哺乳類綱の最近の系統分類を見ていて、北方真獣類のロリスやリスが含まれる真主齧獣類の動物の上腕骨に顆上孔を持つものがいるならば、さらに北方真獣類のローラシア獣類の食肉目のネコやアナグマも顆上孔を持つものがいる。しかも、リスやネコは爪を引っ搔けて木に登る。が、アナグマはカギ爪は大きく地面に穴を掘るが、木に登らない。
爪で地面を掘る、ものはトンネルを作るモグラがいる。モグラの上腕骨には顆上孔がないだろうか?と手持ちの標本を見た。あるぅーーー!
しかし、この孔が顆上孔かどうかは不明だ。顆上孔には上腕動脈と正中神経が通っている。
ネットで、”mole supracondylar foramen"で検索した。するとあった!
オハイオ州立大学の1937年の学内誌の中に、”Morphology of the Forelimb of the Mole (Scalops Aquaticus,L.) in Relation to its Fossorial Habits"「穴掘る習性に関するモグラの前足の形態学」 凄い81年前の文献だ。
コウベモグラの前方から見た上腕骨の顆上孔(紐を通している)
左:右上腕 右:左上腕
左:後方からみた左上腕骨 右:後方から見た右上腕骨
同じモグラ科のヒミズにもあった。
前方から
左:右上腕骨 右:左上腕骨
後方から
左:左上腕骨 右:右上腕骨
実際のモグラの上腕骨は下のように並んでいる
後方から
前方から
ぼくは、動物の死骸を解剖するのが嫌だ!それは、腐っているためにイヤな臭いがするのと、何よりも気味が悪いからだ。
本来なら、それらに耐えて解剖し、筋肉や健のつき方や神経や血管、さらには内臓なども大学の実習室でやったように、しっかり記録し図示しなければいけない。
ぼくにはそれができない。実習時のホルマリンの臭いもイヤだった。
だから、自然と野生ザルの調査の方に移っていたのだ。
それにしても、顆上孔の有無は不思議だ。
ロリスにもあるし、リスやネコ、イタチなどのカギ爪で木登りする動物にもあるし
モグラやアナグマにもある。大きな爪を持って木かぶら下っているナマケモノや爪でアリ塚を壊すアリクイや、地面に穴を掘るツチブタはどうなのだろう?
と、あれぇー?カイウサギはどうなのだ?滑車上孔の他にはないか!
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