「特定秘密保護法反対」

「特定秘密保護法」、「集団的自衛権」に反対します。憲法第9条をしっかり守りましょう。教育勅語の教材活用は間違いだ!

自由であっても、他人の生まれ、身体、性別、年齢、故郷、風習、宗教、民族、国を差別する、小馬鹿にする、冒涜するのは許されない。

原発不要・核廃絶


2018年12月17日月曜日

学校に来たゴマフアザラシ Spotted Seal in the school.

 昨日、オープンキャンパスがあるので専門学校へ行った。80名くらいの高校生がやってきた。そんな大勢の中で野生動物保護専攻は女子2名だけだった。多くは、飼育や水族館専攻の高校生たちだ。この日はアザラシが学校にやってきていると聞いたので授業後、アザラシを見に行った。
アザラシは教室に置かれた子供用の簡易プールのような中に入っていた。
アザラシを1、2メートル近くで見たことがなかったので、かなり感動した。飼育をしている男性がいろいろ説明をしてくれた。見た感じはゼニガタアザラシかな?っと思ったので訊いたら、この個体はゼニガタに似ているがゴマフアザラシとのことだ。年齢は1歳7か月でメスとのことだ。オスの場合もペニスや睾丸は腹腔内に収まっているとのことだ。目の後ろの外耳があるところは、穴があいておりその周りが浮き出たり広がったり閉じたりする。「カワイイネェー」っと声を掛けるとこちらを向いてくれた。目が可愛いネ。
 髭は海底などのエサを探る時のアンテナとして使われるのだろう。では、目の上にあるこの数本の長い眉毛の機能は?
顔を沈めようとすると鼻穴が閉じ、耳穴も閉じる。
アザラシは、陸上生のクマやタヌキとは違って嗅覚より、視覚が優れており、嗅覚でエサを探すのではなく、視覚でエサを探すのだろう。その事を飼育者に訊くのを忘れてしまった。
飼育者が抜けた前鰭の爪や髭、毛を見せてくれた。

2018年12月16日日曜日

仏果山のテン糞の内容物  The contents of marten's scats in Mt.Bukka.

14日の仏果山に登った時に拾ったテン糞は全部で5個であった。
糞を水洗いして内容物を同定したので、以下にアップする。
8:07 テン糞1
サルナシ種子・果肉・果皮
8:24 テン糞2
マメガキ種子・果肉・果皮、サルナシ種子
9:34 テン糞3
マメガキ種子・果肉・果皮、サルナシ種子・果肉・果皮
10:54 テン糞4
ウラジロノキ種子・果肉・果皮、昆虫脚
3個の果実が果皮が少し割れているだけで中に果肉・種子がそのまま残っていた。
10:59 テン糞5
オオウラジロノキ種子・果肉・果皮、昆虫脚

上の5個のテン糞の内容物を表1にまとめた。サルナシは3個の糞あり、マメガキはこの3個の中の2個にあった。これら3個の糞は土山峠~仏果山の間で見つけた(図1)。まだ、この時季になってもサルナシやマメガキが残っているのだ。一方、仏果山を過ぎてから見つけた2個の糞はウラジロノキやオオウラジロノキの実を食べていたものであり、同時に昆虫の足も入っていたことから林床に落ちたこれらの果実を食べたと思われる。

図1.ルートとテン糞を見つけた位置

2018年12月14日金曜日

土山峠から仏果山へ2) To Mt.Bukka from Tsuchiyama Pass2)

このところ寒い日が続いているので、先ほど外のデンドロビュームを取り入れた。茎の間に挟まった木の葉を取り、枯れた茎を切り取る作業に1時間以上も費やした。昨年の茎には花芽が膨らんでいる。

