「特定秘密保護法反対」

「特定秘密保護法」、「集団的自衛権」に反対します。憲法第9条をしっかり守りましょう。教育勅語の教材活用は間違いだ!

自由であっても、他人の生まれ、身体、性別、年齢、故郷、風習、宗教、民族、国を差別する、小馬鹿にする、冒涜するのは許されない。

原発不要・核廃絶


2012年11月22日木曜日

恥骨結合  Pubic symphysis of mammals

このところ、頭骨よりも骨格の脊椎や骨盤などを見ることが多い。
これはハタチガワ林道沿いで見つけたウリボウの恥骨結合だ。
もちろんウリボウでは恥骨どころか腸骨と恥骨、坐骨も融合していないので、
木工ボンドで貼りあわせている。
これは下北半島のカモシカだ。
年齢も性別も不明だががっちり結合している。 
これは丹沢のシカだ。
カモシカと同じようにがっちり結合している。
③ 
これはクロ(愛犬雑種オス)だ。
14歳で死んだせいか、がっちり恥骨結合している。 
これは丹沢のタヌキだ。
これもしっかり恥骨結合している。 
下の三つ⑥、⑦、⑧は房総半島のニホンザルだ。
木工ボンドでとめた。 
これもl木工ボンドで貼りあわせた。 
これも貼りあわせた。と云っても他の動物たちのように恥骨部分がしっかり噛み合わない。
ヒトの解剖学が本をみると、ヒトの恥骨結合面は、サルのように左右の恥骨間に隙間があり、
左右の恥骨結合面が硝子軟骨おおわれ、繊維軟骨性の恥骨間円板(椎間板に似る)が形成されることによって左右が結合するようだ。
 
サルたちの恥骨結合面の左右が合わないのは、この間にヒトと同じように
恥骨間円板が形成されているのだろう。
これは、昨年暮れにisa隊員からもらった丹沢のタヌキのメスだ。
だが、恥骨結合していないので、貼りあわせた。
このタヌキで分るように、左右の恥骨結合面はその間に恥骨間円板の軟骨が
入り込む隙間が無いかのように見える。
 事実、カモシカ、シカ、クロ、さらにはしっかり結合している⑤タヌキの結合部分の隆起した
骨の部分は、左右の頭頂骨が結合した部分の矢状隆起(しじょうりゅうき)に似る
 
サルを除くシカ、カモシカ、タヌキ、イヌは左右の恥骨間の角度(黄色)が狭い、
特に、タヌキ、イヌと比べると明らかだ。
サルは坐骨につく尻ダコによって座ることができる。そのことがイヌやタヌキのような四足動物とは違って、左右の恥骨間の角度を狭くしたのだろう。
その狭さのため、メスザルはアカンボウを産むのがイヌやタヌキより面倒なのかな?
 
明日は久しぶりの一泊二日の1、2年生合同の専門学校の丹沢実習だ。
もう、寒いし、予定は雨だし、気合を入れていかないとダメだ!

2012年11月21日水曜日

2種類のネズミを食べたキツネ A fox ate two species of Murinae

15日のゴジラ尾根・鍋嵐・ハタチガ沢林道の続き:
まだ、拾ってきたテン糞は未処理であるが、
18日の「テンはタヌキより温かい所が好き」とアップした地図上で、
県道上で黄色で不明とした糞。
黒く、毛が混じっているのが判る。
2日間も水に浸けておいたのに崩れない。
ピンセットでほぐすと毛だらけだ。洗面器状の大きな入れ物に移し、
棒で突いたりしながら毛をほぐした。
ほぐれた毛だけをすくい取るようにして毛玉をほぐしては毛だけを取り除いた。
大きな器の底に固形物がわずかに残った。
それらを茶漉しの移して、乾かしたのが下のABCの歯や骨である。
ネズミ亜目の動物であること9が、Aの歯で判る。
Aの囲いの中は、切歯や臼歯や臼歯を含む上顎骨や下顎骨だ。
Bの部分の下は寛骨の坐骨と恥骨と腸骨が丁度縫合した股関節に当たる部分だ。Bの左中央は大腿骨の一部であり、右中央は上腕骨の肘に当たる部分だ。
Cの部分は頭骨の破片だ。
 
