もう10年くらい前に貰ったサル♂の頭骨を見て驚いている。正面からその頭骨を見て欲しい(図1)。抜け落ちている切歯があるが、犬歯は摩耗して短くなっている(図1&2)。が、老猿とは思わなかった。
図1.ニホンザルMacaca fuscata♂頭骨正面から
図2.ニホンザル♂頭骨右側面から
3D写真ではないので、奥行きが判らず、歯の摩耗状態が判り辛い(図3&4)。で、図1と図2の正面からと側面からの犬歯の長さと切歯を比べると大差がない。まるで♀かと思えるほどだ。この♂は切歯よりも犬歯を使って食物を先ず咬んでいたのだろう。図3.底面から見た老♂の頭骨
図4.上面からの下顎骨
恐らくこのサルは飼育下にあったものだろう。野生の個体だったら、切歯が摩耗しているが、この個体は犬歯が摩耗して切歯くらいの長さになっている。切歯よりも犬歯を使って食べなければいけない固いモンキーフードを与えられて、先ず犬歯で砕いてから臼歯を使ってさらに噛み砕いと思われる。
この♂ザルをくれた教え子に問い合わせたが、もう20年も前の事なのでどこから貰ったが不明だが、動物園で飼育されていた個体のようだ。
飼育下になるとサルでは切歯よりも犬歯が頻繁に使われるのかも知れない。
この♂ザルは動物園で生まれてそこで生涯を終えたと思われるが、切歯も前臼歯も臼歯も犬歯が摩耗している程には磨り減っていない。が、全体的に平均して磨り減っている。動物園でもさまざまなエサが与えられていただろうが、野生ザルが冬は樹皮食いをしたり、小枝を咬み切ったり、歩いはクズの根を口に銜えてひっぱたり、春には枝を手繰り寄せて花や針葉を食べたりはしていなく、いつも同じようなエサが同じ所に置かていたのだろう。切歯よりも犬歯を頻繁に使うような加工物が多かったようだ。




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