2024年11月23日土曜日

雑食のネズミ亜科と植物食のハタネズミ亜科のネズミの歯の表面の色                  The surface tooth color of omnivore Murinae and phytophagous Arvicolinae          

ヌートリアの切歯前面の赤褐色についてアップしたが、この赤褐色はヌートリアの切歯前面のエナメル質に鉄分の含まれていることからなるもので、臼歯の黒っぽい汚れはヌートリアが食べる植物の化学物質による二次的なものであった。日本に生息のネズミ科には雑食のアカネズミなどのネズミ亜科と植物食のスミスネズミなどのハタネズミ亜科が生息している。イノシシやブタ、あるいはノウサギやカイウサギの歯の表面に見られたように、ネズミ亜科の動物とハタネズミ亜科の動物の食性の違いによる歯の表面の汚れはあるだろうか?

図1. アカネズミApodemus speciosusの頭骨
図2.スミスネズミEothenomys smithiiの頭骨
アカネズミもスミスネズミの切歯前面や臼歯の表面が褐色に染まっている(図1&2)。アカネズミは雑食だが、植物食の方が多いことが判る。雑食であっても、動かない(逃げない)植物の方が食物として摂取することが多いのは理解できる。

アカネズミの切歯を見てちょっと驚いた。正面から撮ったアカネズミの切歯前面は明らかに黒く染まっている(図3)。これは、ヌートリアを始めは黒ずんでいたのだ(https://tanzawapithecus.blogspot.com/2024/11/the-color-change-in-incisor-of.html)
図3.アカネズミA.speciosusの頭骨正面から(2009年1月)
その後、ヌートリアの切歯前面は赤褐色に変わった。同じ様にアカネズミの切歯の前面も赤褐色に変わっている(図4)。しかし、面白い事にヌートリアでは下顎切歯が赤褐色になり、上顎は白茶けた事だ。アカネズミで下が白茶けて上の切歯は褐色になっている。同じ齧歯目でも上下の切歯の前面のエナメル質に含まれる鉄分の割合が違うのだ。
図4.アカネズミの頭骨正面から(2024年5月)

兵庫県知事選ではSNSにネット業者が斉藤知事を応援していたようだ。イイネがたくさん出る訳だ。

2024年11月22日金曜日

イノシシとブタの歯の表面比較             The compare of tooth surfaces between wildpig and pig

 野生のイノシシはヒトと同じ雑食性でほぼ食べられる物は何でも食べる。しかし、野外では、イノシシが有り付けるのはせいぜい木の実や新芽、葉、枝、根などの樹皮や、腐葉が積もったところにいる土壌動物と云われるミミズや節足動物である。タケノコや木から落ちたカキの実やドングリなどを漁ることができるのはほんの短い期間だけだ。シカやウサギなどの死肉を見つけることは不可能に近い。専ら、イノシシは土壌動物漁りと木や草の根を掘り起こして生きている。

イノシシの歯は茶渋で汚れたようになっている(図1)。これはどうしても植物を摂取しなければならない事によるだろう。

図1.富津市のイノシシ♂
一方、同じ雑食でもブタは飼育されているため、植物質の物は取るが樹皮や木の葉などは直接食べないだろう。そのためにブタの歯はイノシシのように汚れはしない(図2、但しイノシシとブタとの雑種のイノブタ)。

図2.富津市のイノブタ♂

米国次期大統領は関税を高くする公約した。米国内に同じ物品を生産しているならば、米国民は関税が高くかけられた商品よりも自国の安い製品を買うことができる。しかし、物品が生産していなければ高くなった物を買うことになる。米国内の一次、二次産業は衰退している。結局、米国民は関税が高くかけられた物を買わざるを得ない、、、、、とぼくは心配している。

2024年11月21日木曜日

教え子が亡くなった!

