「特定秘密保護法反対」

「特定秘密保護法」、「集団的自衛権」に反対します。憲法第9条をしっかり守りましょう。教育勅語の教材活用は間違いだ!

自由であっても、他人の生まれ、身体、性別、年齢、故郷、風習、宗教、民族、国を差別する、小馬鹿にする、冒涜するのは許されない。

原発不要・核廃絶


2019年12月12日木曜日

脛骨と腓骨③ Tibia and fibula of Mouse

 マウスを含む日本産の齧歯目(リス科は除く)多くのネズミの腓骨と脛骨もウサギのように足首の方で癒合・合体する(図1~4)。
図1.マウスMus musculusの側面からの脛骨tと腓骨f

図2.マウスの斜め右後方からの脛骨tと腓骨f
アカネズミの脛骨と腓骨も足首の方(↓)でしっかり合体している。
図3.アカネズApodemus speciosusミの右の脛骨tと腓骨f
アカネズミ、ハタネズミ、カヤネズミと齧歯目ネズミ科の脛骨と腓骨との状態を見比べてみた。ハタネズミの腓骨は途中で折れて紛失しているが、アカネズミと同じようにしっかり足首の方で合体している。しかし、カヤネズミは????。
図4.右からアカネズミApodemus speciosus、ハタネズミMicrotus montebelli、カヤネズミMicromys minutusの脛骨tと腓骨f
ハタネズミの腓骨f↓が折れて紛失

図4の左のカヤネズミの脛骨を腓骨を拡大した図5では、脛骨tと腓骨fが矢印(→、←)の箇所で癒合・合体しているが、足首や膝の両端の方では離れている。これはどういうことなのだろうか?さらに、この→、←の位置は脛骨の半分くらいの位置である。アカネズミやハタネズミはカヤネズミよりももっと足首に近いところで癒合・合体している。
図5.カヤネズミMicromys minutusの脛骨tと腓骨f

最後の丹沢実習  Last Tanzawa Outdoor Exercise

昨日は最後の丹沢実習だったが、大チョンボだった。伊勢原駅北口で8時20分発の七沢行のバスを待っていた。下りるのは広沢寺温泉入り口だ。バスが来たので乗った。しかし、乗ったのが15分発の日向薬師行きだった。温泉入口と案内が出たので慌ててボタンを押して下りた。そこから、大変な行軍が始まった。しかし、広沢寺温泉に現地集合していたN君が車で我々を運んでくれた。またも、N君に助けられた。
広沢寺温泉に向かって歩く卒業生のA.Sさんら 
後ろはN君に連絡している学生たち

9:10 大山がすぐそこにある

 何と、スマホでN君に我々の位置情報と教えて、難なくN君は我々のところにやってきた。スマホの凄さを改めて知る。それを使いこなす学生たちに脱帽だ!ガラ系からスマホに変えようと強く思う。
広沢寺温泉口のコンビニで皆は待っていた。そこから、予定を大変更して歩く。二の足林道のゲートを過ぎてから林道左側から斜面を登り尾根を登る。この登りで、ぼくはもう限界だ。へとへとである。
鐘ヶ嶽から山神隧道の上を通ってくる道との出合付近で50分のお昼とする。中高年の登山者が一人登ってくる。大沢分岐・梅ノ木尾根・坊中と歩くらしい。15時半には着くつもりのようだ。
 12:30 早めのお昼を終わって降りてくる学生たち

VサインのUさん

12:48 鐘ヶ嶽との鞍部で小休憩

 
13:41 浅間神社着 ガスっていて新宿・横浜は見えず

15:13 無事下りて来た
今回は浅間神社からKさんにいくつものテン糞を見つけてもらった。感謝だ。さらに、タヌキのタメ糞があり、皆に持って行かせることができた。糞分析でどんなモノが入っているか楽しみだ!

2019年12月10日火曜日

テンと違って、サルはサルナシの果肉ばかりでなく果皮までも消化・吸収している。  Unlike marten, macaques digest and absorb not only pulp of arguta but also pericarp.

5日の鐘ヶ岳歩きでテン糞9個にサル糞1個を拾ってきた。そのサル糞は半月くらい前の古いもので、表面が白っぽくなり、割ると中はまだ黒ぽい。洗うと萌黄色に水が濁り細かな植物繊維が0.5ミリメッシュの隙間から流れ出た。茶漉しに残ったのは僅かな細かな繊維とサルナシの種子であった。
8:14 古いサル糞
内容物:サルナシ種子、果肉・果皮の細かな繊維
サル糞ではサルナシの果肉や果皮は細かな繊維になっているので、果肉の多くは消化吸収され、果皮も消化吸収されているっと考えられる。
サル糞の状態は、テンがサルナシを食べた場合と糞の内容物の様子が大きく異なる。サルは果肉はかなり消化できて吸収し、果皮までもかなり分解消化しているようだ。テン糞では果皮はもちろんのこと果肉まで大半がそのままであるのと比べると大違いだ。
サルもテンも雑食だが、テンは植物の果実を年中利用しているが、サルに比べると果実の消化力は遠く及ばない。
テンが果実を食べるようになったのはかなり新しい時代になってからのようだ。それが何万年くらい前からなのか知りたいものだ。

2019年12月9日月曜日

テン糞9個の内容物  The contents in nine feces of martens.

