2011年12月29日木曜日

ハクビシンの糞から出てきた種子 Seeds in feces of masked palm civet

先日の奥湯河原の天昭山神社前で、見つけたハクビシンPaguma larvataの糞。
始めはサル糞かと思ってしまった。
しかし、まったくサル糞の臭いがしないのでハクビシンのものと断定した。
今日、お昼頃、水洗いし乾かした
ん?三種類の種子?
左下方にある大きな物は、白い種子の消化されてない果実であった。
だから、ハクビシンは2種類の果実を食べたことになる。
この白い種子は馴染みのある、クマノミズキの種子だ!
では、もう一種類のが、見たことがあるようだが、思い出せないのでアップして
皆さんにお聞きしたい。
一見すると、乾いた小さな黒胡椒のようだ。
真っ黒なのでどうやっても上手く表面のザラザラが撮れない。
上から明かりを当てた方が良いのか?
カメラの技術の素人なのでこういう黒く小さな種子はどうやって撮れば良いのだろう。 
いずれにしても、手持ちの種子標本の中にはないので、同定できない。

2011年12月28日水曜日

白菜の漬け物

今年も、白菜を買ってきて漬け物用に干した。
漬け物類は親父が作っていたので、結婚してからも一夜漬けであろうと、塩辛であろうとぼくの出番だ。本当はダイコンやカブを干して、沢庵や粕漬け、身欠き鰊と一緒にニシン漬けを作ったり、鰈や鮭で飯鮓を作りたいしが、子供の頃覚えた知識技術を温暖な地である関東では生かすことができない。せめて、白菜の塩漬けに、昆布や柚子、唐辛子を混ぜ合わせるくらいだ。
漬け物は零下の寒さが必要だ。
ベランダに干した白菜である。
奥にあるのは、昨日徐肉したあのタヌキさんの前肢と後肢だ。
空気が乾いているので、四肢は乾燥させてから肉を剥ぎ取るつもりだ。
カガトから下は、毛皮付きのまま干している。

2011年12月27日火曜日

タヌキの死体 Racoon dog'sCarcass

昨朝、思い立って、9時半過ぎに家をでる。
向かったのは清川村のisa隊員のアトリエだ。
彼から、「玄関前の陽の当たらないところにタヌキをダンボール箱に入れて置いた」
とのメールがあったのだ。
もう、渋滞で、12時くらいに清川村に着くかな?と思いながら車を運転していた。が、厚木を過ぎてからスイスイと飛ぶようであった。
玄関前のダンボールにはぼく宛ての付箋がついてあった。
トランクに容れてすぐ戻る。
帰路は渋滞もなく、何と、帰宅したのはお昼をちょっと過ぎたくらいであった。
さっそく、ダンボールを開けて、タヌキを見る。
メスであり、全長75センチ、頭胴長54センチであった。5、6日前に死亡したようで、早くも口内に蛆虫が蠢いていた。
頭や身体全体を触る。交通事故死ではないようだ。
でもまだはっきりしたことはわからない。
左足の裏だ。
右手の裏である。
とにかく、寒い!屋外は寒いので、軍手をつけ防寒・防風ようにレインギアを着込んでも寒い。
手がかじかむ。風呂場に持ち込んで解体するかな?と思ったが連れ合いや娘が許さないだろう。屋外の駐車場で、車を目隠しにして解体を始めた。
さすがに晩秋の野生動物だ!白黄色の皮下脂肪がたくさんついている。
カッターナイフはすぐ切れなくなる。
解剖用ハサミでジョキジョキ切り割いていく。
軍手が濡れ、手がかじかんで思うようにできない。ともかく、皮を剥ぎ、手足をばらし、内臓を出してもう限界だ。新しいプランターに手足や頭や胴体を容れ、水に浸す。
プタンターの上にビニールの覆いをして完了。
ハサミやナイフを洗い、内臓や毛皮を庭に埋める。
皮下脂肪が多いのに、胃や小腸、大腸にはほとんど何も入っていなかった。
このタヌキさんは、まだ若いメスだが、外傷がまったく見当たらなかった。哺乳類の病理解剖を日常的にやっている専門学校の教え子の女子たちなら死因を見つけられただろう。

今朝、5時に起きた。せめて少しは徐肉しなければと思ったが、外は寒い。

2011年12月26日月曜日

晩秋に目立つ実

24日の野生生物探検隊で目についた実を載せます。
これからこの寄せ植えの鉢植えが売られますね。
ヤブコウジの赤い実がなんとも微笑ましい。

この鮮やかな紫色というか青色が目に飛び込んできました。
ジャノヒゲだ。

この赤い実は今頃の時季はすごく目立ちますね。
ヒヨドリジョウゴでいいのかな?

