2012年3月31日土曜日

テン糞やタヌキ糞はまだ冬のもの  Scats of marten and racoondog are still winter foods.

29日、サル糞の他にシカ糞やテン糞、タヌキ糞を見る。
テン糞
これは、表面にキブシの種子が見えたが、持ち帰る。
帰宅後、すぐ洗う。
キブシの種子多数、ケンポナシの種子6個と消化していない1センチくらいの果実、膜翅目の翅3枚と節足動物の外骨格。
タヌキ糞
コインの左はキブシの種子が浮き出ている。
コインの下の糞はシカ毛が浮き出ている。
キブシとシカの死骸を食べたと判断し、糞は採集せず。 
このタヌキ糞
個品の右はやはりキブシの種子が見える。
下のものはシカ毛が出ている。
糞採集せず。 
シカ死骸とキブシを食べたと判断。
このタヌキ家族は湖岸の尾根で見晴しの良いところで排泄している。
テンやタヌキの糞がキブシの種子の塊のようであり、
彼らにとってはモミジイチゴなどのキイチゴが実るまでそれまで果実はキブシの実だ。
テンはどこでケンポナシを見つけたものか。
とにかく、彼らにとってキブシやケンポナシの果実はマメガキの果実同様
冬から春までの大事な食糧であると云っても間違いではないだろう。
動物質のものは、偶然に口に入る食糧かもしれない。
シカの死骸は骨髄まで食べられていた。
タヌキ糞を持ち帰って洗わなかったが、きっと節足動物の外骨格も混じっているのだろう。
だろうはダメだ。やはり、きちんと持ち帰って調べなければ、反省だ!


サル糞は春の糞の色  Macaque dropping is spring color.

29日の続きです。
土山峠から湖に沿った林道を行くと、
サル糞だ!
これは、前日の午後のものだろう。
久しぶりのサル糞なので、じっくり観察。
表面に浮き出ている繊維状の赤っぽいもの、これはフサザクラの花だ!
崩す。中身は蕾や、新芽などを食べた緑色だ。
サルは膨らんでいる新芽を食べ始めているのだ。
これが、数時間以内だと表面も緑色になる。
その後、表面は黒くなるが中身は緑色だ。
さらに日にちが経つと表面は茶褐色になり、中身は黒くなる。
最終的に全部茶褐色になる。
春の新芽食いの時は柔らかでソーセージ状になり、
俵型やオニギリを積み重ねたようにはならない。
橋の上にフサザクラの花芽が2、3センチで折れて散在している。
きっと、上のオトナオスザルが食べ散らかしたものだ。 
前に一度この場で、この花を摘んで熱湯で湯がいて、酢醤油か酢味噌和えにすると
旨いのではないかとアップしたことがある。
サルもこの時季をのがさないのだからやはり苦くて旨いのだろう。

2012年3月30日金曜日

沢ではテングチョウが飛び回る Many nymphalids were fluttering over a stream

昨日の沢歩では、やけにこのチョウが多く飛び回っていた。
すばしっこくてなかなか写させてくれない。
タテハチョウ科なのはわかるが、斑紋がうまく撮れない。
ふつうに飛び回るタテハチョウよりも小型だ。
手持ちの日本のチョウⅡ保育社のタテハチョウ科を
ながめて絵合わせをする。
チョウの図鑑はどれも翅を広げた状態で裏、表から載せている。
しかし、通常のチョウは展翅したようではなく、下のような翅の広げ方だ。
それでもだいたいこれだなぁーというものに巡りあった。
テングチョウとなった。

で、ネットでテングチョウを見た。
ネットではみな写真だ。上のように翅を広げた状態で、
同じ斑紋で、ずばりOKとなった。
今日、飛び回っていたテングチョウたちは、成虫で越冬したのだ。
釧路のように寒い年には零下20度を超えるようなところでも、
物置の壁にじっととまっているタテハチョウの仲間を見つけたものだ。
昨日の丹沢は、朝は薄氷が張っていたが、10時を回った頃にはぽかぽかだった。
2頭が連なっていたりしていたから、テングチョウの恋の季節でもあるのかな?

