「特定秘密保護法反対」

「特定秘密保護法」、「集団的自衛権」に反対します。憲法第9条をしっかり守りましょう。教育勅語の教材活用は間違いだ!

自由であっても、他人の生まれ、身体、性別、年齢、故郷、風習、宗教、民族、国を差別する、小馬鹿にする、冒涜するのは許されない。

原発不要・核廃絶


2016年6月20日月曜日

学生からもらったシカの大腿骨と脛骨  Deer's femur and tibia that were gotten from my students.

先日の丹沢実習で、学生たちからシカの骨を2個貰った。
 写真の上の長い方は、脛骨で、下の短いのは大腿骨の膝の方の部分であることが判る。
 Fig.1 正面側から
Fig.2 斜め後ろから

山で、貰った時は、脛骨の前縁の流れから、この脛骨は左の脛骨で、
大腿骨も左の大腿骨であると学生たちに説明した。
しかし、どうもオカシイ!
大腿骨の滑車面と脛骨の関節面がしっくりしない。

で、大腿骨を調べた。
Fig.3 大腿骨の膝の関節面

大腿骨の膝の部分では、内側の大腿骨滑車①が外側の大腿骨滑車②よりも
大きく盛り上がり、さらに、脛骨と接する外側顆は内側顆よりも大きくなる。

こうなると、この大腿骨は右のものだ!

学生たちはほぼ同じ場所でこれらの骨を拾ったのだが、
右の大腿骨と左の脛骨を拾ったことになる。
良く辺りを探せば、他の骨があったであろう。

尚、脛骨の膝関節部分がはっきり残っているので、
Fig.4 脛骨の膝関節面  ①:伸筋溝、②:脛骨粗面

①の伸筋溝(長趾伸筋、第三腓骨筋の腱が走る)が②の脛骨粗面の左にあることからも、
左の脛骨であることが判る。

さぁー、晴れてきたので、拾ってきた糞を洗うことにしよう。

2016年6月19日日曜日

続)丹沢実習   cont. The Tanzawa training

ピーク525を過ぎてからM.Hさんを先頭にして尾根を北方へどんどん進む。
途中からシカ柵に沿って下る。
下は、GPSの軌跡だ。山道に入るところからスイッチを入れた。
その途中にこのキヨスミウツボがあったのだ。
キヨスミというは房総半島にある東大演習林の清澄山で発見されたからだ。
余りにも日差しが強いので、清川隧道のトンネル内でお昼にする。
Y.Matushimaさんがクガビルを見つけてくる。
何と、このクガビルを両性爬虫類が大好きなT君が欲しいと云うのだ。
ペットとして飼いたいようだ。
ビニール袋に草などを容れて大事にザックに収めた。
しかし、キバビル・クガビルどちらの名前が正しいの?それとも両者は別もの?
お昼を食べ終え、出発だ!
涼しいトンネル内をモモジロコウモリが飛び回る中を進む。
再び眩しい程の日向に出る。
エビガライチゴだ!
道路際に斜面の水が溜まっているところでイモリを探すが、イモリはもう産卵を終えて山の斜面の枯れ葉の中に移動したようだ。
女子たちがトカゲの子供やナナフシを捕まえ可愛い可愛いと喜んでいる。
もう一つの水貯まりをみたが、やはりイモリはいない。が、オタマジャクシの大群がいた。
そのオタマジャクシを食べにきたヤマカガシの子供が水面を泳いでいる。
オタマはテンやイタチも食べる。
ハタチガ沢林道に入り。暑い中を林道を歩く。
ネムノキが蕾をつけている。
おー!ヤマボウシがまだ咲いている。
ホタルブクロも!
ヨウシュヤマゴボウの蕾だ!
こちらは、マルミノヤマゴボウだ!
キリの木が果実をつけていた。
テン糞だ!サクランボの糞だ!
これもサクランボのテン糞が雨で洗われたのだ。
うん?これは!サクランボのハクビシン糞だ!
ハタチガ沢の河原を見下ろして採食しているシカたちの姿を見ようと思ったが、
元気よく声を出しながら、ガードレールを棒で叩いて歩くから
シカたちは逃げ隠れてしまったようだ。
林道終点で20分の休憩とする。
ぼくは、仰向けになって眠る。日陰は涼しい。
林道終点から北西に下りてきている尾根を南東に向けて登る。
再び、汗だくだ!
宮ケ瀬尾根を越えて、今度は、南東の走る尾根をジグザクに下って堤川林道に着く。
途中のスギ林にもクマ剥ぎの痕が!
水場で、顔を洗い、冷たい水を汲み飲む。
バス停前で皆、ヒル採りだ!血を吸ってパンパンに膨らんだヒルを潰し、塩攻め、火攻めにする。
ぼくは靴下は飽和食塩水を染み込ませたのに、右足が血だらけとなっていた。
4時ちょっと前のバスに悠々間に合う。

