環境省奄美野生生物保護センターから送られてきたマングースの頭骨を晒骨した。左の大きい方がオスで右がメスの頭骨である。双方とも若い個体で縫合がまだしっかりしていない。
食肉類(ネコ目)の動物でネコ科ネコ属の動物たちの頭骨は後眼窩突起が伸びて眼窩輪が形成されつつある。ネコ属の動物たちは動き回る獲物をじっと待ち伏せしていて至近距離に近づいたなら、一気に跳びかかって捕まえる。そのため鼻面が短くなり、目が前にあり、立体視しやすくなっている。
タヌキ、キツネ、イタチ、テン、アナグマ、ツキノワグマなど日本産の食肉類は目は悪く、嗅覚の方が優れている。獲物はもっぱら臭いで捕食する。彼等の眼窩と側頭窩は同じ窩となっており、わずかに後眼窩突起でその境い目が分かる。
しかし、上の写真のジャワマングースは眼窩輪が形成されてはっきりと眼窩と側頭窩を区別することができる。つまり、眼球が少し保護されて咬筋の影響を受けづらくなっている。これは、動きまわるものに狙いをつけて捕食するのに、上記の日本産の食肉類より優れていると云える。
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