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2023年12月18日月曜日

動物たちが最も使う歯、切歯   Incisors, the teeth most used by mammls.

東丹沢水沢橋の堰堤下で見つけたニホンザルの老♂の歯を見ていて、気が付いた事がある。それは、どの歯よりも上下の切歯摩耗して欠落していることである。この摩耗は以前から知っていたことであるが、サルばかりでなく多くの動物たちがもっとも頻繁に使う歯が切歯であり、切歯は食物を直接摂取する歯である。これが摩耗すると食物が取れなくなり衰弱して死に至ることになる。
図1.ニホンザルMacaca fuscataの老♂
特に、主食が植物の動物にとっては切歯が命に関わる大事な歯である。ノウサギ(図2)もヌートリア(図3)も植物食である。また、ネズミやリスたちも主に植物を食べている。その為に、柔らかい肉に比べて繊維の多い植物を噛み取ったり、硬い種皮を齧る事を続けていると摩耗して、植物が食べられなくなる。

そこで、植物食のウサギ目やネズミ目の動物たちの切歯は、一生伸び続ける無根の切歯を持つように進化した。否、無根の切歯を持つように進化したのがウサギやネズミの仲間である。

図2.ノウサギLepus brachyurusの切歯
図3.ヌートリアMyocastor coypusの切歯
シカやカモシカも植物食の動物だ。硬い植物を噛み取るために、彼らは摩耗する上顎の切歯を失くしてしまい(図4)、下顎の切歯と、歯の無い上顎と舌を用いて、柔らかい草や葉を食べるようになった。さらに摂取した草や葉を反芻して嚙み戻し、さらに胃内のバクテリアの分解作用によってセルロースを糖に代えて消化・吸収している。しかし、上顎の切歯の無い反芻動物たちも下顎の切歯が摩耗したら死ぬことになる。

図4.シカCervus nipponの切歯の無い上顎
図1のニホンザル老♂の切歯で見たように、動物たちは切歯を植物を噛み取るのに使っている。ヒトなら手を使って捥ぎ取るのにあるいはナイフを使って切り取ることを動物たちは、直接切歯で植物を噛み取っている。そのために、ニホンザル老♂のように切歯が摩耗して無くなることになる。

ここで、ウマもシカのように草を食べるが、ウマの頭骨の標本が無いためここで取り扱わなかったが、ウマの歯は永久歯にかわった後も年に3,4ミリと伸びるようだ。これだと硬い植物で歯が摩耗しても長生きでくるね。

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