5日に広沢寺温泉無料駐車場から浅間神社の参道を登って鐘ヶ嶽に行き、そこから南西の尾根を下って山神トンネルの上を通り、らくらくルートを下って二の足林道を下ってきた。GPS上では8.9キロで4時間だった。
図1.歩いたルートと拾ったテン糞①~⑨の位置
拾ってきた糞を庭の水道栓で洗った。風は冷たいが、水道水は温かく感じた。始めは今日は寒いから半分だけにしようと思ったが、水が冷たくなく手もかじかまないのでサル糞含む10個の糞を洗った。
8:03 テン糞1
内容物:羽毛、ヒサカキ種子・果肉果皮
洗うと水が綺麗な青紫色に変わる。
8:31 テン糞2
内容物:サルナシ種子・果肉果皮、ムカデ、直翅目脚・胸部外骨格、砂泥
8:40 テン糞3
内容物:ムクノキ種子・果肉果皮
ムクノキ種子の周りに果肉の繊維がついていて剥がす。ムクノキの種子は大きい。
8:42 テン糞4
内容物:ヒサカキ種子・果肉果皮
ヒサカキの果実を食べた糞は水に浸けると青紫色に染まる。

テン糞4までは浅間神社の参道で見つけたものだが、テン糞5からは山神隧道を過ぎて二の足林道の新大平橋付近から見つけたものだ。

10:46 テン糞5
内容物:ヒサカキ種子・果肉果皮
10:50 テン糞6
内容物:マタタビ果肉付き種子・果肉付き果皮 
マタタビは種子の周りに薄い膜が取り巻き、洗ってもなかなか取れない(前回アップ)。
10:52 テン糞7
内容物:エノキ種子・果肉・果皮、サルナシ種子・果肉・果皮
エゾエノキかな?っと思って鈴木庸夫他著「草木の種子と果実」誠文堂新光社の写真っと手持ちの標本でエノキの種子とエゾエノキの種子を見比べる。
10:54 テン糞8
内容物:ムクノキ種子・果肉果皮
10:55 テン糞9
内容物:エノキ種子・果肉果皮

今回は久しぶりにテン糞を多く拾えた。娘が見つけてくれたからだ。ムクノキの大きな果実(中には大きな種子が1個)、エノキの縦腺が入った種子、水に浸けただけで青紫色になるヒサカキの果実食いの糞、そしてマタタビの洗って揉んでもなかなか取れない種子の周りの薄い膜。

2019年12月8日日曜日

脛骨と腓骨② Tibia and Fibula of Leporid

ぼくらサルの仲間では脛骨と腓骨は別々の骨である。
脛骨と腓骨が半分融合・合体しているウサギの仲間を見よう。図1~4は奄美野生生物保護センターの資料室?にあるPentalagus furnessiアマミノクロウサギの骨格標本である。2011年3月にセンターの吉田明美さんが撮り、送ってくれたものだ。
 脛骨tと腓骨fが脛(スネ)の途中で分かれているように見える。
図1.アマミノクロウサギPentalagus furnessの骨格標本(写真は吉田明美さんより)f:腓骨 t:脛骨
図2を見ると脛骨から腓骨が途中で分離しているようにも見えるし、脛骨と腓骨が足首の方から癒合・合体し途中から分かれているようにも見える。
図2.
 図3は右斜め後方から見たものだが、これを見ると腓骨が足首の方から癒合・合体しているが、膝の方は癒合・合体していないようだ。
図3.
 前から拡大して見ると、腓骨は脛骨の足首の方で癒合・合体しているが、途中からはしっかり腓骨は脛骨を分離している。
図4.
図5は丹沢で拾ったノウサギLepus brachyurusの脛骨と腓骨である。足首の方で癒合・合体し途中から離れているのが良く判る。
図5.ノウサギLepus brachyurusの脛骨と腓骨 上:左  下:右
つまり、ウサギの仲間の脛骨と腓骨は足首の方から癒合してしまったのだ。しかし、腓骨はちゃんとその存在を示している。

2019年12月7日土曜日

テン糞から出るサルナシとマタタビの種子の違い The differences of seeds between arguta and silver vine in marten's feces.

