2023年10月31日火曜日

アナグマの頭骨は硬い     Badger skulls are hard

 ぼくはアナグマの頭骨標本を6個もっている(図1)。6個の内、下段の右の2つの頭骨は、鼻骨と上顎骨、前顎骨、前頭骨が縫合しているが、癒合・合体していない。さらに涙骨も上顎骨や前頭骨、頬骨と癒合していない。頬骨弓の頬骨と側頭骨も癒合していない。しかし、上段3つと下段の左の4つの頭骨の各部分の骨は癒合・合体している。下段の右二つは鼻骨と他の骨の縫合状態が判る。

アナグマの頭骨のように、頭骨の全ての隣り合った骨が癒合・合体している頭骨は、手持ちの頭骨では、イタチ2/3の頭骨くらいなものである。他は、老齢化しても頬骨弓の頬骨と側頭骨が接する部分や鼻骨と他の周囲の骨とは縫合線がしっかり判り、癒合合体することはない。シカやカモシカでは左右の前頭骨が癒合・合体するくらいであり、多くは縫合線がしっかり判る。あるいは、同じ食肉目イヌ亜目のイヌ、タヌキ、キツネの頭骨はアナグマのように鼻骨を含む全ての骨が癒合合体しているものはない。

図1.アナグマMeles meles頭骨6個の上面からの比較
上下段の頭骨とも歯の摩耗状態や頭骨の癒合状態から左から年齢が高い個体、上段の頭骨は下段のものよりも年齢が高い。上段左の二つは下顎骨を顎関節から外す事ができない。上段右端は下顎骨が無い。

どうも、アナグマを含むイタチ科の動物たちの頭骨は他の科の動物たちに比べて性成熟を過ぎたら間も無く全ての頭骨の各部分の骨がしっかり癒合合体すると考えられる。それは恐らく、彼らの捕食の方法が、自分よりも大きな獲物動物に対して噛みついて離さないことに関係するのかも知れない。アナグマの場合は、シカなどの死肉から肉を引き千切る行動と結びついているのかも知れない。

2023年10月29日日曜日

シュウメイギク     Shumeigiku

庭にシュウメイギクが細々と咲いている。我が家の庭から消えてしまいそうであるが、毎年出てきて白い花を咲かせる。
図1.シュウメイギクAnemone hupehensis
今朝、知人のHMから奥多摩を歩いていて見つけた糞の同定を頼まれた。クマと云う事がありますかね?と下記の2枚写真が送られてきた。
図1
図2
皆さんは、どう思いますか?
しかし、こんなに一杯の果肉の無いギンナンがもったいない。
答えは、コメント欄に乗せました。

2023年10月28日土曜日

ちょっと不思議なアナグマの頭骨 Somewhat mysterious Badger skull

 5個のアナグマの頭骨の内3個はFull adultの個体の頭骨で鼻骨と前顎骨や上顎骨、前頭骨との縫合線は不明確だが、2個は明確に判り、さらに他の縫合線も明確だ。つまり2個はまだFull adultになっていない若い個体である。この若い二つの頭骨の頬骨を見ていて、アナグマの頬骨は他の食肉目の頬骨の形状とは違っていることに気が付いた。

タヌキ(図1)もカイネコ(図2)の頬骨も上顎骨と前半部の大部分を接し、最後に涙骨と接する。しかし、アナグマの頬骨は中頃の一部だけ上顎骨と接し、大きな眼窩下孔で上顎骨から離れ再び上顎骨や涙骨と接する(図4)。

図1.タヌキの頬骨Z上顎骨M、眼窩下孔Fi
図2.カイネコの頬骨Z上顎骨M、眼窩下孔Fi
図3.アナグマの頬骨は?
図4.アナグマの頬骨Zと上顎骨M眼窩下孔Fi
アナグマの頬骨がタヌキやカイネコと違っているのは、アナグマの眼窩下孔が大きいからであった。眼窩下孔は上顎骨にある孔であるので、これから齧歯目で眼窩下孔が眼窩のように大きいヌートリアの仲間の頬骨なども調べたい。

ロシアのウクライナ侵攻、イスラエルのパレスチナ人のガザ地区への侵攻によって多くの罪のない人々が死に苦しめられている。アメリカはイランの軍事施設を攻撃し始めた。皆、自分たちの正義を貫こうとしている。

2023年10月25日水曜日

野生生物探検隊のtake隊員が亡くなった!     Wildlife Expedition take member passed away!

