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2024年3月21日木曜日

鼻骨の長さは嗅覚と関係ある?       Is the length of the nasal bone related to the sense of smell?

沈丁花の花の香りが好きだ。花の良い香りに浸ると気分まで良くなる。これからスイカズラの花も香りを放つ。動物たちも沈丁花の香りが好きだろうか?動物たちもヒトも鼻腔の上部にある嗅上皮によって匂い物質を感知する。アフリカゾウがイヌの倍以上も匂いを嗅ぎ分ける能力を持ち、ヒトはゾウの1/5以下であることが、2014年に東京大学の東原化学感覚プロジェクトチームによって明らかにされたhttps://www.jst.go.jp/pr/announce/20140723/index.html。

アフリカゾウの♂が数キロも離れている所の発情♀の匂いを感知して♀を探し出す事や、ブタが地中にある高級キノコの一種トリュフを匂いで探し当てる事、警察犬はその匂い感知能力に優れている事、カンボジアの地雷撤去でアフリカオニネズミが地雷を嗅覚で見つけ出すのに使われている事は、知られている。

さて、上述した東大チームでは調べた動物たちの嗅覚受容体遺伝子の数を数字と図で表している(図1)。

図1.13種の有胎盤類ゲノム中に存在する嗅覚受容体遺伝子の数
(クリックすると図が拡大され数字を読めます)
実際に働いている遺伝子(図1の赤い部分)の数の多い順に主だった動物を並べると、アフリカゾウ、ラット、ウシ、ウマ、イヌ、ウサギ、ヒトとなる。ヒトを含むサルの仲間はイヌの半分も鼻が効かない。その点、ラットはイヌの1.5倍近く鼻が効く。
図2.鼻骨の長さ比較 :鼻骨上端 
左からラットRuttus norvegicus、ニホンカモシカCapricorunis crispus、イヌCanis familiaris、カイウサギOryctolagus cuniculus、ニホンザルMacaca fuscata
図2は手持ちの動物たちの頭骨の中で占める鼻骨の長さを示す(一応、図1の遺伝子の多い順に並べる)。これを見るとカイウサギが最も鼻骨が長く、次にラット、カモシカ、イヌの順になり、ニホンザルは最も短い。同じ様に、アフリカゾウの頭骨は重すぎて拾って来られなかったので、コンゴ民主共和国のカフジビエガ国立公園で密猟で殺されたゾウの頭骨をアップする(図3)。肉は食べられ、牙(第一切歯)は前顎骨を壊されて抜かれている。見ても判る通り、ゾウの鼻骨は外鼻孔の奥に少しあるだけだ。鼻骨の長さ・大きさでは嗅覚は比較できない。
図3.アフリカゾウの頭骨
:鼻骨 in:前顎骨 fr:前頭骨 pa:頭頂骨
しかし、サルの仲間は視覚の動物のため、嗅覚は酷く衰えて、鼻骨もチコっと着いているだけだ。では、視覚で獲物を捕らえているネコと嗅覚で獲物を探して食べているタヌキの鼻骨の長さを比べる(図4)。ネコの鼻骨はタヌキの長さの半分にも及ばない。鼻骨の長さは嗅覚に少しは関連しているのだろうか?
図4.ネコCanis catus(左)とタヌキNyctereutes procyonoides(右)の鼻骨の長さ比較

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