5日の鐘ヶ嶽への山歩きで拾ったテン糞9個の内、1個からマタタビの果実を食べた糞(テン糞)があった。テンが果実を食べると柔らかいヤマグワの実でもその果皮や果肉を消化・吸収できずに果実をそのまま糞として排泄されることが多い。
晩夏からテンはサルナシの果実食いが盛んになるが、種子や果皮はもちろんのこと果肉も消化されないで、まるでサルナシの実を潰しただけのような状態で排泄される。そんな場合でもサルナシの種子の周りには果肉がまったくついていない。
今まで、テン糞の内容物に含まれていたサルナシ種子・果肉・果皮としていた中で、もしかしたらマタタビの果実を食べた糞もサルナシとしていたかな?っと一抹の不安があった。それは、サルナシとマタタビの種子の形状が良く似ているからである。
しかし、今回、確実にマタタビの果実を食べたと思われる糞を拾った。その糞を洗っても種子の周りの薄い膜が剥がれない(図1)。サルナシの場合は糞として出てきた時から種子だけである(図2)。
図2の種子では、右上のサルナシとマタタビを一目瞭然に区別ができる。形状が似ていても、大きさが違う。マタタビの種子はサルナシの半分くらいだ。更に、糞として排泄された時はサルナシの種子は薄い膜で覆われていない。今まで、サルナシと同定してきていた事には間違いは無いと思う。
洗うと見た目の果肉付き果皮だけではサルナシかマタタビの区別は難しいが、種子は大きく異なる。
図1.マタタビの薄い透明の膜で覆われた種子
但し、右上の2個は膜と取り除いた。

図2.右上の赤線で囲ったのはサルナシの種子、緑線で囲ったのは薄い膜を取り除いたマタタビの種子

2019年12月5日木曜日

ミーアキャット Meerkat

先日、3時間目の授業終わって帰ろうとしたら、入り口の踊り場のところで飼育の2年女子のAさんがミーアキャットSuricata suricattaを日光浴させている。そして教務のFさんが写真を撮っている。ぼくも割り込んでスマホで撮ろうとするが、使い方をまだ完全に知っているわけではないので撮れるような状況になるまで時間が掛かる。
ようやく、画面を右手でタッチして撮る。でも、撮れたかどうか分からないので、フォルダのアルバムを見て確かめる。手間取る。
ミーアキャットは、哺乳類でも珍しい一夫一妻制の性関係の集団生活者だ。優位な♂と優位な♀がペアーになり、ペアーの大きな子どもたちがヘルパーとなってペアーの目が閉じた晩成性の子どもたちの面倒をみる協同繁殖をすることで報告されている。ペアーの♂は子を守る。集団生活者なので、Animal Welfare&Enrichmentの面からも是非とも先ずは♂♀のペアーで飼ってもらいたい。
この立ち姿を見ているとミーアキャットの大孔は頭骨の真後ろではなく、下にあるのではないかと思ってしまう。頸椎・胸椎が真っ直ぐで、まるでニホンザルのような立ち姿である。

娘との山歩き  Trekking with my daughter.

 今日、何十年振りかで娘と山歩きした。娘の方から山へ行きたいが今度いつ行くか?っと訊くので早速行ってきたのだ。
娘は殆んど山を歩いていないので、やさしい仏果山にしようか?見城山・日向山にしようか?鐘ヶ嶽にしようか?迷ったが、広沢寺温泉の無料駐車場にはトイレがあるので、来週丹沢実習で行く鐘ヶ嶽にした。
サネカズラ(ビナンカズラ)の赤い実
この黒い実が判らない。どなたか教えて下さい。
7:17 階段がある浅間神社の鳥居があるところから出発だ。ぼくはストックを出して一歩一歩登る。娘は細いからスイスイだ。どうしてこうも歩き方が違うのかと今さらながら自分の年齢からくる身体の重さ・硬さや足腰の筋肉の強さ、柔軟さの事を考えながら喘ぐようにして登る。
ゲートを越えてから山道の参道だ。
なだらかになったところで、「上杉公内室の墓」の道標のところで停まり、一度も墓へ行ったことがないので、行くことにする。歩いて1分くらいで山側にそのお墓があった。
7:48 上杉公内室の墓
7:51 参道の左側にある内室の墓への道標
動物糞を見つけたら教えて!と云うと直ぐにこれは?っとテン糞を見つけてくれる。
8:03 テン糞 今朝のものだ!
それから、古いサル糞を見つけてくれる。すると、何かを見つけたらしいが、「黒い人が走って登って行った!」、「最近は山を走る人が多くなった。トレイルランだ!」と云う。が、人ではなく動物だったかもしれないと云う。え?動物と人の区別くらいできるだろう。っと云ったら大きな動物いるだろうか?と云うからカモシカだな!っと応える。あ!また、糞だ!っと云って糞を教えてくれたが、ちょっと古いカモシカ糞だ!
カモシカ、シカ、ノウサギなどの草食動物の糞は植物繊維なので判らないので拾わないことを話す。
8:14 古いサル糞だが、拾った。
8:17 古いカモシカ糞
それから、テン糞2、3、4と見つけてくれる。このところ糞を見つけられなく成ったのはぼくの目が悪い(メガネが合っていない)せいなのかな?っと思い始める。教えてもらってもぼくには判らないのだ!
8:31 テン糞2 
8:40 テン糞3
 