 野生生物探検隊のk-ta隊員からメールがあった。

真鶴のtake隊員が9月に亡くなったと云うのだ。

take隊員は、釣り船の船長をし、さらに午後からは真鶴駅前で居酒屋をやっており、ブログ「湯河原・真鶴/野生生物探検隊」をアップしていたのだ。それが2月にアップしてからご無沙汰になっていたのだ。

彼と会って20年くらい経つ。ぼくがHP「福田史夫の世界」の中で、天昭山神社のサルの群れを追っていた仲間に奥湯河原でまたワイワイやろうとアップしたところ、take隊員から「その時は私を誘って!」と連絡をもらってから付き合い始めたのだ。以来、彼は「野生生物探検隊」なるものを作り、彼の友人の植物写真家夫婦のisa/k-ta隊員、植物をすぐ同定するやまぼうし隊員やその友人のsak隊員などを含め、年2回くらい、take隊員のフィールドである白銀林道を散策し(図1)、その後食事会を行っていたのだ(図2)。しかし、コロナ禍になってなかなか会う機会がなくなっていた。

図1.2018年11月 白銀林道で野生生物探検隊
右から三番目がtake隊員

図2.2018年3月 雑魚番屋での食事会で野生生物探検隊

take隊員はぼくよりも7つも下だったので、今年になって急に身体の自由が効かなくなったぼくとしては凄いショックだ!

彼を弔って今夕はしっかり呑もう!皆さま、お体を大切に!

2023年10月24日火曜日

クマに10メートル以内で遭った時の状況と注意    Situation when I encoutered a bear within 10 meters and Precautions

クマが市街地まで出て問題になっている。殺された人たちまでいる。クマに出会った時の対処の方法をぼくの経験を基づいて話したい。

先ず、全くこちらが意識しないで偶然にクマに遭った場合:木曽山地での出会い。実例1:木曽谷に面する斜面の昔の杣道の名残りだと思われる踏み分け道を友人Wと二人で歩いてサル調査をしてた時、上の方からガサっと動物が地面に落ちた小枝や枯れ葉を踏みしめる音がしたので、「サルか?」っと思って二人で斜面を見上げるクマが谷底に向かって鼻を突き出し匂いを嗅いでる。クマとの距離は直線で15メートルもない。ぼくらは息を凝らしてじっとクマを見上げている。当時のぼくらのサル調査では、首からカメラや双眼鏡を胸に下げ、腰にはナタを下げ、背にはザックを背負っていた。もし、クマが我々に近づいてきたらならナタで伐りつけようと構えていた。クマはぼくらの方にサッサッサッサと降りてきた。4,5メートル上の岩の上でとまり、ぼくらの方に鼻先を突き出して匂いを嗅いでいる。ぼくらは息を止めた状態でクマの動きを見ている。クマはぼくらの3,4メートル横を通り過ぎてクマは谷に下っていった。

この時クマに襲われなかったのは、ぼくらは息を止めたように動かずにクマを見つめるだけだったので、クマはぼくらの存在が判らなかった。(ぼくらはクマが見えるのにクマはぼくらが見えていない)

クマに遭った翌日、実例2:小雨が降り、ガスっていたので、サル調査は止めシイタケ狩りをすることにした。ぼくはシイタケがあったところに行った。小雨の中を「ンフン、ングゥ!」という後輩のMの咳払いが聞こえた。メガネは曇っているのとガスで良く見えない。Mはへビースモーカーで絶え間なく「ンフン、ングァー」と喉に絡まる痰が絡まるような咳払いをしていた。小雨ふる笹薮の7,8メートルの奥にMが屈みこんで咳払いをしながらシイタケを摘んでいると思った。ぼくは「オーイMか?Mか?」と声を出しながら歩いていった。目の前の黒い屈みこんでいるのはMではなくてクマだと判った(当時の雨合羽は半分ゴム製のようなものでゴワゴワしていた)。クマは相変わらず咳払いを続けている。ぼくは「オーイMか?Mか?」と云いながら後ずさった。っと間も無く遠方から「福田ぁー、サルだぞぉー」とKMが叫ぶ声が聞こえた。ぼくは声の方に急いだ。

この時クマに襲われなかったのはぼくが同じ調子で後ずさったことが良かった。(実例3の時に判った事だが、咳払いのようなクマの声は、クマの威嚇音であり、クマもぼくの接近を恐れ警戒したのだ。)

