アカネズミApodemus speciosusの右上顎骨の臼歯である。
左から第一臼歯m1、第二臼歯m2、第三臼歯m3である。
歯根が何本あるかわかるだろうか?
全て3本づつだ。
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光って半透明な物は木工ボンドである。
上の三本の臼歯を抜いた跡にそれぞれ歯根が治まる穴がある。
アカネズミの左上顎骨の臼歯の咬面である。
今度は、右下顎の三本の臼歯である。
左からm1、m2、m3である。
見てのとおり第三臼歯m3は非常に小さく咬面は1ミリである。
ピンセットで摘まんではじいてしまい、探すのに大変だった。
これらの歯根はどれも2本しかない。
上の3本の歯根がおさまっていた穴が明らかだ。
下顎の臼歯の咬面を見ると、「アレー、これは!
4月27日にアップした「この歯は誰の歯?、、、」
の最後の臼歯の咬面をアップした左上の歯に似ている。
しかも「この歯は誰の歯?、、、」でアップした臼歯の歯根はどれも2本だった。
すると、4月27日アップしたテン糞2から出てきた歯や骨はアカネズミなのか?
でも、テン糞2の臼歯はこのアカネズミの下顎の臼歯にくらべるとひと回り小さいし、
尺骨や橈骨は比べものにならないくらい小さい。
アカネズミのコドモだったのかな?
アカネズミの上顎の臼歯は3本の根があり、下顎の臼歯は2本しかないことが分かった。
でも、これは一例だけだ。もう2、3個体アカネズミの死骸を見つけなくては、でも大変なことだ。
bluetittitさんに感謝しなくては、彼女のコメントがなければ木工ボンドで固定した臼歯を水を浸けて柔らかくし、引っ張り出してみようとは思わなかった。
最後に、このアカネズミの頭骨標本を作ったばかりのころの側面からの写真です。
切歯が黒褐色になっていますが、
今は上顎は薄い赤褐色に、下顎は薄い黒褐色に変色しております。
色は変色するので判断基準としては適さないのかもしれませんネ。
カヤネズミに関しては、4月17日の「カヤネズミだった!」でアップした
臼歯の様子があるので、もっとしっかり臼歯が並んだ標本が手に入ったら紹介させてもらいます。
ちなみにラット(ドブネズミ)の臼歯の歯根を見ました。上顎も下顎も3本以上あり、抜くには相当無理しなければならないので止めました。