シカは餓死したのではない! The deer did'nt starve to death.

先日のシカの死骸は動物たちにさらにさらに食べられていた。
左に頭骨が裏返ってある。
頭骨と寛骨は脊椎をとおして繋がっており、両前肢は肩甲骨から離れ、
右後肢も寛骨から離れていた。
写真右の脚は、左の後ろ足である。
脊柱から肋骨部分が無いのがわかる。
近づいてみると、前回あった肋骨部分は、骨が割られて骨髄が食べられている。
(脊柱の中央右上に下顎骨がある。クリック拡大)
上の赤くなっている肋骨部分をさらに寄って撮ると、
骨髄の中は、血管が充満し、脂肪質で満たされている。
餓死した動物には、体内の脂肪分がエネルギーとして消費され、
最後に、骨髄に蓄えられている脂肪分が使われるので、
このシカは餓死したのではないことをあらためて知った。
内臓や肉を食べつくした動物たちは骨を食べ始めたのだ。 
しかし、シカの骨は非常に堅い。
この骨を齧って噛み砕くことができるのは、そうとう顎が頑丈で、噛む力が強い動物だ。
イタチ、テン、タヌキはシカの骨をこのように噛み砕くのは無理だろう。
しかし、3月4日にアップしたタヌキ糞からはシカ毛と骨片がでてきている。
ということは、タヌキでもシカの骨を噛み砕けるのだから、キツネ、アナグマ、そしてハクビシンやアライグマ(彼らは腐肉は食べない?)ならさらに簡単にバリバリ齧るだろう。
骨が現場から移動していないのは、その場で骨を齧っているということだ。
今回は、この骨がどこまで齧られて無くなっていくか見届けてやろう。

ぼくが不思議に思っているのは、頭骨は前額骨部分(鼻先)が齧り取られているが、
腦はそのまま残っている。アフリカでヤギの頭骨をそのまま焼いて脳味噌を食べたことがあるが、カキフライの牡蠣のような味がした。
頭蓋骨に歯を立てづらいので残されているのかもしれない。
下顎骨は上顎と接する関節部分の筋突起や関節突起部分が齧り取られているが、
左右の下顎骨は合体したままだ。
まだ、まだこの骨はしゃぶられる事だろう。
これから、アカネズミたちもやってくるだろう。

2012年3月29日木曜日

庭にも春 My small garden's spring!

関東は、北海道生まれからするともったいないくらい多く、香りに包まれる季節がやってくる。
ウメから始まり、ジンチョウゲとなり、晩秋のキンモクセイまで途切れない。
どの香りも大好きだ!
上と下はジンチョウゲの花
今は、庭にでるとこの香りがいっぱいだ。
ショカツサイ(オオアラセイトウ)
プランターに一株咲いている。

丹沢の春のあかし、キクザキイチゲ

昨夜、懸案のデスクワークを仕上げ、宅急便で出版社に送る。
それも今日は高気圧に覆われ晴れ予報だったからだ。
もう、このところ朝5時には明るくなる。
待ちきれず、6時を過ぎたので家をでる。
裏道のショートカットの道を縫うように走ったので、7時には土山峠に着く。
が、ここを後にしてさらに車を進める。
沢の入り口は残雪が積み重ねられていた。
薄氷の下にヤマアカガエルの卵塊がある。
現場に着く。
あったぁー!咲いている。
しかし、陽が射さないと花は閉じたままだ。
キクザキイチゲが薄暗がりの中で真っ白のウエディングドレスを着た
薄幸の女性のようにたたずむ。
陽が射すと、花が開いて華やかになるのだろうが、
この寂しげな雰囲気も捨てがたい。 
 
キクザキイチゲの女性にそうそうに別れを告げて、土山峠に向かう。
土山峠のヤマアカガエルのオタマジャクシは、
我が家の庭の兄弟たちと変わらないくらい大きくなっていた。

2012年3月28日水曜日

満開になったカワヅザクラ The Kawazu cherry blossoms are in full bloom.

