先日、 CFさんが「みやがせ道」で見つけた頭骨が添付ファイルで送られてきた。しかし、その頭骨は前頭骨部分から前が欠落したものであり、CFさんが撮ったものも後頭顆から見たものであった。山中で見つける偶蹄類の頭骨は、歯や角を含む頭骨の全体がいつもあるわけではなく、多くは頭骨の一部である。今回は丹沢に生息する偶蹄類の頭骨の後頭骨部分が残っていた場合にそこから種を同定する手掛かりをアップする。
図1. イノシシの頭骨 後ろから
イノシシの後頭鱗は縦長である。さらに、左右の頚静脈突起はシカ、カモシカに比べてはるかに長い。図2. シカの頭骨 後ろから
シカの後頭鱗はイノシシに比べると横長であり、中央が隆起している(外後頭稜)。更に、項稜の中央が少し下がり突出している(外後頭隆起)。図3. カモシカの頭骨 後ろから
カモシカの後頭鱗の形状はシカに類似して、外後頭隆起があり外後頭稜が明らかでである。ただ、シカの大孔の背側がU字状に凹んでいるがカモシカではV字状の凹みである。
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