いショックだ!
彼を弔って今夕はしっかり呑もう!皆さま、お体を大切に!
2023年10月24日火曜日
クマに10メートル以内で遭った時の状況と注意 Situation when I encoutered a bear within 10 meters and Precautions
クマが市街地まで出て問題になっている。殺された人たちまでいる。クマに出会った時の対処の方法をぼくの経験を基づいて話したい。
先ず、全くこちらが意識しないで偶然にクマに遭った場合:木曽山地での出会い。実例1:木曽谷に面する斜面の昔の杣道の名残りだと思われる踏み分け道を友人Wと二人で歩いてサル調査をしてた時、上の方からガサっと動物が地面に落ちた小枝や枯れ葉を踏みしめる音がしたので、「サルか?」っと思って二人で斜面を見上げるクマが谷底に向かって鼻を突き出し匂いを嗅いでる。クマとの距離は直線で15メートルもない。ぼくらは息を凝らしてじっとクマを見上げている。当時のぼくらのサル調査では、首からカメラや双眼鏡を胸に下げ、腰にはナタを下げ、背にはザックを背負っていた。もし、クマが我々に近づいてきたらならナタで伐りつけようと構えていた。クマはぼくらの方にサッサッサッサと降りてきた。4,5メートル上の岩の上でとまり、ぼくらの方に鼻先を突き出して匂いを嗅いでいる。ぼくらは息を止めた状態でクマの動きを見ている。クマはぼくらの3,4メートル横を通り過ぎてクマは谷に下っていった。
この時クマに襲われなかったのは、ぼくらは息を止めたように動かずにクマを見つめるだけだったので、クマはぼくらの存在が判らなかった。(ぼくらはクマが見えるのにクマはぼくらが見えていない)
クマに遭った翌日、実例2:小雨が降り、ガスっていたので、サル調査は止めシイタケ狩りをすることにした。ぼくはシイタケがあったところに行った。小雨の中を「ンフン、ングゥ!」という後輩のMの咳払いが聞こえた。メガネは曇っているのとガスで良く見えない。Mはへビースモーカーで絶え間なく「ンフン、ングァー」と喉に絡まる痰が絡まるような咳払いをしていた。小雨ふる笹薮の7,8メートルの奥にMが屈みこんで咳払いをしながらシイタケを摘んでいると思った。ぼくは「オーイMか?Mか?」と声を出しながら歩いていった。目の前の黒い屈みこんでいるのはMではなくてクマだと判った(当時の雨合羽は半分ゴム製のようなものでゴワゴワしていた)。クマは相変わらず咳払いを続けている。ぼくは「オーイMか?Mか?」と云いながら後ずさった。っと間も無く遠方から「福田ぁー、サルだぞぉー」とKMが叫ぶ声が聞こえた。ぼくは声の方に急いだ。
この時クマに襲われなかったのはぼくが同じ調子で後ずさったことが良かった。(実例3の時に判った事だが、咳払いのようなクマの声は、クマの威嚇音であり、クマもぼくの接近を恐れ警戒したのだ。)
実例3:東丹沢のハタチガ沢を歩いている時だった。左にはハタチガ沢林道が走っている。右斜面の奥で「エヘン、ングワ」という咳払いが聞こえた。ぼくは、「上に道か何かがあり、山仕事の人たちがタバコを吸いながら休憩している」と思った。それで、咳払いがした方へ向かって登り始めた。と間も無く、真っ黒の固まりがぼくを目掛けて突進してきた。すぐ、「クマだ!」と思った。そこで、ぼくはいつも学生に注意している「クマに出遭った時の行動」を行った。「動くな、逃げるな、声出すな!」 ぼくは斜面の途中で立ち止まり、恐らく一瞬、意識を失っていたのだろう。気が付いたら、クマは見当たらなく、見上げたら木の上に2匹の子熊がいたので写真を撮った(図1)。
子熊のいる木の奥で「グァー、エヘン」と云うような咳払いが聞こえてきた。沢から風が上がってきているのでクマはぼくの匂いを嗅いでいるのだ。小尾根を一つ巻いて遠回りしてコグマがいる木が見下ろせる場に来たが、クマの咳払いは聞こえなかった。
この時クマに襲われたが、ぼくが一瞬失神して、動かずにいたためクマはぼくの位置が判らなくなったのだろう。この時のクマの咳払いのような音声がクマの威嚇だと判った。クマもぼくも恐れていることを示している。そのため、一旦ぼくを攻撃したが、引き下がったのが正しいのかもしれない。