2016年6月18日土曜日

ヒルだらけ丹沢実習 The Tanzawa training in full of leech.

昨日は専門学校の丹沢実習だった。
ヒルまみれとなり、始めはここにもいるここにもいると喜んで採集していた学生たちも
途中からはキャーキャー言いながら足元を見ながらの山歩きだった。
土山峠から湖岸道路を行き、宮ケ瀬尾根のピーク525に登り、そこから清川トンネルに向かい、
清川トンネルをでて、ハタチガ沢林道を歩き、詰めて再び宮ケ瀬尾根に登って堤川林道に出て土山峠に出てくるルートをとった。

クマノミズキの花が咲き始めていた。
 ヤマグリの花は終わりかけだ。
イヌシデの果穂が下がる。
道標の所から山道に入る。もう、ここからはヒルだらけ。
ラン科のツチアケビの花が咲きかかっている。
オ!イグチ科のヤマドリタケだ!皆が写真を撮っているので採ってこれなかった。
何故か、まだウブ毛も生えてない雛鳥が落ちている。
目もまだ閉じている。お腹はパンパンに膨れている。
早く成長したカッコウなどの托卵したヒナに巣から押し出されたのだろう。
おー!ベニタケ科のチシオハツタケだ!これと同じ科のドクベニタケは区別がつき難いが、
ドクベニタケは噛んでみると苦い。が、2種類とも食べて旨い。
もちろん、6、7個ゲットした。帰宅してから袋を開けてみるとベニタケ科のキノコの特徴として
ボロボロに砕けていた。残念!でも、連れ合いが綺麗に枯れ葉を取り除いてくれた。
宮ケ瀬尾根のピーク525に着き道標の前で記念写真!
何枚もシャッターを切ったのだが、皆、少しブレている。
道標に顔が隠れているも!
暑さでバテタM.Hさんも元気が出たようだ。
それでも、彼女に「男たちは皆強いから疲れたら彼らにオンブしてもらえ!」と云ったら、
男たちは、「ぼくはガリガリ、痩せ男、ぼくはブクブク、デブ男!」などと冗談を云う。
写真を撮って、出発しようとしたら、キクラゲ科のアラゲキクラゲだ!
もちろん、ゲット!
梅雨に入ってこの日は暑かった。
ヒルが蠢く季節でもあり、キノコの季節に入ったともいえる。
この後、尾根を北上して下り、清川トンネルへ。
次回に回します。


2016年6月17日金曜日

丹沢実習:寄生植物  Parasite plant

今日はヒルがいっぱいだ!今日はヒルが目的だ!
ハマウツボ科のキヨスミウツボPhacellanthus tubiflorusという寄生植物があった。アジサイ科の根に寄生しているようだ。ぼくは丹沢で初めて出会った。

2016年6月16日木曜日

上腕骨比較:ヒミズ、トガリネズミ、ジネズミ、ハタネズミ  The comparison of Humerus:srew-mole, shrew, dsinezumi-shrew, and grass-vole.