実例3:東丹沢のハタチガ沢を歩いている時だった。左にはハタチガ沢林道が走っている。右斜面の奥で「エヘン、ングワ」という咳払いが聞こえた。ぼくは、「上に道か何かがあり、山仕事の人たちがタバコを吸いながら休憩している」と思った。それで、咳払いがした方へ向かって登り始めた。と間も無く、真っ黒の固まりがぼくを目掛けて突進してきた。すぐ、「クマだ!」と思った。そこで、ぼくはいつも学生に注意している「クマに出遭った時の行動」を行った。「動くな、逃げるな、声出すな!」 ぼくは斜面の途中で立ち止まり、恐らく一瞬、意識を失っていたのだろう。気が付いたら、クマは見当たらなく、見上げたら木の上に2匹の子熊がいたので写真を撮った(図1)。

図1.木の幹からぼくを見る子熊2匹

子熊のいる木の奥で「グァー、エヘン」と云うような咳払いが聞こえてきた。沢から風が上がってきているのでクマはぼくの匂いを嗅いでいるのだ。小尾根を一つ巻いて遠回りしてコグマがいる木が見下ろせる場に来たが、クマの咳払いは聞こえなかった。

この時クマに襲われたが、ぼくが一瞬失神して、動かずにいたためクマはぼくの位置が判らなくなったのだろう。この時のクマの咳払いのような音声がクマの威嚇だと判った。クマもぼくも恐れていることを示している。そのため、一旦ぼくを攻撃したが、引き下がったのが正しいのかもしれない。

クマに遭うことを期待して歩いたのはこの1例だけだ:実例4:専門学校の学生たちは「ぼくらもクマに遭いたい」と云い始めた。それには①歩きながらお喋りしない。②靴音を立てないで歩く。を守らせた。谷太郎林道から不動沢と鳥屋待沢との間の尾根道を登って行った。416ピークから鞍部に下り、再び登り始めた時、5,6メートル先にクマの真っ黒い姿を見つけた。ぼくは写真に撮り(図2)、振り返って屈みこんで学生たちに「クマだ!」と小声で伝えた。学生たちは「先生、どこクマ?どこ?」と声を張り上げた。ぼくのすぐ後ろにいた学生Tがクマの写真を撮った(図3)。

図2.ぼくが撮ったクマ
図3.学生Takeshita君が撮ったクマ
が、クマは学生たちの声でとっとっとと上へ逃げてしまった。あのクマはあそこで何をしていたんだろうと近づくと今度は2頭の子熊がとっとっとと上へ走って行った。

ぼくらが襲われなかったのはクマが気が付いた時は学生たちの声で驚いて逃げたからだ。

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クマは目が悪いのでぼくらがクマが見えていても、クマはぼくらが動かなければ、あるいは音を出さなければクマはぼくらの位置が判らない。風がクマの方から流れていて、ぼくらの匂いや音が判らなければぼくらがクマと10メートルくらいで向かい合ってもクマはぼくらの存在が判らない。

だから、①クマに出遭って咳払いのような音声が聞こえたなら、静かにその場から離れることだ。前述したようにクマも怖がって咳払いのような警戒音を出しているからだ。また、②クマが知らずに近づいて鼻先を伸ばして匂いを嗅ぐ行動をしている時は、息を殺して動かない事だ。さらにクマは見えないので、静かに遠ざかる事だ。③もっとも悪いのはクマに出遭って声を出しながら走って逃げることだ。クマは静止している物は見えないが動くと動体視力でもって見えるからだ。