クマに遭うことを期待して歩いたのはこの1例だけだ:実例4:専門学校の学生たちは「ぼくらもクマに遭いたい」と云い始めた。それには①歩きながらお喋りしない。②靴音を立てないで歩く。を守らせた。谷太郎林道から不動沢と鳥屋待沢との間の尾根道を登って行った。416ピークから鞍部に下り、再び登り始めた時、5,6メートル先にクマの真っ黒い姿を見つけた。ぼくは写真に撮り(図2)、振り返って屈みこんで学生たちに「クマだ!」と小声で伝えた。学生たちは「先生、どこクマ?どこ?」と声を張り上げた。ぼくのすぐ後ろにいた学生Tがクマの写真を撮った(図3)。
ぼくらが襲われなかったのはクマが気が付いた時は学生たちの声で驚いて逃げたからだ。
*********************
クマは目が悪いのでぼくらがクマが見えていても、クマはぼくらが動かなければ、あるいは音を出さなければクマはぼくらの位置が判らない。風がクマの方から流れていて、ぼくらの匂いや音が判らなければぼくらがクマと10メートルくらいで向かい合ってもクマはぼくらの存在が判らない。
だから、①クマに出遭って咳払いのような音声が聞こえたなら、静かにその場から離れることだ。前述したようにクマも怖がって咳払いのような警戒音を出しているからだ。また、②クマが知らずに近づいて鼻先を伸ばして匂いを嗅ぐ行動をしている時は、息を殺して動かない事だ。さらにクマは見えないので、静かに遠ざかる事だ。③もっとも悪いのはクマに出遭って声を出しながら走って逃げることだ。クマは静止している物は見えないが動くと動体視力でもって見えるからだ。
クマ避けの鈴やラジオは人の存在をクマに知らせるので、人を怖がらないクマにとっては鈴やラジオの音は逆効果を及ぼしかねない。
2023年10月23日月曜日
ギンナンの茶わん蒸し Chawanmushi of ginkgo nuts
2023年10月22日日曜日
恐ろしいクマ! Scary bear!
タンザニアに居た時、スワヒリ語と英語で書かれた新聞があった。タンザニアは野生動物で有名な国立公園がいくつもある。それらの国立公園周辺の村々ではいつも野生動物による被害に悩まされている。テンボ(ゾウ)のグループによる農作物の被害ばかりでなく住居の被害も報告されていた。住居を襲われた住民たちがテンボを殺したりすると新聞に保護を訴える記事が載っていた。ぼくが、3年間滞在したタンガニーカ湖中央に東から出べそのように突き出たマハレ山塊国立公園の周辺でも野生動物による農耕地への被害があった。
ぼくが住んでいた家はタンガニーカ湖畔から100メートルも離れていなかったので(図1)、湖に生息するマンバ(クロコダイル)やキボコ(カバ)に注意するよう云われていた。湖畔の人々はマンバやキボコを恐れていた。湖岸で食器を洗っている女の子や衣類を洗濯をしている人たちが襲われたことが話題になったり、あるいは小さな丸木船に乗っている漁師たちがマンバやキボコに襲われて舟をひっくり返され事も知らされた。湖畔で生活する人々にとってはマンバもキボコも人に危害を加える野生動物であり、出来うる限り少なくなってもらいたいと望んでいる。しかし、英字新聞で見る記事には、マンバやキボコやテンボの保護がチンプやゴリラの保護と同じように欧米の動物愛護団体から訴えられていた。ぼくは、野生動物の棲息圏から遠く離れた土地に住んでいる欧米の国々の人間が何言ってるんだ!っと。野生動物の保護を訴えている動物愛護団体に疑問を抱いていた。
日本では、サルやイノシシの農作物や人的被害、シカの農作物被害、林業被害が各地で見られている。さらに最近では、ヒグマやツキノワグマによる被害問題がクローズアップされている。農作物に被害を及ぼし、また、人に危害を与える野生動物が捕獲・射殺されると批判する人々がいる。それはタンザニアでマンバやキボコやテンボの保護を訴える欧米の愛護団体の人々と重なって見える。大都会に住んでいて、地方の山里に住んでクマに怯えている人々の気持ちが判らないのだ。