2012年10月31日水曜日

乾燥ヤモリを見つけた! Found a dried gecko!

先日、連れ合いが庭の草むしりをしているとき、居間から庭へ下りられる引き戸のレールの上に
干乾びたヤモリを見つけた。
どうも状況から判断すると、網戸が締められた時に運悪く格子の間に挟まれたまま、絶命し
そのまま乾燥しミイラ状になったのだ。
 
このヤモリ君には悪いが、せめて骨だけでも取り出してヤモリという爬虫類の脚や背骨を
しっかり見ておきたいし、骨標本として残しておきたい。
今、食べたサンマの骨だけ残して、洗い乾かしている。
 
こうすることで、哺乳類、鳥類、爬虫類、魚類の骨を取り揃えることができる。
もっとも、鳥は一種類、爬虫類はアオダイショウとこのヤモリ、魚はサンマの一種類、
まだ、両生類がない。今年はとうとうカエルの死体を見つけられなかった。
 
さて、この乾燥ヤモリはどうやって骨にしようか?
水に浸けて腐らす?
 
ウラギンシジミの様子です。 
 
これで、糞の中に、哺乳類以外の骨が入っていた場合、魚を食べたのか
鳥か爬虫類か骨で判るかな?

2012年10月29日月曜日

ウラギンシジミ   A butterfly!

連れ合いが、庭に転がっているプラ鉢や雑草のように蔓延っているタイワンホトトギスやカタバミなどを引き抜いて整理していた。
居間の庭に面する窓をたたき、ぼくを呼んでいる。
何かをまた見つけたようだ。先ほどは鉢のゼラニュウムを整理していたら、
コガネムシの幼虫がたくさん出て来ていたのを見させられた。
 
今度は何か?とカメラをもって庭に出る。
アジサイにチョウがついて動かないと云う。
見ると、シジミチョウよりも一回りも大きなチョウだ。
この成虫のままで越冬するのかな?
しかし,木の幹に捕まらないと葉は地面に落ちてしまう。
子どもの頃は物置の壁に成虫のまま停まっているタテハチョウの仲間や、
あるいは、サナギとなってとまっているモンシロチョウを見つけたものだ。
当時の北海道釧路の冬の気温は零下20度以下になったので、チョウも冷たい風が
当たらない小屋の中に入って寒さを凌いでいるのが子供心に解った。
 
シジミチョウの仲間より大きいが、シジミチョウの仲間に近いかな?っと思って図鑑をめくった。
すぐ出てきた。ウラギンシジミという温かいところにいるチョウで、花の蜜を吸うよりも、
ウンチとか汗も吸いにくるようだ。
 
しかし、このチョウ今朝も一昨日と同じところにぶら下がっている。昨夜は雨も降ったのだ。
この冷たい気温なのだからもう飛ぶことはできない。どうしたものか2、3日様子をみよう。
このままアジサイの葉と地面に落ちてしまうことは確実だ。
それとも温かくなる日中に飛んで、どこか良い越冬場所を見つけるかな?

2012年10月27日土曜日

この糞はアライグマのだ! Tha scats are a racoon's!

