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2021年12月5日日曜日

オスニホンザルの右足の骨が砕けていた理由!   The reason why right leg's bones of male Japanese monkey were broken!

 1日は丹沢実習が雨のため中止になったので、朝から夕方まで友人のY.Narita氏から宅急便で送ってもらったシカの骨盤や腰椎を整理し、オスニホンザルは全身骨格があるので、頭蓋骨以外の骨を整理した。このオスザルの右足の大腿骨が大きく砕け、脛骨も足首の方で砕けていた。さらに、腓骨も半分に折れていた(図1)。さらに、右肋骨も1本折れていた。

図1.秩父のオスニホンザルの右足の腓骨、脛骨、大腿骨
この骨の状態は生前に砕けたものではない。まったく、治癒した痕がないからである。死後になんらかの力によって左足が砕けたと考えた。
しかし、不思議な事は他にもある。頭骨はかなり腐敗をすすめたようで骨事態がもろくなっているが、身体の骨は骨髄に脂質が残っているものもある。そのため、Y.Narita氏にメールで尋ねた。すると、このオスザルは秩父の猟友会が間引き許可を取って射殺したもので、猟師が山中に埋めていたものを掘り起こして彼が務めていた高校の庭に埋めなおして白骨化したもののようだ。
頭蓋骨(図2&3)の白骨化が進んでいるのは、頭部は地表近くに埋められてあったのだろう。右足の大腿骨や脛骨が砕け、腓骨と肋骨の1本が折れて治癒した痕がないのは、散弾が右足とお腹に当たったことによるだろう。きっと出血多量による失血死したものと思われる。
間引きという有害鳥獣駆除によって射殺されたこのオスザルは、ハナレザルなどではなく、群れのボス(α-male)だったのかもしれない。頭骨は大きく、犬歯を含む歯も磨り減っていないので、12,3歳の男盛りの個体だったのだろう。
図2.秩父のオスニホンザル正面から 
残念な事に下顎の左第二切歯が見当たらない
図3.秩父のオスニホンザル左側面から
鼻骨や前顎骨、下顎骨に木工ボンドを塗り、表面が欠け落ちないようにした。

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