8:42 テン糞4
8:53 長い階段を登る
9:10に浅間神社に着き、横浜・新宿方面を眺めながら朝食とする。ガスストーブでお湯を沸かし、熱くて甘いココアを飲みながら、ぼくはアメリカンドックを食べ、娘はサンドイッチを食べる、20分くらい朝食休憩し、参拝して鐘ヶ嶽に登り、二人で写真を撮り、すぐ下山。寒いのだ!
9:37 鐘ヶ岳山頂で
山神隧道の方に下りて行くと、犬を連れた登山者が一人登ってきた。鞍部に下りて、らくらくルートの杉林の中の山道を下り、二の足林道の舗装道路に出て、山神隧道を通って歩いていると、ぼくらの二人連れのような老男と若い娘が話しながら登ってきた。ゲートの前には3台車が止まっていた。さらに車が2台登ってきた、途中で老夫婦の登山者と単独行の男性も登ってきた。
その後テン糞は5、6、7、8,9を拾うことができた。最近、糞を拾えなくなっているのはやはりメガネが合っていないせいか?山用のガラスレンズ、車運転用、パソコン・読書用と三つのメガネを使い分けているが、山用が合わなくなってきているんだ。
11:11 駐車場に着く。駐車場には車がいっぱい停まっていた。

2019年12月3日火曜日

脛骨と腓骨、橈骨と尺骨①  Tibia and fibula, Radius and ulna

今年の秋は雨空が多く、山に行きにくくなっているためだろう。このところ骨を眺める時間が多くなった。先日、学生たちと科博の常設展の恐竜や哺乳類の骨格を見て来たので、以前の大哺乳類展で見てき骨を撮ってきた写真を見ているが、一番残念なのは、このよう展示物には手に取って裏返したりして見る事ができないことだ。だから、靴を履いていて足の裏が痒いのに掻けないもどかしさがあるのに似ている。
さて、下のゴリラの骨格写真は2010年5月の上野の科学博物館の大哺乳類展の展示である。
上腕骨からは親指側の骨として太い橈骨があり小指側には尺骨がある。同じように大腿骨からは足の親指側に太い脛骨があり、小指側に接する腓骨がある。
手には橈骨と尺骨、足には脛骨と腓骨があるから、ぼくらは手の平を下に向けてパソコンのキーボードを打ったり、手の平を上にして賞状を受け取ったりできるのだ。また、足先を付けて踵を開いたり、踵と付けて足を広げたりもできるのだ。
図1.ゴリラの骨格(2010年5月、科博の大哺乳類展で)
f:fibula腓骨、t:tibia脛骨、u:ulna尺骨、r:radius橈骨
哺乳類では、海で生活するイルカやクジラの仲間から陸上で生活するゾウやキリンまでつまり前足を使う動物では全て橈骨や尺骨があるが、イルカやクジラになると大腿骨や脛骨・腓骨が退化して無くなり、魚の体形になる。しかし、アザラシやオットセイでは前足(鰭)も後足もあるので、脛骨はもちろん腓骨もある。
しかし、陸上を四つ足で歩き回っている哺乳類でも、後足の骨に腓骨が退化して消失しかかっているものや脛骨と腓骨が合体して腓骨が無いものまでいる。それらはどのような動物たちか見て行こう!

2019年12月2日月曜日

晩秋にテンが食べている物  The foods which marten eats in the late autumn.

11月30日に広沢寺温泉無料駐車場から歩いたルートで見つけたテン糞①、②、③の位置(図1)。約5時間半かかって、GPS上の歩いた距離は10.3キロであった。
図1.二の足林道・山神隧道・見晴台B・大沢林道とテン糞の位置
図2.①テン糞1
内容物:サルナシ果肉付き果皮・種子
図2.②テン糞2
内容物:植物質(果皮付き果肉)多数、直翅目産卵管、膜翅目翅・頭部・腹部・肢多数、ハグロケバエ幼虫4匹
図3.③テン糞3
内容物:サルナシ果肉付き果皮・種子

テン糞②からは久し振りにハグロケバエの幼虫が出て来た。ハグロケバエの幼虫は山の斜面の地表に集団で見られる(図4)ので、テンやタヌキ、アナグマにとっては大御馳走だ。でも4匹しか出てこなかった。テン糞①、③はサルナシを食べたものだった。
図4.ハグロケバエの幼虫(2014年10月17日梅ノ木尾根で)