今日は午後から雨という予報なので、昼食後引地川沿いのカワヅザクラがあるところに行ってきた。歩いている内に、暗くなり雨までポツポツ降ってきた。
晴れていれば、もっともっと華やかなのに!
ここには、小さな木も含めると5本のカワズザクラが植えられている。 
雨粒を避けるようにレンズを空へ向ける。 
 カワヅザクラは、下向きに咲くんだ!
とうとう、これらの10枚くらい撮って、カメラをバックに容れて小走りで戻る。
なんと、今は、また、陽が射している。


2012年3月27日火曜日

イノシシ?イノブタ?Wild boar?

今日はチャレンジキャンパスだった。
佐倉市からの男子が一名来た。
学校で飼っているスローロリスの足の第2指がカギヅメ状の化粧爪になっているのを見てもらおうと思ったが、なかなか見えず。
イノシシがいる。
これは、イノブタ?
外見の違いがあるのかな?

春のイタチ、テン糞   Weasel & marten scats in spring, at Yugawara.

久しぶりのブログアップである。
先日3月19日の野生生物探検隊で:
湯河原駅発9時の奥湯河原行のバスに乗り、広河原から藤木川に沿って
山道を登っていくと大きな砂防堰堤がある。
その堰堤のところにいつもテン糞があるのだが、今回は堰堤の手前2m
のところの道路端にあった。
10:43テン糞
内容物は、
キブシの種子多数、節足動物の外骨格少々であった。
これから天昭山野猿公園跡まで行き、レインギアの上下を着て、スパッツを着ける。
そこから藤木川左岸尾根に登る。
スギ林を登るが、アオキなどの木も生えているため、葉についた昨夜の雨粒が落ちる。
メガネが吐く息と湿気でまるで風呂場にいるように曇る。
尾根道はしっかりしている。
イノシシのフィールドサインやタヌキのタメ糞などの写真を撮る。
県道椿ラインに出て、200mくらい下ってから白銀林道への尾根をとる。
が、ひどいササヤブだ。もうお昼には幕山に着けないことをisa隊員に電話する。
2mを超すササヤブを両手で掻き分けながら下る。これが登りならとても無理だ。
ササだけでなく、サンショウ、ジャケツイバラ、クマイチゴ、サルトリイバラなどの棘をもつ灌木があり、さらに、サルナシ、ヤマフジ、ボタンヅル、スイカズラなどの蔓性植物が絡みつく。
沢に下りることにきめる。これが正解だった。
ヤブが酷い場合は沢の方がまだしも歩きやすい。
40分もしないで林道にでることができた。
林道を歩いていると、take隊員から電話がある。
こちらに来るというので、出会うまでに少し歩こうと急ぐ。
お昼のインスタントラーメンを食べ終わって再び歩き始めてtake隊員の車がきた。
take隊員の秘密のルートを歩く。まず、シュンランがあちこちに咲くところにいく。
ノウサギがシュンランの葉を食べているが、花は食べていない。
そこから再び林道へ戻り、またまた秘密のササヤブのトンネルへ。
イノシシの糞を採集する。
これは今日洗いつくしたら植物繊維だけが残った。
皆さんに、「糞も探して!」と云う。
早速、take隊員が見つけてくれる。

14:12イタチ糞
内容物は、
小哺乳類(ネズミ?ジネズミ?)の毛、骨片多数、節足動物の外骨格
14:39テン糞
内容物は
イヌツゲの種子26個
この後、水場で、ムカゴネコノメ、ヨゴレネコノメ、チャルメルソウなどに皆、
目を輝かしている。
あー、ダメだ。take隊員はやまぼうしさんの軍門に下ってしまった。
16:04イタチ糞
内容物は
ネズミの毛多数、骨片少し、昆虫脚
湯河原のテン、イタチたちは一足早く、春の食物に変わりつつある。
というよりも、ここ湯河原はフクロウや猛禽、キツネも元気でいられるように、
ネズミたちが豊富に生息しているようだ。