 昨日、喪中葉書を一枚受け取った。それは、専門学校の教え子の死を知らせるものだった。4年生の大学を出てから専門学校へきた女子であった。癌で入退院を繰り返しているのは、賀状で知っていた。しかし、今の癌なら治療法が進んでいるので治るだろうと思っていた。だから、一瞬誰が亡くなったのか判らなかった。喪中葉書の左には、住所の横に彼女の連れ合いと子供たちの名が書かれていた。

教えているとウマが合うクラスとそうでないクラスがあるものだが、彼女たちのクラスとはウマが合い授業も実習も楽しかった。

年上の者たちが逝った事を耳にしても「そうか!」くらいでそんなに驚かないが、年下、しかも教え子の死を知ることはこんなにも驚き、悲しいものだとは思わなかった。

下は彼女のクラスの丹沢実習や千葉実習の写真だ。彼女を偲んでアップする。41歳の余りにも若い死である。

高畑山山頂で
高后山山頂で
唐沢川の河原で

ノウサギとカイウサギの歯の表面 The tooth surfaces of hare and rabbit

 ウサギも植物食だ。しかし、ノウサギの歯は茶褐色に染まっている(図1)が、カイウサギの歯は少し茶褐色だが白い(図2)。たまたまこの両者の違いなのか、他の手持ちのノウサギやカイウサギの頭骨をみた。ノウサギでは切歯の方も黒褐色に染まっていたものがあったが、カイウサギで真っ白のものがあった。真っ白の歯をもつ2個体はラビットフードを与えられて実験動物として飼われていた。ヨーロッパの屋外で生活しているカイウサギの原種アナウサギの歯は黒ずんでいるだろう。

図1.東丹沢伊勢沢林道のノウサギLepus brachyurus左側面から
図2.釧路ふたば幼稚園で飼われていたカイウサギOryctolagus cuniculus
スーパーから出るキャベツや白菜などの切れ端をもらって与えていたようだ。園児たちが園内外のクローバーやタンポポも与えていた。
図3.実験動物として飼われていたカイウサギ
このように同じ植物食であっても野外のノウサギと飼育下のカイウサギでは食べる物が違うので歯が染まらない場合もあるのだ。
それは、野生のイノシシと飼育されているブタにも現れている。これは次回にアップ。

2024年11月20日水曜日

カモシカとシカの歯の表面も         And the tooth surfaces of serow and deer

カモシカとシカも植物食だ、どちらかと云うとカモシカは木の葉を食べ、シカは草を食べるが大きな違いがない。
図1と図2のカモシカとシカの歯(前臼歯と臼歯)を見るとどちらも表面が黒ずんで汚れている。明らかに、植物に含まれるカロチンやタンニンなどの化学物質に依るものだ。
図1.カモシカCapricornis cripus頭骨左側面から
図2.シカCervus nippon頭骨左側面から

もちろん、最近、房総半島で野荒しをしているキョンも歯が茶褐色になっている(図3)。

図3.キョンMuntiacus veevesiの頭骨左側面から
2005年11月陝西省双廟子保護区支所で

植物食の動物にはノウサギとカイウサギがいる。彼らの歯はどうかな?

2024年11月19日火曜日

散歩で見た食用菊やイシミカワの果実 Edible chrysanthemum flowers and Ishimikawa fruits seen on a walk

土曜日の午前中に散歩した。
途中の垣根に絡まっている今までに見た事あるようなタデ科の蔓性植物を見つけた。葉柄と蔓に付いている小さな棘からタデ科だと思った。撮った写真をそのままGoogleの画像検索したら、一発でイシミカワだと出た。
しかし、どうして今までこのノブドウのような果実がなる蔓に気が付かなかったのだろう。しかし、家の周りの散歩でもおもしろい物に出会うものだ。
図1.イシミカワPersicaris perfoliata
畑に植えられている食用菊を見つけた。今が盛りと咲いている。この菊の花の酢の物が大好きだ。こんなに咲いていると花を一つずつ小麦粉を少し塗して天麩羅にしても旨そうだ。
図2.食用菊
我が家の野生菊はようやく蕾膨らんで白い花弁が見えている。友人宅から貰った黄色い菊もまだ蕾だ。

この日は午後3時頃から知人夫婦と友人から送られてきたジョニーウォーカーの緑ラベル15年ものを飲んだ。何と、こちらは途中で寝込んでしまった。しかし、二日酔いはしないが、日、月といつもの夕食前のウィスキーを飲むのを止めた。健全な身体の反応だ。嬉しい。