クマ避けの鈴やラジオは人の存在をクマに知らせるので、人を怖がらないクマにとっては鈴やラジオの音は逆効果を及ぼしかねない。

2023年10月23日月曜日

ギンナンの茶わん蒸し   Chawanmushi of ginkgo nuts

昨日二日ぶりに散歩した。ルートは神社と小学校の間の坂を下り、引地川沿いに出て橋を渡り川沿いの歩道を歩き、再び橋を渡って公園横の駅方面への歩道を登り、戻ってきた。3キロちょっとの行程を1時間ちかくかけて歩いた。
小学校と神社の間の道で、ギンナンを見つけた(図1)。ギンナンが大好きなので拾いたい。が、しゃがむ事ができないので、泣く泣く素通りせざるを得なかった。可哀そうに多くのギンナンが車に押しつぶされていた。
図1.ギンナン
橋を渡って川沿いを歩いていくと、ヒマワリのような大きな花に大きな青虫が一匹着いていた(図2)。この青虫は鱗翅目の蛾の幼虫であろうが、これから冬だ。蛹になって越冬するのかな?
図2.花に着く幼虫
帰宅すると、いつも野菜を持ってきてくれる知人のKKさんがギンナンを届けてくれた。綺麗に果肉を取り去ったギンナンをペンチで割ってくれている。そして10個づつ封筒に容れてくれている(図3)。こうやって前もって割っておくとレンジでチンしても爆発しない。その丁寧さにはいつも感心し頭が下がってしまう。
図3.貰ったギンナン
ヘルペスで脇腹が痛い連れ合いは、茶わん蒸しで食べたいと云うので、封筒のまま電子レンジでチンして、ギンナンの種皮を剥く。小鍋に水をコップ2杯くらい入れ、醤油、味醂、砂糖、塩、出汁の素を少々を入れて沸騰させ、すぐ冷まし、アルミのカップに冷蔵庫から卵を2個割って入れ、掻き回し、冷めた汁に容れて掻き混ぜる。大きなマグカップにギンナン、蒲鉾を薄く切り入れ、生シイタケも薄切りにして入れ、さらに1個のモチを割り切って入れる。それに、溶き卵と混ぜた出し汁をマグカップに注ぎ、一枚のほうれん草の葉を切って上に乗せ、サランラップでマグカップを覆う。蒸し器にマグカップを並べて蓋をし蒸す。10分くらいでOKだ。
実は、茶わん蒸しはアフリカでほぼ毎週作っていた。その時はドンブリのような大きな器の中に、サツマイモ、バナナ、タンガニーカの魚か鶏肉を容れ、干しシイタケと干しダガー(イワシに似た小魚)で取った出汁に醤油(インドネシア製)、砂糖、塩と溶き卵であった。この茶わん蒸し?とウガリ(キャッサバの粉を熱湯で溶いて餅状似したもの)が夕食であった。

2023年10月22日日曜日

恐ろしいクマ!    Scary bear!

タンザニアに居た時、スワヒリ語と英語で書かれた新聞があった。タンザニアは野生動物で有名な国立公園がいくつもある。それらの国立公園周辺の村々ではいつも野生動物による被害に悩まされている。テンボ(ゾウ)のグループによる農作物の被害ばかりでなく住居の被害も報告されていた。住居を襲われた住民たちがテンボを殺したりすると新聞に保護を訴える記事が載っていた。ぼくが、3年間滞在したタンガニーカ湖中央に東から出べそのように突き出たマハレ山塊国立公園の周辺でも野生動物による農耕地への被害があった。

ぼくが住んでいた家はタンガニーカ湖畔から100メートルも離れていなかったので(図1)、湖に生息するマンバ(クロコダイル)やキボコ(カバ)に注意するよう云われていた。湖畔の人々はマンバやキボコを恐れていた。湖岸で食器を洗っている女の子や衣類を洗濯をしている人たちが襲われたことが話題になったり、あるいは小さな丸木船に乗っている漁師たちがマンバやキボコに襲われて舟をひっくり返され事も知らされた。湖畔で生活する人々にとってはマンバもキボコも人に危害を加える野生動物であり、出来うる限り少なくなってもらいたいと望んでいる。しかし、英字新聞で見る記事には、マンバやキボコやテンボの保護がチンプやゴリラの保護と同じように欧米の動物愛護団体から訴えられていた。ぼくは、野生動物の棲息圏から遠く離れた土地に住んでいる欧米の国々の人間が何言ってるんだ!っと。野生動物の保護を訴えている動物愛護団体に疑問を抱いていた。

図1.タンガニーカ湖畔の我が家

日本では、サルやイノシシの農作物や人的被害、シカの農作物被害、林業被害が各地で見られている。さらに最近では、ヒグマやツキノワグマによる被害問題がクローズアップされている。農作物に被害を及ぼし、また、人に危害を与える野生動物が捕獲・射殺されると批判する人々がいる。それはタンザニアでマンバやキボコやテンボの保護を訴える欧米の愛護団体の人々と重なって見える。大都会に住んでいて、地方の山里に住んでクマに怯えている人々の気持ちが判らないのだ。

2023年10月20日金曜日

2匹のアカトンボを見つけた!     I found two Autumn darters in back yard

今日も天気が良いが、少し風が強い。2階のベランダの物干し竿が風で揺れて時折耳障りな音を立てている。読んでいた本を座っていた椅子に置き、物干し竿の揺れを抑えて音を止めようとベランダに出る。気持ちの良い風だ。竿と支柱とを固定している締め具に1センチくらいの隙間があり、風で竿が揺れて支柱にぶつかり音が出ているのだ。しっかり抑えて、庭を見下ろすと、ラン鉢を下げている梅の木にアカトンボが2匹停まった。慌てて、階下の自室に戻りカメラを持ち、階段を上がる。
もう、いないかな?っと心配して梅の木を見下ろすと、いた!一匹を見つけた(図1)。風で吹き飛ばされそうになるがしっかり捕まっている。もう一匹が見当たらない。っとその一匹が飛んで杭の上に停まった(図2)。アキアカネの♂と♀だ!
図1.アキアカネSympetrum frequens
図2.アキアカネ♀
今、起こっているイスラエルとガザ地区のハマスとの争いがエスカレートしないで早く終わる事を祈るばかりだ。
 