Aの上の部分の切歯を拡大して見ると、
切歯が全部で大小合わせて7本ある。
大の部分の下は左下顎の切歯であり、上は左右の上顎の切歯である。
これはアカネズミのものである。
小の部分は上下の判断が難しい。
どうも子どものネズミの切歯である。
臼歯の部分をよく見ると、下の黄色の線で囲った部分の臼歯は非常に小さい。
是非、クリックして拡大して黄色線で囲った臼歯と他の臼歯を見比べてください。 
手持ちのアカネズミの歯や骨で比較した。
この線で囲ったものや小さい切歯、さらには大腿骨、寛骨、上腕骨の部分は、
アカネズミのものを二回りくらい小さくしたものだ。
 
この小さなネズミは幼体ではなく、臼歯の歯根もしっかりしているのだ、
カヤネズミの標本は持っていないが、カヤネズミの可能性が高い。
 
見た時は同定できなかった糞は、キツネの糞であり、アカネズミとカヤネズミ?を食べたようだ。
 
 
 


メトロポリタン美術館展 Masterpieces from the Metropolitan Museum of Art

昨日、連れ合いと上野駅公園口の改札を出ないところで、待ち合わせ。
駅構内で軽食を食べ。
東京都美術館に行ってきた。久しぶりの美術館だ。
公園口から出ると人がたくさん歩いている。
ここには、上野動物園、国立西洋美術館、国立科学博物館、東京国立博物館、
法隆寺宝物館、東京都美術館、上野の森美術館などがある。

お目当てはチケットのゴッホの「糸杉」だった。
平日なのに混んでいた。
この絵は大きな絵ではないが、他を圧倒するような色合いと力強さにあふれていた。
この絵に会ったのは2度目である。
アフリカからの帰路にNYに寄った時に見てきた。
美術館にいたのは2時間半くらいだ。
しかし、何故か博物館とか美術館で展示物を見ると、足腰が疲れて座りたくなる。
 
帰路、上野の森は秋の装いであった。
 
 
 
 
 
 


2012年11月20日火曜日

不作の年!タヌキは早くもキブシの実を食べてる!A sterile year! Racoon dog have alreadey eaten the fruits of Kibushi (Stachyurus praecox)

 
9月15日の鍋嵐の続き:タヌキの糞の内容物
タヌキ糞〇1~〇2とは18日(日)にアップした地図内の凡例〇1~〇4です。
 
タヌキ糞〇1 8時02分:
キブシ種子少々、サルナシ種子少々、サワガニ脚片多数、節足動物外骨格・脚
タヌキ糞〇2 8時42分:
キブシ種子多数、サルナシ種子24個、マメガキ種子2個、サワガニ脚片少々、
タヌキ糞〇3 11時05分:
キブシ種子多数、サルナシ1個分の果肉付き果皮と種子少々、節足動物の脚1本 
タヌキ糞〇4 12時46分:
キブシ種子多数、サルナシ種子16個、カマドウマ脚片、サワガニ脚片
 
4個のタヌキ糞は、別々のタヌキの家族のものだと思うが、どれにもキブシの種子が入っており、〇1を除いた糞では多数のキブシの種子が入っており、どれにもサルナシの種子が入っていた。
さらに、〇3を除いた糞ではどれにもサワガニの脚片が入っていた。
 
今年は、山の樹木の秋の実生りが少ないようだ。
キブシは例年通りの実生りなのだろうか?
オオウラジロの木の実も不作だが、ウラジロやアズキナシの実はどうなのだろうか?
ブナ科のドングリ類は?
これだも今年は異常にクマが山から出てきていることと、関連しているかな?
 
しかし、タヌキはキブシの実をどうやって食べている。サルナシも少ないながら食べているということは既に果実が落下しているということだろう。
テン糞を見ているだけでは秋の実生りの状態が解らなかった。
 
 

2012年11月19日月曜日

偶蹄類の足と足跡 The footprints and hoofs of cloven-hoofed mammals

11月15日の続き、帰路の林道で:
ハタチガサワに掛る橋と中津川に掛る橋との間の林道は、舗装されていない。
ここには、雨が降った後の地面の上に、シカやカモシカの足跡などがある事が多い。
そこに、これぞ教科書通りのイノシシの足跡だ!と云うものがあった。
これは、大きいので前足かな?右側の蹄が大きいので右側かな?
クリック拡大
完全なイノシシの足跡というのは、第三指と四指の蹄の後ろに
副蹄である第二指と四指の蹄がしっかり跡が残っているからだ。
シカやカモシカはこのような地面を歩いても、副蹄の痕が着かない。
イノシシは主蹄と副蹄がシカやカモシカのように離れていないのだ。
下は、イノシシの前足を並べて撮ったものだ。
主蹄(第3指、第4指)のすぐ後ろに副蹄(第指と第5指)が見える。

これが、カモシカやシカだとこんなに副蹄(2、5)が接近してくっ付いていない。
下はカモシカの後ろ足だが、前足も同じようなものだ。
これは、シカの後ろ足 
カモシカやシカの場合は積雪量が3センチくらいあると副帝の跡が着くが、
ハッキリしない。
シカの方がカモシカよりも主蹄と副蹄が接近していることが解る。
 


2012年11月18日日曜日

テンはタヌキより温かい所が好き? Marten's habitat is lower than racoon dog's?