25日(木)の続き
テンにしては太すぎるし、こんな真っ黒なテン糞は今まで見たことがない。
ハクビシンかな?アライグマの糞かな?
ともかく、洗うの楽しみ。
金曜日、専門学校から戻ってから、洗った。
なんだ?全て毛だけ?
と思うくらい毛のかたまりであった。
途中で茶漉しから小さな洗面器に空けてともかく水を静かに垂らしながら
毛を流した。毛の長さは非常に短く5ミリ前後であった。
この毛の短さから、ネズミ科の動物かトガリネズミ目の動物を食べたことが判る。
最後は、指ですくうようにして毛を取り除いた。
洗面器の下にたまった物は、下の写真の骨片であった。
Aの部分は骨盤の部分であり、Aの左は右骨盤であり、右は左骨盤である。
Aの下の部分は大腿骨頭であり、それが三つもある。二匹を食べたのだ。
Bの上の部分は切歯であり、上顎の切歯(上)と下顎の切歯(下)である。
この切歯は厚さが薄いので、アカネズミの可能性が高い。
Bの下の部分は臼歯である。
Cは尾骨部分であり、Dは尺骨の上腕骨と接する部分だ。
Eは胸椎の一部だ。 
 Bの下の部分の臼歯を拡大した。右は根が一つ、左の臼歯は根が三本ある。
根が三本ある左の臼歯は第二臼歯で、一本の右のものは第三臼歯であろう。
上顎か、下顎の臼歯かは今のぼくの知識では不明だ。
ネズミたちの標本をもっと集め、上顎と下顎の臼歯の違いをはっきりさせなければいけない。
この糞は、今の季節の果実の種子が一個も入っていないので、アライグマのものと結論付ける。
さらに、この糞の直径が08-3.0cm(Mammal Tracks&Sign,M.Elboch,Stackpole Books,2003による)の間にあったからである。
このアライグマは、2匹のアカネズミを食べたんだ。偶然に大腿骨頭部分が3個もあったから2匹を食べたと結論付けられたが、これが見つけたのが2個だけだったら一匹を食べたとなるかもしれない。大腿骨頭がついた大腿骨だけで左右どちらのものかが判れば2個の大腿骨だけでも2匹か3匹かが判る。それには、頭骨とともに骨格全てをじっくり見るようにしなければダメだ。Dの尺骨でも右か左か見てすぐ分らなければダメだ。

慶應日吉の非常勤講師を来年度いっぱい、つまり再来年の3月で辞めることになった。
非常勤は70歳まではできるようだが、薬学部の教授から一緒に辞めましょうと誘われた。
それに代わる収入を工夫しなければならない。

これは何? What's this?

25日(木)の土山峠・仏果山・登山口の続き
仏果山から宮ヶ瀬越を過ぎて、まもなくスギの木の根元に????
の不思議な樹皮の繊維があった。
スギの形成層付近を齧って汁だけ吸った?
これと非常に類似したものをマハレ山塊国立公園で
チンパンジーの人付けをしている時にも見つけている。
それはチンパンジーが樹皮などを齧って水分だけ吸って吐き出したものだ。
その記憶がよみがえったので、写真を撮る。
こんなことをするのは誰だ?
下は、1994年11月23日にマハレで撮ったものだ。
これはショウガ科の茎を食べ、水分だけ吸って吐き出した食痕である。
クリックして拡大
仏果山でこのようなことをする動物は?
ニホンザル?シカ、カモシカ?あるいはイノシシ?
それともヒトが?
 
下の写真は土山峠から登ってまもなく、スギ林の中で見つけた糞だ。
昨日のもののようだ。これは、カモシカの子ども?
カモシカだとすると、10月半ばを過ぎても、まだこんなに小さな子どもがいるの?
 
キョンの可能性もあるが、まさかねぇー。 
昨年8月千葉県富津市宇藤原で撮ったキョン糞が下のものだ。
スケールが違うが、どうだろうか?
と、25日に疑問?に思ったフィールドサインを二つ取り上げました。
こうやって、じっくりサインを見てあるけたのも足首をかばってゆっくり気を付けて歩いたからでしょう。なお、ようやく、今朝、この日採集してきたアライグマの糞を洗い終えて、残渣を乾かしたので明日、アップすることができます。
 



キノコをゲット! Get mushrooms!