このツルリンドウの濃厚な赤い実は花よりも目立ちます。

アップした植物は、花の時季は目立たないが草木が枯れて朝夕が寒くなると、これら植物は実を色づけることで自分の存在を主張しています。

部屋の中は採集してきた糞がいっぱいあるが、なかなか水洗いできないので少し臭う。物置に移した。昨日はisa隊員からタヌキの死体を見つけたと連絡があった。外に置いておくとイヌや他の動物たちが嗅ぎつけるので、早く引き取りにいきたい。幸い大き目のプランターを買ったので剥皮して、その中で腐らそう。ゆーゆー君に預けた鳥の死骸も、彼は解体して同定してくれた。コガモ、マガモやダチョウまであったようだ。ゆーゆー君に感謝!
年末の家の掃除や庭の木の剪定も残っている。賀状はいつもお正月に書くことになっている。
今年も、残り5日。

2011年12月25日日曜日

奥湯河原から白銀林道へのGPSの軌跡

クリスマスイブの24日に野生生物探検隊の忘年会を兼ねた集まりがあった。
ぼくは、サル観察・調査をしていた奥湯河原から山越えしていくことにした。
9時発の湯河原駅前発奥湯河原行のバスにのった。
9時20分に奥湯河原の終点に着く。
そこから車道を歩き、広河原の下の場所から天昭山神社方面への道をとる。
この道は、1966年から歩いた道だ。
10分も歩くと大堰堤がある。
テン糞をみつけ、採集する。
さらに10分くらい道にそって歩くと、駐車場とトイレがある。
ここの鳥居をくぐって階段状になってハイキング路を登ると、すぐにもとサルの餌場になっていた堰堤がある。この堰堤の上の河原が餌場だった
餌場であった河原である。
フユイチゴだ!丹沢には少ない。
餌場跡から沢沿いの斜面の中腹につけられた山道を歩くと、
汗ばんでくる頃に、橋を二つ越える。
この橋をすぎると急な登りになるが、10分ちょっと歩くと天昭山神社に着く。
ここで一休みして、11、2分歩くと白雲の滝だ。
ここからササ藪に覆われた道を歩く。
滝から歩くこと20分くらいで県道椿ライン道路に着く。
ここには湯河原駅大観山行のバス停「天昭山入り口」がある。
椿ラインから餌場だった河原を見る。
以前は餌場が見えたが、今は木が茂ってはっきりしない。
ここからさらに椿ラインを下って、白銀林道へショートカットするために、道路からブッシュの中に分け入る。地図をもっていないので、一瞬嫌な感じがする。
2メートルを超えるような笹薮を漕いで行くが、下りなので面倒ではない。たた、時々生えているサンショウの木のトゲやサルトリイバラのトゲがズボンやシャツにひっかかる。
尾根はササヤブで歩きづらくなってきたので、沢に下りる。沢の方が歩きやすかった。
なんと、沢におりてすぐ林道に辿り着いた。
椿ラインから20分で白銀林道についたのだ。12時を過ぎている。

白銀橋に2時に待ち合わせているので、ともかく白銀橋まであるく。
橋付近は山側の法面の工事が行われていた。
さらに歩いた日向でお湯をわかしてインスタントラーメンを食べていたら、take隊員、isa隊員、k-ta隊員たちがやってきた。彼らもお昼はまだだったようで、一緒に食べる。
昼食後、take隊員の案内で、リスの食痕、イノシシの寝床やアナグマの穴、ウサギの食痕や糞を観察する。