イタチとテンの糞から、ネズミかジネズミorヒミズの毛が出てきた。
丹沢ではこうはならないだろう。でも、わからない。
推論も大事だが、事実の積み重ねが大事だ。
ネズミなどの小哺乳類の毛を虫眼鏡で見極める技術を持ちたい。
見た目は違うんだ。
最後はいつもの真鶴駅前のお店でわいわいと呑む。
今週中頃には、原稿の見直し修正を終えたい。
早く、山へ行きたい。春の花がキクザキイチゲが終わるぅ!
でも、今日は専門学校のチャレンジキャンパスで、サルの話しだ!
頭骨もサル糞も、持っていって話しよう。気分を変えてこよう。


2012年3月22日木曜日

イノシシはタヌキ糞を食べている? Wildboar eats racoondog scats?

19日の野生生物探検隊の集まりで、
ぼくは藤木川の左岸尾根を県道椿ラインまで登ったが、
タヌキのタメ糞が、このように表面が何かに押しつぶされたてすくい取られたようになっている。
この尾根歩きをしようと思ったのは、天昭山神社、白雲の滝を通るハイキング道路を
歩いては、タヌキのタメ糞場所がないので、タヌキ糞を採集できないと思ったからだ。
しかし、昨年から1月までくらいの古い糞は残っているが、3月に入ってからの
糞というか、俵型の糞塊は一つもなく、どれも踏みつぶされたか、
押しつぶされたようになっている。
この尾根には、イノシシの掘り痕が各所にあったし、寝床もあった。
これは、イノシシがこの1、2週間の間に新しいタヌキ糞を食べた跡だと考えた。
是非、イヤでなければ上の写真をクリックして見てください。
糞の塊はなく、熊手のようなものでならしたようにも見える。

このようなタヌキのタメ糞は何も今回この湯河原で見つけただけではないのだ。
丹沢でもたくさん見つけているのだ。
これまでは、どうしてここで糞をしなくなったのだろう?と疑問に思っていた。
しかし、そのタメ糞場所に再びタヌキが糞をすることがあるのだ。
今回の野生生物探検隊の集まりで、奥湯河原から尾根を歩いて山越えしたことにより
「これはイノシシのしわざだ!」と思うようになったのだ。
皆さんはどう思いますか?

春の訪れ(2) Letters of spring(2)

今回の奥湯河原から白銀林道のコースでは、フキノトウをたくさん採った。
お昼のインスタントラーメンにも2個入れることができたし、
翌日の夕食時には、油で炒めて味噌にからめてその苦味を楽しんだ。
ここに載せものは開いたものなので、種子ができて子供が沢山飛び散ることを祈って
写真だけにした。
関東のフキノトウは僕の親指くらいの太さであり、20個くらいも採らないと
酢味噌和えにしたり、天麩羅にして楽しめない。
しかし、道東の釧路で採れるフキノウトウは、生まれたばかりの赤ちゃんの
握りこぶしくらいの大きさがあり、5、6個採れば、酢味噌和えや天麩羅を十分楽しめる。
「春は苦味を盛れ」と云うが、春の山菜や野菜には苦くて美味しいものがある。
菜の花は苦くておいしい。ナズナ、フキノウトウ、セリ、タンポポの根、タラの芽、ミツバ、モミジガサなど山菜類は、皆苦くて美味しい。
これらの山菜の苦さは、何故か皆、油と味噌の和え物や天麩羅が合う。

2012年3月21日水曜日

春の訪れ(1) Letters of spring

山での春の訪れまっさきにあげられるのは、このフサザクラではないだろうか?
もちろん、ぼくの思いだ。
どうしても笑われてしまうのだが、このフサザクラの花を摘んで、熱湯で湯がいて、
三倍酢に和えて食べたらさぞかし旨いだろうと思うのだが、
「食べられる山野草」という本には載っていない。
タチツボスミレの花がいくつか日向斜面で咲いていた。
湯河原はやはり温かいのだ。
スミレの花も春の訪れを知らせる花の一つだ。 