25日の仏果山の続き
秋の山なのでキノコも楽しみである。
これは、テングタケ科のものだ。根元に白いツボがある。
これは、採らず!
宮ヶ瀬越えの標識を過ぎて、まもなく”オ、カラカサタケだ!”2本ある。
ゲット! 
さらに下ると、アカモミタケが!
登ってきた4,5人のパーティやら二組の中高年の夫婦のパーティがいたのに、
気がつかないで通り過ぎていったようだ。
登山者の若者が「ヤッホー」と叫んでいる声が聞こえてきたので、写真も撮らずに、
レジ袋にゲット!
泥や枯葉に埋もれている。
帰宅後、すぐボールに容れて水に浸す。
そうしないと、キノコについたゴミを落とせないのだ。
真ん中の小さい一個はすでに洗ったヤツ。
1時間水に浸けて、歯ブラシと小刀を用いて枯れ葉を落とす。
泥は歯ブラシで落ちるが、枯れ葉は小刀の刃先でそぎ落とす。
山の幸は、採ってきてから食べられるような状態にするのが、面倒でもあり楽しみだ。
夕食の味噌汁の実にし、残りは昨夜のオデンの具にした。

2012年10月26日金曜日

ネズミ科の同定とヒミズの同定 Identify of Muridae & Talpidae

今日は専門学校のワイルドライフガイドの座学だ!
K君が、火曜日にヒミズとネズミを拾ったので授業で使って欲しいと冷凍したものを持ってきた。
それを学校の冷凍庫から取り出した、同定と剥皮の1時間の授業だ。
 
先ず、ネズミ科の動物を用いて、ネズミ亜科かハタネズミ亜科の外見からの同定。
尾の長さが頭胴長(鼻の先から尾の付け根まで)の長さより短いのはハタネズミ亜科だ。
さらに、頭の長さ(鼻の先から首の付け根まで)が短くて丸っこい頭ならハタネズミ亜科だ。
 
正確に同定するには、臼歯だ。臼歯がプリズム状ならハタネズミ亜科だ。
山梨県の山で見つけたというので、ヤチネズミ属ではない。残りはハタネズミ属かビロードネズミ(カゲネズミ)属だ。この2属の違いは骨口蓋の後端の形状を見なければならない。
O君がこの骨格標本を12月末までにつくる。
これは、ヒミズだが、ヒミズとヒメヒミズの外形上の見分け方は、尾である。
尾の形状が棍棒状の場合はヒミズで、尾の先に向かってすーと細くなるのがヒメヒミズだ。
さらに、切歯を見れば確実だ。ヒミズは上顎の第一切歯が尖るが、ヒメヒミズは平らだ。 
ヒミズの歯を見てもらう。 
ヒミズの点のような目を見てもらう。 
写真を撮ったりしながら、ハタネズミ亜科のネズミの剥皮を見守る学生たち。 
来春には卒業なので、研修に出かけている学生がかなりいる。
ネズミのような小型哺乳類の剥皮や解剖は気を使う。
晒骨までの手順をKとOに話す。
Y君は剥皮した皮を伸ばして干す。


マムシグサの根茎だ! A root-stock of aroid!

10月14日に「これは何だ!」とジャガイモのようなものをアップした。
ジャガイモタケという菌類の仲間ではないかと思い、専門家の折原貴道さんに尋ねた。
現在、神奈川県立生命の星・地球博物館の学芸員となっている彼から
あれは、マムシグサ(サトイモ科)の仲間の根茎ではないだろうか?
誰かがいたずらしてヒゲ根を取って逆さに植えたのであろうとのことであった。
 
昨日、まだ痛い左足首の状態をどのような時にひどく痛むかを確かめるためにも山を歩いたのだが、マムシグサの根茎も確かめたかったのだ。
土山峠から登って間もなく、スギ林の斜面に見つけた。
 
左手の人差し指と中指を斜面に突き刺して掘り起こした。
横から見た状態。似ている。そっくりだ。
ヒゲ根が根茎の上の茎の周り生えている。
上から見た状態。まさしく14日にアップした「これは何?」はマムシグサの根茎だったのだ。
下は、13日の丹沢実習で高畑山の近くの登山道沿いの斜面で見つけたもの。
ヒゲ根が丁寧に採られている。
掘り取った株はそのまま植え戻しました。 
しかし、マムシグサの仲間の根茎がこういう形状をしているなんて、始めて知りました。
この仲間をどの部分にもシュウ酸カルシウムが含まれ、口に入れると激痛となるのだ。
一度、学生が赤い実を齧ったことがあり、救急病院に担ぎこまれたのだ。
K君が13日の実習時にナイフで半分に切ったので、
今日授業があるのでナイフを洗うように注意しよう。
 