下の地図は、奥湯河原の途中からのGPSの軌跡である。
ウエイポイントが立っているのは糞、花、実などの写真を撮った場所である。
4時過ぎに山を下って、真鶴駅前のお店で、猟師でもあるtake隊員の竹蔵丸のイケスにいた、アジやヤリイカの刺身を食べる。
そのヤリイカだ。
イカの刺身、ゲソが旨かった。
アジの刺身だ。右下のはゲソを熱湯で通して綿と大根おろしをまぶした。これも美味かった。
なんと、ビール2本を飲んだ後は、焼酎の上の瓶を3本飲んだ。
楽しく、美味しい1日であった。

2011年12月24日土曜日

探検隊

山を歩き、海に来た。
この竹蔵丸はtake隊員の船だ。
isa隊員がtake隊員がイカやアジをすくっているのをながめている。

2011年12月23日金曜日

シャベルのようなイノシシの切歯 Like Shovel; Incisors of Wild Boar

丹沢山麓を歩いていると、スコップ状のもので耕したようなイノシシの掘り起しの跡がある。イノシシは鼻面を地面に擦るようにして歩き回っている。これはアナグマもそうだ。
しかし、アナグマの掘り起しの跡とイノシシのそれとの決定的な違いは。
一見、両者とも地面に鼻面を付けて、同じように地面を掻いて獲物を探しているが、アナグマは大きくて頑丈な前足の爪で地面を掻いているのであり、イノシシは下顎の切歯を用いて、地面を掘り起こしているのだ。
先ずは、イノシシの切歯をみていただこう。
これは♀のものである。左:上顎 右:下顎
上顎の切歯は第一、第二が大きくて、まるで土台石のような感じである。
一方、下顎の切歯は3対がまとまって水平方向に2センチ以上も突き出しており、まるで剣先スコップだ。
この下顎の切歯は♂、♀でも同じだ。
左:♂ 右:♀
左の♂の切歯はかなりすり減って短くなっている。
♂の切歯は他の歯よりもかなりすり減っているので、切歯がかなり酷使される歯であることがわかる。
さて、上下の噛み合わせを見ていただきたい。
上の♀の噛み合わせを真横からみると、
上の切歯(第三を除いて)は、下の切歯の抑えとして、まるで「まな板」のような役目を持っていることが分かる。つまり、下の切歯と「まな板」の上の切歯があるからこそ、ササの地下茎や、クズの根も押し切ることができるのだろう。
さらに、この剣先スコップで地面を掘り起こしているのだ。地面の掘り起しの役目で使われることが大半なのだろう。
犬歯は無根であるが、頻繁に使われると思われる切歯を含む他の歯は有根だ。
ネズミやリスとその使い方は違うが、イノシシの切歯が有根であったならもっともっと山麓の地面を深く掘り起こしているだろう。

2011年12月22日木曜日

魚や餌を捕れない鳥たち

昨日、久しぶりにカメラを持って引地川沿いを歩いた。
オナガモが引地川へ落ちる家庭排水が流れるところ出口でコケを漁っていた。
何故、ここにいるの?
カモたちが泥水のような川にいる。
ん?何?と思って横をみたら、歩道から2メートルも離れていなところにカワセミが!
じっと、こちらの下の方を見ている。 
カワセミは、家庭排水が流れてくる排水溝を眺めているのだ。
カワセミがどこにいるか分かるかな? 
コサギが泥水の中を一心に見ている。
が、すぐに位置を変える。この泥水では小魚を見つけるのは難しい。
どうして、こんな泥水になっているのか?
ぼくは、親水公園まで行くことをやめ、泥水の原因追究へと上流に足を向けた。
やはりというかシャベルカーが川床の土砂を掻き集めてダンプカーにその土砂を運びいれていた。
川床はコンクリートでできており、その上に積もった土砂を運びだしているのだ。
工事の看板がでている。毎年、このような土砂さらいをしなければ引地川は土砂で埋まるようだ。
あーー!と溜め息が漏れてしまった。
これだも、イタチがいないわけだ。
「年内いっぱいは土砂さらい工事が続くので他の川へ移動した方が良いよ!」
と鳥たちに教えてあげたいくらいだ。