しかし、不思議だ!兵庫県知事選だ。県の内部告発者が自殺までしているのだ。そのようなパワハラがあった知事が再選されたのだ。

2024年11月18日月曜日

木の葉を食べるアカコロブスと雑食のサバンナモンキーの歯の色        The teeth color in folivore red colobusu and omnivore savanna monkey

ヌートリアの切歯前面の赤褐色は前面のエナメル質に鉄分が含まれていることだが、臼歯の周りの黒ずみは食べた植物の化学物質のせいだ。アフリカのサル、アカコロブルスとサバンナモンキーの歯の汚れ・黒ずみを比較した。このサバンナモンキーはトウモロコシ畑を荒らしていて撃たれた個体だ。アバンナモンキーは雑食性だ。このアカコロブスはマハレ山塊国立公園で干からびた死骸として拾ったものだ。アカコロブスは葉食性のサルだ。両者の歯の黒ずみを見ると、アカコロブスの歯は全て黒ずんだ染みがついている(図1&2)。
図1.正面からサバンナモンキーCercopithecus aethiops(左)とアカコロブスProcolobus badius(右)
図2.側面からのサバンナモンキー(左)とアカコロブス(右)

サバンナモンキーの歯も少し茶褐色に汚れているが、アカコロブス程ではない。アカコロブスの食べる葉に含まれる化学物質によって歯がこんなにも茶渋がついたように黒ずむのだ。

2024年11月16日土曜日

ヌートリアの切歯と臼歯の色          The color of incisor and molor in nutria/coypu

ヌートリアの切歯の色素沈着の色の変化を前回お知らせした。今回は、植物食によって切歯の表面が赤褐色になるのは、正面だけであり、側面や裏側は色の沈着は上、下の切歯とも見られない(図1)。面白い事に臼歯(前1)4本の咬面を除く周りが全て黒ずんでいる(図1)。この黒ずんでいる部分は歯肉から出ている部分だ。
図1.ヌートリア頭蓋骨左側面から
切歯の赤褐色は上・下の切歯とも側面・裏面は無い
しかし、切歯正面の赤褐色は歯肉どころか骨の方まで入り込んでいる(図2)。
図2.ヌートリア頭蓋骨正面(左)と下顎切歯
これはどういう事だろうか?ヌートリアの切歯前面のエナメル質は鉄分が含まれるために、酸化して赤褐色になるようだが、上顎の切歯のように白くなったのは?また、骨の中に入っている切歯の前面まで赤褐色になるのは?どのような原因に基づくのだろう。
臼歯の周りの黒ずみは食べた植物のカテキンかタンニンなどの化学物質のせいだろう。つまり、湯飲みの内側につく茶渋のようなものだと云う事が判ります。

午前中に5200歩ほど散歩してきた。51分も歩いたので、部屋に入りたくない程身体が暑くなった。

2024年11月15日金曜日

ヌートリアの切歯の色の変化          The color change in incisor of nutria/coypu

ヌートリアの切歯の表面の色が黒色から赤褐色に変化している。
久しぶりにPCに保存した骨の写真を整理していたら、ヌートリアの切歯の表面の色が黒色から赤褐色に変わっているのに気がついた。
図1と図2のヌートリアは同一個体である。このヌートリアは2006年に岡山県高梁市の水田を荒らすために農家の人によって撲殺された。その死体をM.Tさんが送ってくれたので、頭部を水に浸けて腐らし、晒骨したものが図1のものだ。写真は2007年6月に撮った。その時の切歯の色は黒っぽく、上顎の切歯は黒く染まった部分が少し剥げて白っぽくなっている。しかい、下顎の切歯は真っ黒だ。
図1.ヌートリア頭骨正面 2007年6月
図2.ヌートリア頭骨正面 2024年5月
しかし、2024年5月に撮った写真では、上顎の切歯は白茶けており、下顎の切歯は赤褐色になっている。ADWでMyocastor coypusをみると上下とも赤褐色をしている。https://animaldiversity.org/accounts/Myocastor_coypus/specimens/

何でも答えてくれるエンジンのGensparkに「ヌートリアの切歯の色が変わる原因は?」と問うたところ、ハッキリした答えが無かった。第一、どうも多くのヌートリアの切歯は上下とも赤褐色で、それは植物食が原因のようだ。色が黒から赤褐色になったり、白っぽくなるのは化学的な変化だろう。