トガリネズミ目Soricomorphaモグラ科Talpidaeのモグラ亜科Talpinaeとヒミズ亜科Scalopinaeの上腕骨の比較では、大きさと形状において大きな違いがあった。
では、同じトガリネズミ目の動物たちではどうかなと思い標本を調べた。

下の写真で判るようにヒミズとオオアシトガリネズミでは形状は良く似ているがヒミズの方がトガリネズミよりも一回り大きい。
しかし、オオアシトガリネズミとジネズミでは形状も長さも異なる。両者は同じトガリネズミ科Soricidaeで、属の違いだけである。ジネズミの上腕骨は他のトガリネズミ目のものよりもハタネズミのものに形状が似ている。
つまり、トガリネズミ科のオオアシトガリネズミの上腕骨はヒミズ型だが、ジネズミは齧歯目型(これはイヌやサルのような他の哺乳類の一般的な形)だ!
オオアシトガリネズミはヒミズのように地面と腐葉層の間を動き回るが、
ジネズミは地表面をハタネズミやアカネズミたちのように動き回っていることが判る。
だから、ジネズミは田舎の家屋内でウロチョロしていることがあるんだ!
Fig.1  後ろから見た上腕骨Humerus 左からヒミズUrotrichus talpoides、オオアシトガリネズミSorex unguiculatus、ジネズミCrocidura dsinezumi、ハタネズミMicrotus montebelli

Fig.2 前から見た上腕骨、左からヒミズ、トガリネズミ、ジネズミ、ハタネズミ

脊椎動物、否、哺乳類各種の骨格の各パーツは非常に良く似ている。相似形だ。
指骨から始まって、前肢の橈骨、尺骨、上腕骨、尺骨、椎骨の各部分、下肢の腓骨、脛骨、大腿骨
は頭骨とは比べ物にならないほどよく似ている。
頭骨は食べ物によって形状が違っていた(拙著「頭骨コレクション」)が手足の骨の違いは大差ないと思っていた。しかし、このところ骨を眺める時間が増えると違いが見えてきたが、
その違いが生活の仕方や歩き方なのか、何によるものか良く判らなかった。
今回、ヒミズやオオアシトガリネズミ、ジネズミの上腕骨を比べて、ヒミズとオオアシトガリネズミは科が異なるのに同じような形状をしていることで、生活空間、生息場所の違いが上腕骨に表れていることを知った。
Fig.2のハタネズミの上腕骨ではヨットの帆のように三角筋粗面が大きく張り出ている。しかし、他の動物では張り出しは小さいなど、見ていくと様々な違いが目に留まり始めている。

2016年6月15日水曜日

花の蜜の思い出! The memory of the nectar!

梅雨空の中 庭のナツツバキStewartia pseudocamelliaの花が咲いている。
写真を撮っていて、こんなにも雄蕊がたくさんあって葯に黄土色の花粉がたくさんついているから、
真っ白の花弁が強調されるんだ。
雄蕊の部分を拡大してみた。
テンやハクビシンが花芯を食べた時の糞を水洗いすると、この花粉の黄土色の水になる。
それは、ツバキの花でも、ミズキの花食いでもそうだ。
そんな花芯食いをして鼻面が花粉の黄土色に染まったテンを見てみたいものだ。
あ!サルは見たことがあるか! 
たくさんの雄蕊の中央に雌蕊がある。
この雌蕊の柱頭は5つ?に分かれている。それらに花粉が着くと花粉管が伸びて子房に達して種子が作られることになる。
その子房のさらに下の部分に密腺がある。
その密を吸うためにチョウやアリやヒヨドリまでやってくる。
サルやテンもその密がお目当てなのだ。
ぼくも子供頃は花という花のもぎ取って密を吸ったり、花にやってくるアブの腹部をもぎ取って
ハチミツ色をした小さな透明を袋を口に含んで、アブが採集した密を舐めたものだ。
甘い物に飢えていたんだ!
このようなことをしたこたがありますか?

2016年6月14日火曜日

アズマモグラとヒミズの上腕骨の大きさ比べ The size comparison of humeru between small Japanese mole and Japanese shrew mole.