冬至、柚子湯、お汁粉にカボチャ

今日は、冬至である。このところどんどん日没が早くなり、夜明けも6時過ぎてもまだ明るくならない。
今日を境に日、一日と日が伸びていく。
昨日、連れ合いが、庭の柚子を採って、近所に配っていた。籠の中のものを撮る。
4、5日前にはぼくが柚子を取って釧路へ段ボール箱で送った。
釧路では柚子などは珍しいので、葉や枝がついていた方が喜ばれる。
今夜はこれを風呂に容れての柚子湯だ。
まだ、木には柚子が残っているようだ。
今年は、ユズの木を剪定したので生った実が少なかったが、どれもみな大きい。
我家のユズの木は肥料も与えないし、ほったらかしなので、気の毒でさえある。
樹高、2メートルちょっとの小さなユズの木であるが、この時季に庭に金色の輝きを与えてくれる。粗末にしないで、少し、寒肥でもやってみようと思っている。
今夕は、柚子湯だ。カボチャも食べよう。
子供の頃は、柚子湯はなかったが、カボチャはたくさんあった。収穫して縁側などで干していたカボチャはポクポクして美味しかった。こちらの小さくてジメッとしたカボチャは好きでない。
我が家では、何故かカボチャをお汁粉で食べるのが冬至であった。


2011年12月21日水曜日

イノシシの頭骨のオスとメスの違い Sexual Dimorphism of Wild Boar'Skull

先日のtake隊員のコメントに応えようと思って、イノシシの頭骨を撮っていたら。
これまで見つけることができなかったイノシシ頭骨の性差が分かった。
まず、このことをアップしたい。
オス頭骨(♂)
メスの頭骨(♀) 
こうやって見ると、一目瞭然だ!オスは左右の眼窩の間の前頭骨部分が鼻骨にかけて急激に落ち込んでいるが、メスの前頭骨から鼻骨にかけてはほぼ直線だ。

誰もが指摘しているイノシシの性差は犬歯の大きさと犬歯部分の歯槽部分の骨(〇部分)である。
もちろん、左はオス(♂)で右は(♀)だ。 
ちょうどオスとメスのブタの頭骨をいただいていたのでアップする。
この性差は明らかであり、さらに、眼窩間の前頭骨部分の落ち込みを見つけることができた。
♂のブタの頭骨
メスのブタの頭骨 
眼窩間の前頭骨部分の性差は、資料数が乏しいので個体差だと考えていたが、
2個体しかないブタ(標本♂1、♀1)でも、同じことが言えるということは、
イノシシ類の性的二型の一つであることはまちがいないだろう。
この性差がどのような要因で形成されるのかこれからの課題である。
また、イノシシとブタを比べるとブタでは口吻部分が短くなっている。
歯式は変わらないのだ。これも興味深い。

2011年12月18日日曜日

岡山県、臥牛山のサルの糞内容物

先週15日、会議が終わった後、僅かの時間であったが、臥牛山のサルの群れを探しに行った。
会えなかったが、2週間くらい前のものと思われる古い糞や15日の朝のものと思われる新鮮な糞を拾ってきた。
今の時季のサルたちは、秋の実りを追い求めて遊動生活を楽しんでいる。
どんな種子が出てくるか楽しみであった。
 
上の新旧の糞の内容物はほぼ同じ3種類の種子が出てきた。
それは、下の写真の上部の豆状のもの、その左のサルナシの種子、右の草本の種子だ。
中央の円形のは、ケンポナシの種子である。これは上の古い糞から出てきた。
下方の物は、上部の豆状の種子の種皮である。
どうも、この種子の胚乳を食べたようだ。
新しい糞の色は、この胚乳を食べた色ともいえる。 
豆状の種子の大きさ 
左側の5個は割れていないもの、右側の6個は胚乳部分が無い。
この種子は?
これは、先日k-ta隊員によってしらされたケンポナシのものだ。
下はイノコズチのようないくつかの草本の種子をしごいて食べたと思われるが、、、。 
丹沢のサル糞には、このところ全く注意を払っていなかったが、あらためてテンやタヌキ以上に多様な食物を食べているサルに注目しなければならない。