しかし、どうしてウサギやサルの切歯も赤褐色に染まらないのだろう。

2024年11月13日水曜日

友人からウィスキーをもらう I gave whiskey from a friend

友人YNからJohnnieWalkerのGreenLabelの15年ものが送られてきた。驚きだ!YNは寝る前にこのスコッチを飲んでいて旨いと云う。こちらは、サントリー角かBallantine's、偶にバーボンのJackDaniel'sだと云う。50年前にベルギー帰りの故J.Burtonさんから貰ったOldParrの味が忘れられない。年1回くらいOldParrを飲むがあの頃の旨さが感じられない。ぼくの懐具合と丁度合っているのが、角かバランタインだと伝えたところ、YNからJWのグリーンラベルを送ると来た。イヤー、ありがとう!その気持ちだけで十分だと伝えていたのだ。
まだ、飲んではいない。今夜飲もうと思う。ぼくは角の2.7リットルとバランタイン1リットルを1ヶ月くらいで飲むので、700mlのこれは15年ものだからチビリチビリ飲もう。それとも酒友達を誘って楽しむかな?

昨日は久しぶりに3千歩ちかく歩いた。途中で左足が痺れるような違和感が出てきたので、早めに切り上げた。もう無理しない。

2024年11月7日木曜日

フェイジョア Feijoa

いつも野菜をもらう知人から、柿とフェイジョアをもらった。フェイジョアを早速そのまま丸かじりしてみた。ん?この味どこかで一度食べたことがある味だ。皮ごとヘタを除いて全部食べた。皮とその周り5,6ミリはナシのような感じで固く、中身は柔らかくゼリー状で1,2ミリの種子が入っている。まだ完熟していないのか種子は肌色で一緒に食べてしまった。フェイジョアは南米の南部が原産のようで、耐寒性もあるようだ。成る程、それで藤沢の北西部の畑でも柿の木と一緒に育てる事ができるんだ。
フェイジョア
衆議院選挙が終わり、米国大統領選挙も終わった。MLBも日本シリーズも終わった。が、闇バイト強盗事件が頻発していてTVは落ち着かない。

腰椎周辺の状態もかなり落ち着いてきた。歩けるようになったので床屋に行ってきた。また、坊主状の頭にし、ヒゲも落としてもらった。1400歩だった。明日は無理せず3000歩くらいは歩こう。

2024年11月5日火曜日

アナグマの頭骨はタヌキよりも性成熟後すぐに癒合・合体する   Badger's skull fuse and coalesce after sexual maturity than racoon-dog

アナグマの頭骨を7個持っている。タヌキの頭骨は30個以上持っている。それらの頭骨を見ていて気が付いた事がある。それは、アナグマの頭骨7個の内5個は鼻骨・前顎骨・上顎骨・頬骨・前頭骨・頭頂骨などの頭骨のそれぞれ隣り合う骨同士がしっかり癒合して一つの骨になっている。しかし、タヌキの頭骨ではそのように癒合したものは1個を除いては全ての頭骨の各骨は縫合線が判る(図1)。
図1.上から見たアナグマ(左)とタヌキ(右)の頭骨
アナグマの頭骨の縫合線は矢状縫合の部分が隆起していて、タヌキも少し隆起しているが、前顎骨と鼻骨、鼻骨や前頭骨同士は縫合線がはっきり分る。このアナグマは左右の下顎骨も癒合合体している。
どうもアナグマの頭骨はタヌキに比べて性成熟後すぐに前頭骨や上顎骨などの隣り合う骨同士が癒合合体するようだが、この頭骨の各骨の癒合合体はイタチ科に共通する。しかし、タヌキやキツネ、イヌなどのイヌ科では老齢化してようやく癒合合体する。しかし、鼻骨同士や鼻骨と前顎骨の縫合は癒合合体はしない。
図2.15歳を過ぎて逝ったクロ
左右の鼻骨や鼻骨と前顎骨は癒合・合体していない。
イタチ科の頭骨はイヌ科の頭骨よりもすぐに固まってしまうが、イヌ科の動物は老齢化しても鼻骨や前顎骨は合体しない。イヌ科の動物の方がイタチ科の動物よりも頭骨の柔軟性があるようだ。