2023年10月19日木曜日

シカやカモシカの頭骨の不思議     The wonders of Deer and Serow's skulls

思うように歩けなくなって、このところ晴れていても家に居てコーヒーを飲みながら、読書か骨見に明け暮れている。で、シカやカモシカの仲間の(鯨偶蹄目反芻亜目ウシ科)頭骨を見ていて、他の動物たちとは異なる事があることに気が付いた。それは、サル(図1)でも食肉目のタヌキ(図2)やハクビシン(図3)の頭骨でも、子供の頃の頭骨を形成している前頭骨や頭頂骨、上顎骨、鼻骨でも縫合線が明確であり、まだ癒合・合体していない。が、オトナになると縫合線が消え、癒合・合体する(図1~3)。
このことは全ての哺乳類の頭骨でも同じだと思っていた。
図1.ニホンザルMacaca fuscataのオトナAdult(左)とコドモJuvenile(右)の上面から見た頭骨
図2.タヌキNytereutes procyoniudesのオトナ(左)とコドモ(右)の頭骨
図3.ハクビシンPaguma larvataのオトナ(左)とコドモ(右)の頭骨
しかし、シカ(図4)やカモシカ(図5)では、コドモと同じようにオトナの頭骨も縫合線が明確である。これはどういうことなのだろうか?ぼくが持っているシカやカモシカの頭骨はまだコドモなのだろうか、イヤそんなことはない。大きな角を持っているオスジカの頭骨の縫合線も明確だ。シカやカモシカは生後10年以上経っても頭骨が大きくなるのだろうか?

図4.シカCervus nipponのオトナ(左)とコドモ(右)の頭骨
図5.カモシカCapricornis cripusのオトナ(左)とコドモ(右)の頭骨

シカもカモシカも前頭骨から角が出る。シカ♂では毎年生え変わり、大きくなる。カモシカでは毎年角輪が重なり、大きくなる。つまり、両者(シカ♀を除いて)は毎年頭骨が成長しているとも云える。このことがいつまでもシカやカモシカの頭骨の縫合線が残ることと結びついているのかも知れない。

2023年10月16日月曜日

雨の日はキンモクセイは匂わない!   Kinmokusei does not smell on rainy days!

庭のキンモクセイが咲きだした。でも、全部咲いたわけではない。雨が降っているので、窓を開けてカメラで撮った(図1)。しかし、匂ってこない。
どうして良い香が漂ってこないのだ?仕方がないので傘を差してキンモクセイの木の側まで行った。が、匂わない。花が咲いている枝を引っ張って匂いを嗅いだ。うーん、良い匂いだ。しかし、顔を遠ざけると香がしない。雨の時は匂わないのか?
図1.雨の中のキンモクセイの花
図2.♂のカネタタキ
夕食後、カネタタキが鳴いているようだ。連れ合いが見つけて教えてくれる。ぼくは補聴器を付けて聞く。チンチンチンと鳴いている。ほんの申し訳程度の小さな翅を持ち上げてチンチンと鳴いている。嬉しいかぎりだ。寒くなってきたので部屋セロジネやパフィオペディラムを取り込んだのでそれに付いてきたのだろう。

イスラエルがパレスチナのガザ地区を攻撃している。イスラエルのガザ地区への攻撃は、許されるものではない。「アンネ」も悲しく思っていることだろう。

今、コンビニにマイナンバーカードを使って証明書を出してもらいに行ってきたが、キンモクセイの香りが晴れた街中に漂っている。我が家の庭のキンモクセイの香りを楽しむために庭に面する窓を開けた。

2023年10月13日金曜日

キンモクセイの蕾    Flower buds of Kinmokusei

昨日の午後4時過ぎ、散歩に出る前に庭のキンモクセイの蕾を確かめた。と云うのは昨日は白い米粒状のものが枝に着いていたので、これがキンモクセイの蕾だと確信したからだ。今日見ると、もう枝に着いていた米粒がいくつにも分れた黄色の蕾となっている。が、まだ全く匂わない。
図1.キンモクセイOsmanthus fragrans var. aurantiacusの蕾

 今朝は匂うかな?っと思って庭に面する窓を開けて息を鼻から大きく吸い込んだが匂いなし。まだ、花が咲いていないようだ。今夕くらいから咲いて匂うかな?楽しみだ!