左足首は極端に曲げない限り、酷い痛みはでなくなりました。
また、足首から下が腫れていたのも足首を曲げることができるようになったので、血流がよくなり
腫れもひいております。まずは一安心です。御心配ありがとうございました。

2012年10月25日木曜日

カモシカやシカのフィールドサイン Field sign of serow & deer

今朝、4時半に目覚めた。昨夜、丹沢へ行く準備をしていた。
が、トーストに今夏中国で頂いた蜂蜜をつけて食べたり、
新聞を見ながらバナナと牛乳をミキサーにしたのを飲んだりしているうちに、
6時を過ぎてしまった。慌てて、車に乗ったが、もう朝の渋滞が始まっている。
いつものコースをいけば良いものを、
カーナビの云う通りに行ってみようと思ったのが間違いだった。
塩水橋から本間ノ頭に登ろうと思った。が途中で諦めた。
 
isa隊員の清川のアトリエに寄り、封筒に入れた本をポストに落とし、
車をUターンして敷地内から出ようとしたら、k-ta隊員が玄関のドアを開けて出てきた。
びっくりだ!isa隊員とともに引っ越しの準備にきていたのだ。
あがって美味しいコーヒーを御馳走になる。実に旨かった。
 
もう、すでに今日は仏果山に行くことに決めていた。
土山峠から登り始めて間もなく、カモシカの角砥ぎの痕だ。まだ生々しい。
毛を探した。
判るかな?見えなかったらクリックして拡大して!
真ん中より左方にかけて細い毛が一本ある。 
ん?今度はシカが休息していた跡だ。
3ヶ所ある。シカ毛はあるかな? 
あった!縦に3本白い毛がある。1本は曲がっている。
3ヶ所とも毛があった。
きっとメスグループなのだ。
一緒にかたまって休息するのではなく、2、3メートル離れて休息(寝て)しているのだ。 
帰路、仏果山登山口から土山峠への湖岸に沿った舗装道路沿いを歩いていたら、
一台の車がこちらに向かってくる。isa隊員と k-ta隊員だ。
お昼を食べて、出てきたのだ。
ぼくは、2時20分に帰宅する。

2012年10月24日水曜日

タヌキの椎骨 Vertebra of a racoon dog

昨年、 isa隊員が拾ったタヌキを、清川のアトリエに出かけてもらってきたこと
については昨年12月27日にアップした。
剥皮すると右の肩甲骨が割れていることを報告した。
 
剥皮し、内臓を取り除き、大雑把に肉も取り除き、そのまま乾燥させた。
しかし、やはり綺麗に徐肉しようとプランターに水を容れてその中に、
体幹部分を容れて腐らせていた。
臭いがしないようにサランラップを掛けた.
それを、9月下旬に水を空け、骨を取り出した。
 
前肢は肩甲骨から、後肢は大腿骨から脊椎骨から離して、
これらは除肉して別に物置の中で乾燥させている。
 
体幹部分を洗って乾燥させていた。
乾いたので頸椎・胸椎・腰椎・仙骨をつないだ。
頸椎の環椎(第一頸椎)から第五頸椎まで骨が白いのは、
頭骨と一緒にに別に処理したからである。
 
第5胸椎から第8胸椎の棘突起が欠けていた。
(左は環椎の第一頸椎で、右端が仙骨であり、背側を上にして置いてある)

欠けていた棘突起を骨片の中から見つけて木工ボンドでくっつけた。
クリックして拡大すると接着部分がわかる。さらに、第4胸椎と第5胸椎の右の横突起も欠けていた。第5胸椎の横突起の破片も接着した。さらに、右の第一肋骨もヒビが入っていた。
(左はお尻の方で右は首の方、背を上にしている)
12月27日にアップした時は、右の肩甲骨が割れていることしか見つけられなかったが、
こうやって、全身を骨にしてみると、
このタヌキ君は、右肩から背中にかけて車にぶつかったことがわかる。

2012年10月20日土曜日

我が家のハクビシンは何を食べていたか? What was a civet eating?

