骨は神経系が出来てからその回りを覆うように形成される。が、腰椎から出る下半身への神経系は腰椎と腰椎の間の椎間孔や仙骨孔から出ている。図1はネコの上腕骨の遠位端にある顆上孔である。顆上孔は正中神経と上腕動脈が通る。顆上孔は前足の爪を使って木登りする動物や地面に穴を掘る動物、さらには多くの有袋類にある。
リスやクマは爪を使って木登りするので顆上孔がある。しかし、同じ齧歯目でもアカネズミやラットには無い。クマと同じイヌ型亜目でもイヌ科には無い。が、クマ下目のイタチ上科のアナグマやアライグマにはある。しかし、クマ下目の鰭脚類にはないようだ。何がこのような違いを生み出しているのか?
正中神経は上腕動脈は胎児の胚発生の時の早い時期に上腕骨が形成され始め、正中神経や上腕動脈が上腕骨遠位端部に接して走るためにそれらを取り囲んだと考えられる。こんな事は発生解剖学をしている者なら自明の事だろう。じゃー、何故、イヌには顆上孔はないが正中神経は走り、クマやイタチでは顆上孔の中を正中神経が走るのか?どのような胚発生の時の違いがあるのか?
図1.食肉目の右上腕骨遠位端内側の顆上孔(紐を通す)
a:タヌキNyctereutes procyonoides b:マングースHerpestes javanicus c:イタチMustela itatsi d:ハクビシンPaguma larvata e:アナグマMeles meles f:ネコFelis catus
イヌ科のタヌキには顆上孔は無い
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