革籠石山を過ぎて、杉林の階段のある登りを20分くらい行くと壊れたシカ柵の扉を潜って下の道標と看板と休み台があるところにくる。
9:27 仏果山まで0.8キロまできた
休み台の上の水が氷っていた。ここはまだ0℃前後なんだ。冷える筈!
上の道標の前の看板 サワラ・ヒノキ・スギの葉の絵が書かれている。
9:34 上の場所から歩いて間もなく、もう全てがマメガキの種子と果肉・果皮と思われるテン糞を見つける。もちろん拾う。
9:34 テン糞3
9:38 以前、もう20年くらい前?イヤもっともっと前にこの看板「丹沢山塊東辺のみち」の裏側(県道64号線側)の崖を巻くと修験者が加持祈祷したと思われる少し窪んだ場所が神棚になっていて、小さな三方があったり、お神酒?が置かれていたが、それはどこだったかな?
少し、探したが若い時のように身軽ではないので、諦めた。
9:38 謂れの看板
9:42 馬渡バス停まデ3.2キロの道標がでてきた。正面には仏果山の展望台が見える。細尾根なので慎重に歩く。
9:42 仏果山まで0.5キロ
今日は、尾根に出てからずーっと下の採石場からのトラックの音が聞こえていた。が、素晴らしく見晴らしの良い所にきた。
大山や蛭ヶ岳が見える。西に沈むお月様が見える。
大山山頂には鉄塔が突き出ているので目印になる
9:52 東から遠望する蛭ヶ岳の山頂付近は禿山のようで、双眼鏡で覗くと山頂の山荘が目印になる。
 半原側の崖にリュウノウギクが朝日を浴びていた。この辺りの尾根は狭いし、オーバハングしている箇所もある。ここを歩いて初めて足元が怖いと思った。で、ストックを短くして仕舞おうと思ったが、左手に二本のストックを持ち、右手で岩の端をしっかり抑えて3点は確保して登った。
9:54 リュウノウギク
細い岩場には太いロープが張ってあるが、ぼくはどうもこのような人工物を頼りにすることが出来ない。もっとも安心なのは生きている木の幹や根だ。これらを片手でもしっかり握れると安心だ。
岩場を登りきって少し歩くと仏果山登山口バス停・仏果山・土山峠の三叉路となる道標が出てくる。
10:06 宮ケ瀬越への道標 ぼくの姿が影となっている。
仏果山山頂で、コンロを出してお湯を沸かしているいると、70代の男性登山者がザックも担がない身軽ななりでやってきた。展望台に5分くらい上がっていて帰っていった。
10:23 ブランチのインスタントラーメンとサンドイッチ
生卵をラーメンに割入れようとして、割ったら何と手に残ったのは卵の殻だけで、白身と黄身はそのまま下の枯葉に吸い込まれてしまった。無念この上ない。でも、醤油ラーメンは旨かった。
10:39 展望台への階段のところで
写真を撮り終えてザックに荷物を詰めていると、女子一人、男子二人が登ってきた。3人とも単独行の人たちだ。女子が「こんにちは!」っと声を掛けてくれる。「こんにちは!」と応えるが、定年退職したと思われる男たちは無言!
10:54 山頂をでて間もなく新しいテン糞を見つける。マメガキの種子?っと思ったが違う。う?何だ、ケンポナシでもないし、、、。調べるのが楽しみだ!
この糞を拾ったので何だか嬉しくなる。
10:54 テン糞4
おー、また、あった!っと写真を撮っていたら、先ほど山頂であった男性が降りてきた。道を譲ると「何か面白いモノでもありましたか?」と話してくる。「テンの糞です」と応えると「ん?逃げたテン?飼われていたテンが逃げたんですか?」、「????、イヤ、野生のテンです」、「エ?野生のテンが仏果山にいるんですか?」「自分は山を歩いてシカの食害状況を見て自然保護センターに報告している」と云う。そして、丹沢は如何にシカが多く、シカの食害が酷いかと云うことを話してくれる。
10:59 テン糞5
仏果山登山道口に降りるまでに、登ってくる単独行の男性二人、男女ペア一組と出合う。仏果山は人気がある山なんだ!風が冷たいが久しぶりの晴天なので気持ち良い探索行だった。
土山峠(7:17)からの革籠石山・仏果山・大棚沢駐車場(12:04)まではGPS上で約7キロで、約3時間かかった。もっともお昼に山頂で40分近く費やした。お昼にゆっくり時間を使って休んだせいか翌朝になっても太腿が全く痛くならない。