2023年10月11日水曜日

小さいヤマトシジミ  Very small Ymatoshijimi

昨日の散歩で見つけた小さいヤマトシジミだ!翅を広げると青く見える。我が家の庭でも年中?飛び回っている。それは黄色の花のカタバミが多いからだ。ヤマトシジミの食草はカタバミだ!しかし、ピンクのイモカタバミには産卵しないようだ。同じオキザリスOxalis属だから食草になってくれれば良いのにと思う。我が家の庭の陽が当たる処はこのイモカタバミに覆われている。黄色のカタバミよりもイモカタバミは大きいし繁殖力が半端じゃないくらい増えるので、ヤマトシジミの食草になってくれると嬉しい。しかし、コヤツは小さい、ちいさいチョウだ。シジミチョウ科でもヒメシジミ亜科だから小さいのもうなずける。
図1.吸水しているヤマトシジミZizeeria maha
イスラエルとガザ地区のハマスとの間で戦いが起き、数多くの人々が亡くなった。第三次世界大戦への引き金にならないか心配である。こちらができるのは一日でも早く戦争を止めるように祈るだけだ!

2023年10月10日火曜日

カメラを持って散歩  Walking with a camera

2時過ぎに散歩に出た。久しぶりに境川遊水地の方まで行こうと思った。が、100メートルも歩かないで、ルートを引地川沿いに変えた。何故か、太腿が筋肉痛だ。どうして???筋肉痛だから歩けば治まるだろうと歩いた。太腿の痛みは無くなったが暑いせいか、早くも汗をかき始めた。小学校横の神社に入り、池の鯉や金魚を少し見て歩道橋を上がり歩く。小学生の下校時のようで、たくさんの子供たちがぼくの前後左右を駆けて歩道橋を渡っていく。ぼくもこういう時代があったんだと思う。
引地川沿いを歩く。時々、川面に目をやるが、カモたちはもう既にいない。が、アオサギがいた(図1)。叢からバッタが飛び出すが、、、ようやく撮った(図2)。
久しぶりの草いきれの中から早く脱出したい気持ちになった。両側のススキのようなイネ科の草をかき分け、広いところに出た。振り返って撮ったのが図3である。
図1.引地川のアオサギ 
図2.クルマバッタ?

図3.引地川右岸の草原
ん?イチモンジセセリだ(図4)。今の時季のセセリはイチモンジだけなのかな?
シジミチョウが何頭も舞っているが、なかなか止まってくれない。ようやく撮ったのがウラナミシジミだ(図5)。
図4.イチモンジセセリだ!
図5.ウラナミシジミだ!
今日は、4キロもないルートを1時間近くかけて歩いた。5150歩である。帰路は太腿の筋肉痛は無くなった。

2023年10月9日月曜日

友人から貰ったアナグマの頭蓋骨    The badger skull I got from friend

 横浜での食事会の時に友人のYNから貰ったアナグマの骨をアップした。今日は、さらに頭蓋骨をアップする。

図1.アナグマ頭蓋骨上面から
図2.アナグマの頭蓋骨正面から
図3.アナグマの頭蓋骨後面から
図4.アナグマの頭蓋骨右側面から
図5.アナグマの頭蓋骨左側面から
図6.アナグマの頭蓋骨底面からと下顎骨
このアナグマは矢状隆起が盛り上がり(図1)、左右の下顎骨が縫合・合体しているが、縫合線が判る(図1,6)が、鼻骨と上顎骨や前頭骨との縫合線は全く判らない。また、残っている歯は酷く摩耗しているわけではない(図6)。性別は不明であるが、adolescence (青年)からmaturity(壮年)への途中個体のようだ。
どうもアナグマを含むイタチ科の動物の頭骨は他のイヌ亜目のイヌ科の頭骨に比べて、成長が早く性成熟に達する頃には頭蓋の各隣り合った骨同士は縫合するようだ。

昨夜のフランスでのラクビーは残念!しかし、今の日本のラクビーを親父に見てもらいたかった。親父は師範学校時代ラガーマンで、当時教育TVでやっていたラクビーをいつも一人で見ていた。小柄なのにスクラムを組んでいたようで、寒くなると肩が痛くなり、ぼくが子供の頃から寝る時は両肩にウサギの毛皮を当てていた。