2012年3月20日火曜日

イノシシの寝床  Wild boar's bed

2月11日に奥湯河原でみたイノシシの寝床に着いてアップした。
昨日、野生生物探検隊の集まりがあった。
ぼくは、奥湯河原から白銀林道に向かった。
湯河原野猿公苑餌場跡に一ヶ月前にあったイノシシの寝床は、2mほどずれて、
今度は、凹型のものとなっていた。
深さは30センチ、長径8、90センチ、短径50センチくらいであった。
中の白いものはB5大学ノートである。
前のものとは構造が異なる。
藤木川左岸の尾根を登っていくと、尾根から1mくらい離れたところに
上の寝床と同じ大きさの凹型のものがあった。
ものすごい獣臭さがしていたので、イノシシが直前までいたものと思われる。
ここは、上の物とは材料がササと異なる。
上の寝床はササからなるものだが、下写真のものは
掘ったところに枯葉を敷き詰めたようになっていた。
中の赤いのはぼくのザックカバーである。
一ヶ月前に見たものとは、今回の二つのベッドは異なる。
前回の物は、二重構造になっていた。つまり、掛け布団があったが、今回のものは
ベットだけだ。
この構造上の違いは何によるものなのだろうか?
少なくとも、上のベッドは一ヶ月前のベッドを作った個体と同じ個体だと考えられる。

2012年3月19日月曜日

フジの鞘が散在  Scatered wisteria's sheaths

先日、尾根上にヤマフジの鞘が一面に散らばって落ちているところがあった。
左の蔓はサルナシであるが、すぐ正面に直径15センチはありそうな太いヤマフジの木が
立ち上がっていた。
今、おもうと何故と思うのだが、当日は雨が降っていたが、フジの木を見上げて鞘がぶら下がっているかどうか、少しは確かめてみるべきだった。
風で落ちたのでないことは確実だ。落ちているのはここだけだ。
皆、鞘が開いているし、豆がどの鞘にも残っていない。

タンザニアのタンガニーカ湖湖畔のマハレ山塊国立公園で3年間暮らした。
我が家の側には数本のマメ科の木が生い茂っていた。
乾季の真っ盛りになると、鞘が弾けて中の種子である豆が飛び散る。
家は、トタン屋根であり、天井板などない。部屋で上を見ると屋根のトタン板である。
日中はトタンが焼けて部屋の中には暑くて入っていられない。
乾季になると日中と云わず、夜中でも乾いた30センチくらいの鞘が弾けて、
周りに豆や鞘を飛び散らす。
それが、バラバラとトタン屋根に落ちると、何事が起ったのかと思うほどの音だった。
豆の大きさは10円玉くらいで、5ミリくらいの厚さの平べったいものだった。

このことをすっかり忘れていたのだ。
このフジの鞘を見た時は、「これは、樹上で動物がフジ豆を食べたのだ」と思った。
このようなことをするのは、樹上に登って、種子などを食べるムササビ、リスの仲間だろう。
でも、ちょっとおかしい。
動物たちが、濡れて柔らかくなった鞘を開けたような形跡はどこにも残っていない。
で、歩きながらアフリカの家のことを思い出したのだった。
この鞘は晩秋の乾燥した時に弾けたものなのだ。
落ちて分散した多くの豆は、ネズミやリスたちにも食べられるだろう。

今日は、突然の奥湯河原行だ。
春が丹沢より早くきている筈だ!

2012年3月17日土曜日

ヤマアカガエルのオタマジャクシ

2月8日の土山峠、まだ雪が残るところにヤマアカガエルの卵塊については、
アップした。また、持ち帰った卵が孵化したこともアップした。
昨日、庭のオタマを見たら春のお昼過ぎの日差しの中で元気に泳ぎ回っている。
全部で15,6匹はいる。
オタマの動きは何だか子供の頃の情景を思い出させる。

連れ合いと映画「戦火の馬」を見に行ってきた。
娯楽映画のインディ・ジョーンズもつくれば、このようなものもつくる。
動物好きでなくても感動できる作品だ。
帰宅したら、出版社からメールが来ていた。
原稿を送付してから丸一年過ぎた。さぁー、これからだ。

