これが、その現場。狩猟後、ここで解体したようだ。上顎と四脚と肋骨つきの肉を取り、脊椎と寛骨だけは用無しで捨てたのだ。
下顎はあるので、上顎を捜したら、3、4メートル上にあったが、角だけを持っていったようだ。
そんな解体作業をやっている現場は凄惨な様子が窺える。
下顎などは後で持ってかえろうと、岩の上にのせて、上流へ向う。
50メートルも歩かない内に再び、シカの解体痕。これをみて、この沢に他にいくつシカの解体作業をした痕があるか、調べようと思う。

伊勢沢の最後?最初?は岩壁である。ここを右に巻いて登っていくと焼山と蛭ヶ岳を結ぶ登山道にでる。しかし、今日は、雨のことと膝が心配なので、戻ることにする。
一人で、記念写真などを撮っていたら、案の定雨がポツポツときた!
1975年、群れ離脱の前に姉からグルーミングされるグシャオ。
1歳の秋に、T群の多くの子供たちが顔面に酷い怪我をした。現場を見ていないが、群れに接近したオトナオスの犠牲になったものと考えられる。このグシャオは鼻から歯茎もろとも噛み取られていた。骸骨の鼻孔のようになった鼻穴から流れる液体を赤い小さな舌でペロペロ舐めていた。
正面から、え?と思えるほど歯がなくなっていたり、曲がっている。
頭を見た。え?何これ?角が無い!