15日にYさん、S君と歩いたコースで見つけた動物たちの糞とリスの食堂:
地図上の凡例に示したように、
赤丸はタヌキ糞があった場所、緑はテン糞、ピンクはサル糞である。
タヌキ糞は標高400m~700mで見つけているが、ゴジラ尾根をハタチガサワに掛る橋の付け根から歩いていれば400m以下でも見つけることができたであろう。
タヌキのタメ糞は斜面や沢沿いよりも尾根上にあることが多い。
これら4ヶ所で見つけたタヌキ糞はいくつの家族のタメ糞だろうか?これらの地点は、歩くと必ずその場所に新たな糞があるところでもある。
④のサル糞
テンの場合は、尾根や斜面や沢沿いでも彼らの糞を見つけることができる。特に、広々としたような場所の一段高いところにあることが多い。
今回は、いずれも標高500m以下の地点で見つけている。標高が低い①や、尾根上でも②でもサルナシを食べた糞であった。
①のテン糞
②のテン糞 
タヌキ糞の内容物はまだ調べていないが、タヌキとテンの生息する標高の違いは、
意味がある違いなのだろうか?偶然のものなのだろうか?この時季の特徴なのだろうか?
サルナシはこの一帯では標高に関わらず生えている。

2012年11月17日土曜日

動物たちの日周活動  Mammals' Daily Activity

11月15日鍋嵐の帰路、ハタチガサワ林道で、
お昼頃に排泄したと思われる新しいサル糞があった。
「丹沢サル観察し隊」のYさんが最初に見つけた。
林道沢側の路肩にするのはサルの行動の大きな特徴でもある。
何故か、見晴しの良い路肩で休息して移動する時に排泄行為をするのだ。
が、テンはあまりこのような沢側の路肩のような場所するのは稀だ。
屈むとサル糞特有のニオイだ。
え?ここに一個だけ、小さいのがあるなんて!
写真を撮っているときは、今年の夏頃にでも群れから出た3、4歳のチビオスのサルのものだろう。
単独で歩き回っていたのだと考えた。
 
林道のこの辺りにはテン糞が次々に見つかる。
慶應のS君もYさんもテン糞をたくさん見つけてくれる。
先を歩いていた彼らが、「フクダさ~ん、また、サル糞!」と声を上げている。
上の糞を水洗いしたもの。
サルナシの種子と果皮だ。それだけだ!
テン糞の写真を撮っては記録紙を糞と一緒に小袋に中に容れ、それらをまとめて
ニオイの漏れない菓子袋に容れながら、彼らに教えてもらった糞を見つける。
また、同じサルナシの種子が入っているサル糞だ。
裏返すと裏はまだ黄緑色だ。
まだ、排泄されて2、3時間しか経っていない。
この糞を見ても、まだ群れが通過したとは考えなかった。
先ほどのチビオスも含むワカモノのオスグル―プがこの林道を移動したのだと思った。
柔らかい。指でつまんでビニールの袋に容れる。 
洗うとサルナシを食べたことが解る。クリック拡大
中津川に掛る橋の上にはもうたくさんの糞だ。
もう、この時には、オスグループではなくて群れが御殿森ノ頭の方からやってきて
中津川に掛る橋を渡って、次にはハタチガワ沢に掛る橋を渡って、
ハタチガサワ林道を歩いたことが解る。
この糞を最後にもう糞は採集しない。
それは、サルは群れ生活なので、同じ食物を次々にほぼ同時に食べるからだ。
この糞の表面にもサルナシの種子が出ているのが解る。 
洗うともうちろん、サルナシの種子だけがたくさん混じっている。
他の種子はない。
橋の端にも。 
橋を渡る前にも、、、、これは大きい。
接近しているオトナオスか群れのボスのかもしれない。 
ある。 
ある。サル糞は水分の多いものを食べる、今の時季に糞はこのような形状となる。
これば、1時間以内なら食べた葉や果実の皮の色などが糞の表面にでる。
これから、次第に黒っぽくなり、それでも割ると中身はまだ緑色をしている。
さらに古くならうと茶褐色になる。 
50頭前後の群れが移動したと考えた。
 