モグラやヒミズの上腕骨は下顎骨や歯と同じように固いので、フクロウのペリットや
食肉目の糞の中にでもある程度の部分を残して出てくる。
歯の大きさや形を知ると、種を同定する大きな武器となるが、さらにこれらの骨の
大きさや形状を知ることは現場でもすぐ大体の見当をつけることができる。

トガリネズミ目モグラ科のアズマモグラとヒミズの上腕骨の大きさを比べた。
アズマモグラMogera imiizumii(上)とヒミズUrotrichus talpoides(下)の上腕骨Hurmerusを
したの写真に乗せた。
左が右の上腕骨で、右が左上腕骨だ。つまり、正面から見た状態で撮った。
上の状態では、見てすぐ上腕骨の長さであるとか幅?太さが分かりづらいので、
アズマモグラの上腕骨を縦に並べた。
アズマモグラの長さは15mmで、ヒミズは10mmだ。
幅?はアズマは10mmなのに、ヒミズは5mm以下だ。

裏(後ろ)から見たアズマモグラとヒミズの上腕骨も乗せた。
尚、同じトガリネズミ目トガリネズミ科ジネズミ属の上腕骨は、齧歯目ネズミ科のものと形状においては大きな違いがない。それは、つまり、イヌやサルともほぼ同じ形であるということだ。
まー、これらジネズミやヒミズ、アカネズミの上腕骨も並べて比較してみたい。

ここで気になり始めたのはイルカやアザラシなどの海で生活する哺乳類の肩甲骨だ。
イルカやアザラシではモグラ型ではないのだろうか?
それは、モグラのように親指を下にして平泳ぎするからだ。どうだろう?


動物たちは今サクランボを食べている。   Carnivora eat cherry, now.

10日の塩水林道・丹沢山・円山木ノ頭・弁天尾根のルートで、
見つけた食肉目(テン、アナグマ、ハクビシン)の糞
Fig.1. 歩いたルートのGPSの軌跡と糞の位置(拡大した図は一番下に)

7:32、 テン糞①
塩水林道のコンクリートの真ん中にあった。生々しい状態だ。
ヤマザクラ果実・種子・果皮・果肉
7:33、古い テン糞②
テン糞①より2メートルくらい離れた沢側の路肩の石の上に、古く雨に洗われている。
ヒミズ右下顎骨部分・第三臼歯・毛、羽毛・軸、骨片、ミズキ蕾・果柄
ミズキの果柄が5個ありと蕾があった。5月中頃の糞のようだ。
こんな古い糞でも水洗いすると花粉が溶け出た黄土色の水となった。
ヒミズもテンに食べられている!
10:10、ハクビシン糞①
ヤマザクラ果実・果皮果肉・種子、単子葉植物
これだけ多量の単子葉植物が糞と一緒に排泄されたのを見たことがない。
これだけ多量だと、きっと腸も綺麗に整腸されたことだろう。
11:33、テン糞③
オオシマザクラ果実・種子・果皮
オオシマザクラの大きな種子であった。
 12:14、ハクビシン糞②
オオシマザクラ果実
これもオオシマザクラの果実がたくさんまとまってある。
12:35、 テン糞④
ウワミズザクラ果実、鳥毛・骨片、膜翅目翅・脚・腹部
ウワミズザクラの種子だった。種皮に皺がなくつるつるして尖っている。
12:45、アナグマ糞
オオシマザクラ果実・種子、植物砕片
この糞を水洗いした途端、水の色が黒紫色になった。オオシマザクラのサクランボを食べたものだったが、黒紫色の水になったので、ヤマグワの果実も含まれているかなっと思ったがヤマグワの種子は無かった。
アナグマ糞は、腐葉が混じるので黒紫色になるのかもしれない。
12:51、テン糞⑤
小哺乳類毛・指骨を含む骨片、昆虫腹部脚外翅、
この小哺乳類がなんなのか不明だ。
14:20、テン糞⑥
ヤマザクラ果実・種子

Fig.2 GPSの軌跡と見つけた食肉目の糞の位置
①~⑥:テン糞の位置、①②:ハクビシン糞の位置、〇:アナグマ糞の位置