日本の平地にはイタチ科の3種が同所的に生息している。同所的に生息しているのだから生態的地位には違いがある。イタチは川沿いに生息して土手に巣を作り、川の魚や甲殻類をエサにしている。テンは山麓に生息し鳥やネズミなどの脊椎動物、ムカデなどの節足動物、クワやキイチゴなどの木の実を食べる。アナグマは腐葉土のミミズなどの土壌動物や死んだ脊椎動物の腐肉を食べたり、落ちている果実を食べる。
左:イタチMustela itatsi 中:テンMartes melampus 右:アナグマMeles meles
3種の上顎歯式、イタチ:3・1・3・1、テン:3・1・4・1、アナグマ:3・1・3・1
3種の上顎の歯を見ると、テンだけが前臼歯が4本あるが、第一前臼歯は殆ど用を為さない程小さい。3種の中ではアナグマの裂肉歯(第四前臼歯)が小さいが、他のイタチやテンの裂肉歯は大きい、特にイタチでは非常に大きく臼歯が小さい。が、アナグマの臼歯は全ての前臼歯を合わせた以上の咬面を持っている。
3種の上顎の歯を見ただけでも、イタチは獲物を狩り、テンは、果実や節足動物食に特化し、アナグマは土壌動物食に特化していると云える。
イタチ科の3種は同所的生息をしているが、完全に食物を変え、イタチは川の動物を食べ、同じ木の実を食べるテンやアナグマは、テンは木に登って食べ、アナグマは落ちている実を食べる。これらの食性が歯にしっかり表われている。



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