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原発不要・核廃絶


2023年12月20日水曜日

サル・狭鼻猿の下顎骨の性差     Sexual differences among monkey’s・Catarrhini mandibles

アジア・アフリカに生息する狭鼻小目のサル仲間の頭蓋骨を上から見ると①矢状縫合や②眼窩上縁が隆起しているか(隆起していれば♂)、あるいは ③犬歯が大きく長ければ♂である。これはニホンザルもキンシコウもチンプやゴリラもそうである。
教え子のM.Oさんから貰ったカニクイザルの両性の頭骸骨を見ていて、上から見た下顎骨では、♀と♂では大きな違いがあることが判った。♀の下顎骨はV字形だが、♂ではU字形だ(図1)。
図1.カニクイザルMacaca fascicularis♀(左)と♂(右)の下顎骨

タンザニアのマハレ山塊国立公園で拾ったアカコロブスの下顎骨もやはり♀はV字形だが、♂ではU字形だ(図2)。

図2.アカコロブスColobus badius♀(左)と♂(右)の下顎骨
ニホンザル♂の頭蓋骨はしっかりしたものがあるが、♀は友人のT.S氏から貰った房総半島の有害鳥獣で駆除されて埋められていたまだ第三臼歯が出ていない若い♀の下顎骨しかない(図3)。これを見ると、カニクイザルやアカコロブスのような明確な性差は見られない。♂の下顎骨がU字形とV字形の間くらいのカーブである。しかし、ニホンザルでもやはり♀は♂よりもはるかにV字形の下顎骨である。

図3.ニホンザルMacaca fuscata♀(左)と♂(右)の下顎骨
サルの下顎骨は生まれながらに左右が癒合している。しかし、他の多くの哺乳類の下顎骨は左右の下顎骨は縫合するが、死後バラバラになる(図4~7)。
図4.キツネVulpes vulpesの下顎骨(性不明)
左右の下顎骨を木工ボンドで着けている(図5、6、7)も同じ)。
図5.シカCervus nippon♂の下顎骨
図6.カイウサギOlyctolagus cuniculus♂の下顎骨
図7.ハツカネズミMus musculus♂の下顎骨
多くの哺乳類の下顎骨はV字形である。となればサル♀はサル♂よりもより多くの哺乳類と似ている。つまりサル♀はサル♂よりも祖先系に近いと云える。逆に云えばサル♂は一般的な哺乳類からさらに特殊化が進んでいると云える。

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