今日は、何だかまた雨模様だ。こんな日が続いて温かくなっていく。

2012年3月16日金曜日

3月12日のテン、タヌキ糞の内容物 Contents in scats of marten & racoondog

3月12日に、テン糞は5か所、タヌキ糞は6か所で見つけたが、
2,3日以内の新しいものだけを採集した(テン:5か所、タヌキ:3ヶ所)。
下図のGPS軌跡ルートで、テンは赤丸で、タヌキは緑丸で糞採集地点を示した。
クリックして大きくしないと見づらい。
テン糞①では
サルナシ種子2個、マメガキ種子29個
テン糞②では
マメガキ種子9個、ネズミ(同定できず)の毛多数
テン糞③
昆虫の翅、外骨格、ネズミ(同定できず)の毛、骨片(大腿骨、尾骨など)多数 
テン糞④
サルナシ種子多数、マメガキ種子3個 
テン糞⑤ 
サルナシ種子12個、マメガキ種子4個
タヌキ糞①では、
キブシ種子多数、昆虫の外骨格多数、シカ毛2~3センチ10本
タヌキ糞②
ケンポナシ種子2個、昆虫外骨格、シカ毛+動物質多数 
タヌキ糞③
キブシ種子多数、節足動物の外骨格多数 

この時季は、昆虫や土壌動物たちが動きだし、それを狙ってネズミなどの小哺乳類が活動し始めていることが判る。
テンはネズミ類などの小哺乳類を狙えるが、タヌキでは無理なのかも知れない。
タヌキではシカの死骸や落ちているキブシや動き出した土壌動物などの節足動物
を食べ始めていることが判る。

これから温かくなれば、さらに節足動物などの土壌動物が増え、ネズミなどの小哺乳類の他に両性爬虫類も食べられるようになるのだろう。
ただし、タヌキではキブシの果実食いはまだまだ続くのかも知れない。

2012年3月15日木曜日

環境省の野生動物に関する仕事

ぼくは今、野生動物保護専攻のクラスがあるTCA専門学校で週二日授業をしている。
野生動物保護に関わる就職口は、
アセスメントなどの野生動物の調査会社や、有害動物駆除の会社、
さらにはペットや獣医を手助けするものがある。

日本ばかりではないが、各地で増えた野生動物による農作物被害、
さらには人的被害があり、一方では、絶滅が危惧される動物たちもいる。
環境省ではH.11年に、各都道府県に生息する野生鳥獣の特定鳥獣保護管理計画をたて、
実施させている。
神奈川県の対象動物は、サルとシカだ。
この鳥獣保護管理計画が上手く機能して、野生動物たちが適正に保護管理されている都道府県は無いと言い切っても良い。
そのため、都道府県の自然植生や農作物、さらには人まで被害を被っている。

これらの計画は「絵に描いた餅」になっているからだ。
今、一番必要なのは、現場で絶えず動物たちを監視し、
状況に応じて対応できる人材がまったくいないからだ。
そのような人材は、定年退職したような人で、お茶を濁そうとしてはダメだ。
考える力をもった若くて元気な人たちを、都道府県は教員を採用するのと同じように
雇あげるべきだ。

先日、丹沢山塊を一緒に歩いた笹沼萌さんは、ツシマヤマネコが生息する
環境省の対馬野生生物保護センターに採用された。
3年間契約で、手取りは10万円そこそこだ。
さらに、専門学校を卒業して環境省のアクティブレインジャー
(自然保護官の補佐役で、国立公園等のパトロール、調査、利用者指導、自然解説等となる)
に採用された若者たちがいる。
が、二人は2年もしないで辞めた。
給与が日給月給で、5年契約であり、将来が見通せないのだ。
5年経つと自然保護官や正職員になれるとすべきではないのか?
環境省は現在世の中に巣食っている悪い雇用形態を率先しておこなっている。
若者は次々に現れてくるから次々に新たに採用していけば良いと考えているのだ。
若者を育てようとしていない。と云うよりも日本の自然をしっかり保護管理していこうという
気持ちが環境省のお役人はもっていないのだ。
本省がそうであるから、その指導を仰ぐべく県、市は目も当てられない。
行政を含む多くの組織が自分の既得権益を維持発展させることには
熱心だが、今の現状を打破するには何が必要なのかということを考えなさ過ぎる。
公民館、博物館、〇〇会館、これらはどれも、役人たちの天下り先だ。
これらは天下る役人がいなくなればもっともっと若者が職につけるだろう。
交差点で交通事故死があってから、信号機が設置されても亡くなった人は戻らないのだ。
今の行政の方針は、日本の生物自然が崩壊してしまった後、回復させようとしているように思える。