2023年10月7日土曜日

貰ったアナグマの骨   Skeleton of badger I got    

先日横浜で食事会をした時に、YNから貰ったアナグマの骨だ(図1)。これはYNが2022年4月下旬に埼玉県日高市の地下倉庫で死んでいた(図2)ものを持ち帰って自宅の庭に埋めて約1年5ヶ月振りに掘り出したものを持って来てくれたのだ。
図1.アナグマMeles melesの骨
丁寧に骨を拾ってきてくれた。左右の上半身の肩甲骨、上腕骨、尺骨、橈骨があり、下半身の寛骨、大腿骨、脛骨、腓骨がある。が仙骨が無い。頸椎が4個あり、胸椎が6個と腰椎が7個ある。肋骨が16本、指骨が9本あり、足根骨や手根骨が無い。
1年5ヶ月埋めてあったので、かなり腐食が進んで骨がもろくなっている。仙骨や他の椎骨や足根骨などの多くはすでに土にかえっているかも知れない。掘り返して骨を拾い出すのに1時間は掛かったことだろう。YNに感謝だ!
図2.地下倉庫のアナグマ死骸
昨日は以前45分掛かって歩いていたルートを歩いた。もちろん、キンモクセイを求めてだ。が、キンモクセイの木は見つけたが花は咲いていなくもちろん香もしなかった。自分では少し急いで歩いたつもりで、呼吸もフゥフゥ、ハァハァと息を整えながら歩いた。が、65分も掛かった。まぁ、乳母車を押しているママさんに追い抜かれるから、可成り脚力が落ちている。

2023年10月6日金曜日

イタチ科の各属の聴胞    Audiobulla of each genus of Mustelidae

 日本に生息イタチ科Mustelidaeの3属のイタチ属Mustelaのイタチ、テン属Martesテン、アナグマ属Melesアナグマの聴胞をアップする(図1)。

図1.左からイタチMustela itatsi, テンMartes melampus, アナグマMeles melesの聴胞ab
図1を見ると、テンとアナグマの聴胞は外耳孔に寄ると押し潰されたようになって似ているが、イタチの聴胞は特に著しく外耳孔に近くなると押し潰されは形にはならない。しかし、手に取って良く見ると確かに外耳孔の近くでは凹んでいる。どうして、外観は異なって見えるのだ。すぐ思いついたのはイタチの頭骨は小さいので、テンやアナグマのように聴胞が半分くらいで押し潰されたようになると聴力に影響するのだ。膨らんだ部分の聴胞に意味があるのだろう。

昨日横浜で箱根・湯河原のサルを追っていた仲間との食事会があった時に、YNから日高市の地下倉庫で死んでいたアナグマの骨を貰った。今は洗って干している。


2023年10月5日木曜日

目立つ赤い実のモッコク    Mokkoku with conspicuous red fruit

昨日の4時頃、雨がしょぼつく中を傘を差して、またまたキンモクセイの香りを求めて、今度は大きなキンモクセイのある家を目標に歩いた。が、その家のキンモクセイも黄金色の花はつけていなかった。エー?ぼくが2,3日前に居間で嗅いだ匂いは何だったんだろう。もちろん我が家のキンモクセイも花はまだだ!
近くの公園に赤い実をたくさんつけている木があった。モッコクだ(図1)。
モッコクは花よりも実が目立つかな?この実は一見ヒメリンゴの実のように思える(図2)が、齧るとボケたリンゴのようで酸っぱくも甘くもない。種子も赤い粉で覆ったような種皮をしているが、表面を拭き取ると白黄色になる(図3)。
図1.モッコクTemstroemia gymnantheraの赤い実
図2.割れている果実

図3.種子 左:種皮の表面を拭いた 右:そのままの赤い種子

今日はお昼に横浜東口で4人での食事会だ。皆、奥湯河原の天昭山神社の境内にテントを張ってサルを追った仲間だ。東京郊外や埼玉から来てくれる。一人の女子は青梅の方からだ。皆、高齢者なので昔話しになるかな?