土山峠から仏果山へ  To Mt.Bukka from Tshuchiyama Pass

今日は、仏果山を探索してきた。
大棚沢駐車場を出て、仏果山登山口のバス停の時刻表を見ていたら、バスが来た。これは好都合と跳び乗る。土山峠まで乗ったが、歩くと20分ちょっとの距離がバスに乗るとこんなに長い距離かとちょっと驚く。
仏果山登山口から仏果山に登ると、土山峠に出て、そこから大棚沢まで歩くので、土山峠から登ると仏果山、駐車場と歩くことになった。
トラックなどの車が突っ走る道を歩かないので得したような感じ!
7:17 土山峠から仏果山の登山口着
風が寒い!指が出る軍手では冷たいので通常の手袋を履く。上は長袖シャツに厚手冬用のスポーツシャツ、その上によれよれのセーター、首にハンカチを巻く。下は股引にネットで買った冬用のズボンだ。試し履きだ。裏起毛タイプなので、山歩きにはどうかな?
①(下図のルート上の番号)土山峠の仏果山登山口
登山口から10分くら登ると尾根の沿った平らな道になり、宮ヶ瀬湖の方や仏果山の方が見える。
尾根に出ると風がすごく冷たく、上にヤッケでも羽織ろうかなと思っていると休み台が見えてきた。
7:33 ②休み台と道標
7:43 ③まだまだ登りは続く
朝日が背に当たると背にザックを背負っているのに温かく感じる。
斜面のなだらかな道をゆっくり歩く。アブラチャンの木が多い。根本から叢生しているのがアブラチャンだ!
7:55 アブラチャンが多い、斜面。
7:57 オニシバリ(ナツボウズ)の緑が目立つ、蕾が付いていた。
8:00 背が温かく気持ち良い道だ!
8:02 宮ヶ瀬湖が見える
④ 8:06 土山峠から1.1キロ来た。仏果山まで2キロだ。
この道標の前に休み台があったので、見るとテン糞だ。誰か糞に気が付かないで座ったか?ここでヤッケを羽織る。
8:07 テン糞①
アセビが出てきた。風が冷たいが、ヤッケを羽織ったので問題ナシだ!
8:15 アセビが蕾を持っている
8:19 誰かアルミの食器を忘れたようだ
8:20 ナナフシだ!寒さで死にかけている。手に取ると僅かに脚を動かす。木の根元の樹穴に入れ枯葉をかけてやる。
8:24 テン糞2
⑥ 8:27 仏果山まで1.6キロ 
これから革籠石山まで3,40センチの高さの階段の登りだ。この階段にクマシデの種子(果実)を誰かが食べたと思われる箇所があった。
クマシデの苞麟がまとまってある
8:36 クマシデの苞麟 再び指ナシ軍手だ!
階段の登りが続く!
8:37 仏果山まで1.4キロ
この道標の前の休み台に誰が運んできたのかカラスザンショウの果穂が乗っている。
カラスザンショウの実
っと!リスがゆっくり横切る。この時に限って、カメラをバックの中に容れていた。残念無念!
8:37 リスの食痕だ!モミの果実(マツボックリ)を食べたんだ!
9:00 コウヤボウキの枯れた花
⑦ 9:01 革籠石山 仏果山まで1.1キロ
今日は、ここまでにしておきます。次回はこの続きです。
土山峠から2時間くらいかかって革籠石山に辿りついている。
歩いたルート:自動車道路(仏果山登山口から土山峠までバスに乗る)
①、②、③、④、⑥、⑦は

2018年12月11日火曜日

ガマズミの実の不思議!-何故、テンは食べない?- The mysteries of viburnum's fruits! -Why never marten eat?-

12月になった。いよいよガマズミの真紅の実は甘くなっている。
霜が降り、ガマズミの実の果皮が少しシワが寄り始めると、その酸っぱみのある甘さが際立ってくる。こんなガマズミの実を見つけるとぼくは果柄ごと折り取って実が着いた房を口に咥え、果柄を引っ張る。
ガマズミの実が口の中に落ちこぼれ、軽く舌で実を押してその味を堪能する。
10月上旬のガマズミの実 食べるのはまだだ!
今頃山を歩いていてガマズミの実を見つけると、一緒に歩いている人にも勧めて食べてもらう。多くは酸っぱくて甘くて美味しい云う。
11月下旬のガマズミの実 もう、甘酸っぱい
こんなに美味しいガマズミの実なのに、何故かテン、タヌキ、アナグマたちはこの実を食べないようだ。
2008年5月からこれまでの10年間に約1500個以上のクマを含むテンやタヌキ、アナグマなどの食肉目の糞を拾い、水洗いして内容物を同定してきたが、一度もガマズミの種子(下の写真)が糞の中に入っていたことがないのだ。
ガマズミの種子
晩秋に目につく美味しい果実ではガマズミが一番だ!サルナシは動物たちに一番食べられるがいつも探しながら歩くがそう簡単に見つかるものではない。このように考えてきて思いついた。
秋から冬にかけて、動物たちが食べる、サルナシ、アケビ、マメガキ、ケンポナシの果実はどれも赤や黄、青などのカラフルな色合いをしている訳ではない。テンは果実の少しの発酵臭でも嗅ぎ分けて木に登ってサルナシなどの果実を食べることができる。が、これらの果実は林床に落下して時間が経って発酵して匂うのでタヌキたちが食べることができるのだ。つまり、嗅覚でエサを探す哺乳類が見つけてたべるのだ。
一方、ガマズミの実は真紅の果皮に包まれ、シワシワになっても果柄ごと枝についている。この12月も末期になってシワシワになったガマズミは発酵臭を出さないのだろう。恐らく落下しても臭わないのだ。だから、これまで一個の糞にもガマズミの種子が入っていたことがないのだ。
ガマズミの実は視覚でエサを探す鳥に食べられるように進化してきたのだ。しかし、サルナシは嗅覚でエサを探す哺乳動物に食べられるように進化してきたのだ。
植物の種子散布の戦略が視覚に訴える鳥用か嗅覚に訴える哺乳類用かで異なるんんだ!

果実の色がカラフルではない植物は哺乳類に食べられ、カラフルな実は鳥に食べられるように進化しのだろう。

そう考えると、鮮やかな青紫色のヤブムラサキの果実やカラスウリの果実、 サネカズラ、ノブドウ、アオツヅラフジ、ズミやアズキナシの果実がもっともっと哺乳類に食べられていても良さそうなものなのに糞の内容物として同定されないのも納得できる。
また、一方、いつまでも緑青色で目立たないキブシの実は鳥用ではなく、林床に落ちてから匂うようになる(多分)ので、テンもタヌキもアナグマもこれからエサとして食べるようになるのだ。