曲鼻猿亜目のスローロリスの頭骨の眼窩がマングースや有蹄類、さらにはハイラックスなどの哺乳類の頭骨に似ていることは分かった。
では、次に直鼻亜目はニホンザルやゴリラ、クモザルなどの真猿下目とメガネザル下目に分かれるが、この下目の違いは頭骨ではどこにあるのだろうか? 下の図1を見てもらおう。メガネザルの眼窩は頭骨の半分くらいにもなり、正面からでは眼窩輪が大きく頭骨を全体を覆い隠す、左右の歯列が第一切歯を頂点とする2等辺三角形(V字状)になるように並ぶことである。さらに云えば第一切歯が犬歯よりはるかに長いことが上げられる。
図1. メガネザル下目メガネザル科のメガネザルTarsius sp.の頭骨 Animal Diversity Webから
しかし、真猿下目のサルは、眼窩の大きさは頭骨全体の3分の1にも及ばなく、眼窩輪も大きいが頭骨を覆いつくすほどではない(図2,3,4)。さらに底面から見た歯並びはU字状であり、左右の犬歯からの臼歯が平行に並んでいる(図5)。図2. 真猿下目のニホンザルMacaca fuscata(大)とリスザルSimia sciurea(小)の頭骨正面から
図3. 上面から
図4. 側面から
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