2023年10月4日水曜日

可愛いセセリチョウ       Cute little skipper butterfly

昨日もキンモクセイの香を求めていつものルートを変えて散歩した。が、キンモクセイの匂いは感じなかった。おかしい。では、一昨日、一瞬だがキンモクセイだと思った匂いはどこから流れてきたのだろう。が、帰路、公園横の坂道を登っているとセセリチョウを見つけた(図1)。可愛いセセリチョウだが、図鑑を見てもなかなか同定できない。似たような紋様が多い。で、チョウに詳しい台湾から一時帰国しているYNに訊いた。イチモンジセセリで良さそうだ。
それにしてもセセリチョウの仲間は身体は小さいのに目の大きさが他の身体の大きいチョウたちと変わらないので、可愛く見えるのかな?否、目が大きいばかりでなくちょっと小太り気味なのも可愛らしく見えるのかな?
図1.イチモンジセセリParnara guttata
夕食後、娘がカネタタキが居る!と叫ぶ。2階への登り口の壁にそれらしきヤツがいる。それにしてもいつも虫がいると虫だ!と叫ぶ娘が何故カネタタキなんて言ったのだろうと不思議に思いながら、動き回るヤツを見る。確かにカネタタキだが、メスだ(図2)。
 以前、ラン鉢を庭から部屋に取り入れた時にカネタタキも一緒に入ってきてチンチンと鳴いていたのだ。
図2.カネタタキOrnebius kanetatakiの♀
小種名がkanetatakiだ!
夕方からアオマツムシが鳴き、コオロギたちも鳴いている。もちろん補聴器を付けて聞いている。アオマツムシは補聴器無しでも聞こえる。秋だ!
秋がやってきた。この涼しさは、寒いくらいに感じてしまう。例年なら夏の暑さが恋しくなるが、今年は流石に恋しくはならない。長く続く暑さに参っていたからだ。今朝、補聴器をつけて窓を開けたが虫の音は聞こえず。雨がまだ少し降っているせいかな?

2023年10月3日火曜日

キンモクセイの匂いを求めて散策   Strolling for search flavor of Kinmokusei

昨日、お昼を食べ終え、お茶を飲んでいるとキンモクセイの匂いが一瞬ぼくの鼻に飛び込んできた。で、ぼくは「キンモクセイの匂い!」と叫ぶ。連れ合いも娘も鼻をうごめかすが匂いは感知しなかったようだ。我が家の庭のキンモクセイOsmanthus fragransが咲いた?っと思って見たが、黄色い花は見当たらず。しかし、一瞬キンモクセイの匂いを嗅いだのだ。
で、4時ごろキンモクセイを匂いで探しにいつものルートを歩いた。が、見つからなかった。代わりに、ぼくにとっては久しぶりにアオツヅラフジの実を見つけた。このルートは一週間に2,3度通るのに、花が咲いている時は気が付かなかった。アオツヅラフジのこの黒紫色の果実がついて目立つことになる。コヤツの種子は奇妙な小さい巻貝のような形をしている。1個だけ、失敬して途中で奇妙な形の種子を確かめた。
アオツヅラフジCocculus trilobus

2023年10月1日日曜日

イヌ科の各属の聴胞はほぼ同じ形      Audiobulla of each genus of Canidae are nearly identical in shape

食肉目の科による聴胞の底面から形状の違いをアップしたが、同一の科のそれぞれの属の動物たちの聴胞はほぼ同じ形状をしていることをアップする。先ずはイヌ科Canidaeのイヌ属Canis、キツネ属Vulpes、タヌキ属Nycterereutes、ホッキョクギツネ属Alpexである。しかし、ホッキョクギツネは今ではキツネ属に含まれる。
図1.ビーグルCanis familiarisの聴胞
図2.キツネVulpes vulpesの聴胞
図3.タヌキNyctereutes procyonoidesの聴胞
図4.ホッキョクギツネAlpex (or Vulpes)lagopusの聴胞

どうですか?イヌ科Canidaeのイヌ属Canisもキツネ属Vulpesもタヌキ属NyctereutesやAlpex(今はVulpesになっている)の聴胞も膨らんでほとんど同じような形をしています。

おかしい、このところ上半身の筋力が急激に落ちている。居間件食事室の椅子に座っていて左の窓際の棚の上のウィスキーを左手を伸ばして取っていたものが、取って手元に持って来れない。立ち上がってウィスキーのビンを取り上げテーブルに置いて蓋を開け、コップに注いでから棚に戻し、座る。同じように頭骨棚に並べているツキノワグマの頭骨は頭くらいの高さにあり、今までは何ともなく手に取って眺められた。昨日はとても無理なので踏み台に乗って取り出す始末だ。このような筋力の低下をミオパチーと名付けられていて、コロナ後遺症でも生じるようだ。重症なコロナ患者の後遺症では、コロナ感染者以外の78.8倍にもなるようだ。こちらは、検査して判る軽いコロナ感染であったが、その後遺症かなっと不安である。しかし、コロナに感染したのは昨年12月の中頃だ。それが半年も過ぎてから後遺症が出てくるかな? 缶ビールのタブも開けられない。