ぼくらが中津川にかかる橋を渡った後に、サルたちが朝の採食を終えて、移動してきたのだ。
なんと、橋の上には更に新しいテン糞もあった。
今の季節の野生動物たちは、朝の活動時間は8時過ぎか9時頃の
温かくなってからなのかも知れない。
テン、タヌキ、アナグマ、シカなどの日周活動はどのようになっているのだろう。
そのようなDaily Activityはどのようになっているのだろう。
論文か総説でもあったら読んでみたい。

2012年11月16日金曜日

鍋嵐行きでたくさんの糞! Got many scats!

昨日は、朝6時に駅前で「丹沢サル観察し隊」のYさんを乗っけ
慶應藤沢湘南校舎前でぼくの授業を聴講しているS君を拾い、鍋嵐に行ってきた。
車をaの隅に置き、bの橋を渡ってcの経路の階段があるところからゴジラ尾根に取り付いた。
そのcの登り口にメスジカの頭骨だけが転がっていた。
尾根は風が強いかなと思ったが、この日は風が無く穏やかだった。
サルナシを食べた見事なテン糞である。
タヌキ糞だ。これにもサルナシの種子が見える。 
このゴジラ尾根の細尾根に一本あるオオウラジロノの木の実である。
今年は何だか非常に少ない。例年なら、足の踏み場もないほどたくさん落ちている。 
この看板、GPS軌跡の下の地図では、dの地点だ。
鍋嵐まで半分きたことになる。
この場は広いので、それまでゴジラ尾根の細尾根だったのでホットする。
ここを過ぎると再び細尾根となる。
Jピークの手前でスカイツリーが見える。
天気が良いので、宮ヶ瀬尾根の猿ヶ島、仏果山の左に見えた。
さー、ここから一登りでJピークだ。 
Jピーク(下の地図でe地点)で記念撮影だ。
ここから僕が立っている背側方面への急斜面を降りる。
何年か前に来たときは、この急斜面を降りることができず。
引き返したこともあった。
鍋嵐である。「ナベワラシ」と書いた板がしっかり縛られていた。
7時半にbの橋を渡って、10時20分に鍋嵐だ。
動物糞を採集したり、秋の景色を楽しみながら歩いてや3時間の行程だ。
当初はここでお昼の予定だったが、早いので記念写真を撮ったり、大山や蛭ヶ岳や本間ノ頭の位置を確認したりして、少しここにいて、fの熊ノ爪に向けて出発だ。
今年もリスのテーブルがあるピークはエビフライがたくさんある。
日曜日に専門学校のチャレンジキャンパスがあるので、高校生にあげようとエビフライを拾う。
fの熊ノ爪を過ぎてシカ柵に沿って下って行き、「不思議なミズキ」の場所を過ぎて、
gのポイントがちょっと間違えやすい。左がわの急峻が細尾根を下るのだ。
この細尾根は宮ヶ瀬尾根の猿ヶ島へと続く。
hの手前で登りとなり、登り切ったところが広々としたh地点だ。
ここは堤川林道終点とハタチガワ沢林道終点の出合いの地点でもある。
ハタチガワ沢林道へ下る方が早い。しかし、バスに乗るなら堤川林道だ。
堤川林道を下った先に土山峠のバス停がある。
陽が当たって気持ちの良い林道では、たくさんのイタチ糞、テン糞があった。
また、宮ヶ瀬尾根の方から林道に巨大が石が転がり落ちていた。
道路の真ん中にクレーター状の窪みがあり、ガードレールで石は停まったのだ。
さらにサル糞を見つけ、久しぶりのサル糞に喜んでいたら、
fの橋の上には、サルがカマキリの卵塊の中の卵を食べた痕のものがあった。
さらにさらに、bの橋の上には行きには無かったテン糞やサル糞を見つけた。
見事なサル糞がたくさん橋にあった。
サルたちは御殿森ノ頭方面から渡ってきたことがわかった。
これらの大きな見事な糞は、発情した群れのメスを求めてやって群れ外オスのものか、ボスザルのものだろう。
そう、サルたちは発情の季節に突入している。
サルたちの顔も尻の性皮もスカーレット色に染まっているだろう。
あー、そんなサルたちを追いかけて観察したい。 
ぼくにとっては大変充実した鍋嵐行であった。