シカ死骸を動かしたのは誰?  Who carried the deer corpse?

3月9日にシカの死骸を見つけた。
それが3日後の12日には下のような状態になっていた。
頭部と前足、後足の踵から蹄の部分(中手or足骨)は相変わらず、そのままだ。
大腿骨を取って、骨髄の状態を調べようとと思ったが、まだしっかり
腱でついている。
しかし、肋骨や背骨はかなり綺麗に食べられている。午前中の写真。
下の写真は午後に撮ったもの 
下は9日の状態。全身はこちら向いていたが、
昨日はおそらく頭部を湖方向へ引っ張ったヤツがいたのだ。 
昨日は、イノシシの糞も2ヶ所で採集してきたので、
イノシシもこのシカ食いに参加していたのかと思っていたが、そうではなかった。
頭骨だけでも動かそうとしても、テンやタヌキの力では動かせないとおもうのだが、
また、肩甲骨は5メートルくらい離れた湖側に引っ張られてあった。
オオカミのような大きな肉食獣が食べたのなら判るが、
だれが、大きく重い死骸を動かしたのだろう。
イノシシではないとすると、クマか!

2012年3月14日水曜日

驚き、イノシシ糞の内容物!Wildboars don't eat carrion?

12日に採集してきたイノシシの糞を水洗いして驚いた。
前回(1月21日にアップ)の糞は糞全体が異様に固く、崩すのが大変だった。
植物質の塊だと判ったが、今回は力を込めて崩し、潰した。
S①で11時58分に見つけた糞
S②で12時49分に見つけた糞 
2つの糞とも表面にマメガキかケンポナシの種皮状のものが浮き出ている。
水をじゃぶじゃぶ流して洗った。
この種子を見つけた場所は、シカの死骸の場所からそう遠くない。
S②の位置からシカ死骸までは直線で700mだ。
2月8日に遭ったイノシシとこれらの糞の持ち主とは同じ個体の可能性もあるだろう。
ぼくは2つのイノシシの糞からシカ死骸を食べた痕跡で出てくると思っていたのだ。
しかし、これら2つの糞の内容物は、
オニグルミの堅果を粉々(大きいもので5ミリ四方)に噛み砕いた殻と
ドングリを噛み砕いた種皮(大きいもので7ミリx4ミリ)と、おそらくマメガキを食べて種子まで噛み砕いたと思われるものがでてきた。
サルナシやキブシの種子は見つからなかった。

この糞をしたイノシシは、シカ死骸に気が付かない筈がないと考える。
となると、イノシシはテンと同じように死肉は食べない?
エ~?そんな筈は無いと思うのだが、、、、、。
キンシコウの調査地のぼくらが泊まった農家では、人糞をブタにエサとして与えていた。
イノシシはシカの死骸に気が付かなかったのか?まさか!
イノシシは地中にあるキノコの仲間トリュフを匂で探し当てるのだ。
S①やS②のイノシシの行動域はシカ死骸があるところまでは及ばないタメなのか!
そんな筈がない、イノシシの行動域は100~400haあるようだ。

そうなると、やはりイノシシは死骸を食糧にはしないということか?

アップした後、イノシシの食性を調べた。
見境なく何でも食べるのだ。植物の葉、茎、根などのあらゆる部分、
 
節足動物や軟体動物を含む全ての動物、苔や菌類、死骸、堆肥などだ。
まるでヒトだ!
やはり二つの糞をした個体はシカの死骸に気が付かなかったのかな?