昨日我が家の2階のベランダの鉢の上にあったハクビシンの糞
小さな種子がたくさん見えていた。
これを取り上げたら、2、3日前のものだった。
まだ、柔らかったのだ。
庭の水道で洗った。
先ず、目についたのが羽毛である。ほぼこれだけの羽毛が上の一塊の糞から出てきた。
上部中央の左側の物は、カマドウマの脚で、その右側が甲虫の外羽だ。 
他に、2、3ミリ四方の薄い卵の殻が3個あった。
左の物は、未消化のカキの果実の果肉だ。
右上や中央下の物は、植物質のもので黒紫色の果皮なのでナスかな? 
下の水洗いした残渣から上の毛やカキの果肉やナス?の果皮付き果肉状の物を
ピンセットで取り出した。さらに下の種子も取り出した。
この種子はまだたくさんこのプレートに残っている。 
ナスの種子かな?
ナス・種子でネットで調べたが少し形が違う。大きさはこのくらいだ。
でも、ナスの種子は少し凹みがある。
拡大したものだ。 
どなたか、この種子はお分かりでしょうか?
我が家の付近は、小田急線が走り、住宅がある。湘南台駅まで4、5分の場所である。
このハクビシンが住居にしている家を探し当てたい。
我が家のベランダにはどうやって登ってくるのかも興味ある。
 
10月25日に、k-ta隊員から、これはイヌビワの種子では?と云われました。
早速、クワ科の種子を調べました。似ている。そっくりだ。ただ大きさが判らない。
とにかく、イヌビワかイチジクの実でも見つけて確かめたい。
 

またもやハクビシン! Masked Palm Civet again!

昨夜、夕食を食べ終えてビデオを見終わったら、連れ合いがまたもやベランダの手摺りに動物の足跡のようなものがあるという。懐中電灯で照らしてみると確かにある。
8月2日にアップしたものと同じものだ。ハクビシンの足跡のようだ。
連れ合いは洗濯物を干す時に、ベランダの手摺りは毎回雑巾で拭くようだ。
娘と連れ合いは、夜、変な音がしたことがあるという。それがどこでしているのかわからないようだ。ぼくは高い音はまったく聞こえないので、こんど奇妙な音がしたら教えてくれと話す。
今朝、起きて、パジャマのままベランダの手摺りをみる。
ハクビシンのものだ。まだいるんだという嬉しい感激!
すぐ、着替えてカメラを持って撮る。
8月2日の物と同じだ。
先日、隣駅に実家がある結婚した教え子から、「実家の屋根に糞がある」と写真を送ってきた。
これは、カキの実を食べているしハクビシンの糞だと返信した。
この写真のことを思い出し、ベランダから屋根の上を見まわした。隣近所の屋根もみた。
が、屋根の上には見渡らない。
が、ベランダに置いてあるキイチゴの鉢の上に糞があった。
はじめはネコじゃないだろうなと目を凝らすと小さな種子が見える。
ヤッター!という気持ちだ。ハクビシンの糞だ。 
その糞があった鉢はベランダの隅に置いてあるものだ。 
で、どこに巣を作っているんだろうか?
我が家の周りはもちろんのこと、隣近所の家の周りを眺めまわす。
が、そんな屋根裏に忍び込めそうな穴などある家はない。
しかし、我が家か、その近くに居るのだ。
この糞を洗って、何を食べているのかが分かればさらに巣穴の場所を特定できるかも知れない。
でも、何だか鉢から取り出すのも躊躇してしまう。
山ではないからなのだろう。

2012年10月19日金曜日

糞分析  Analysis of carnivora scats

今日はTCA専門学校の野生動物保護専攻のクラスの
ワイルドライフガイドの座学である。
先週13日に高畑山・御殿森ノ頭で拾ってきた、食肉目の動物たちの糞分析をやった。
先週の丹沢実習の出席者は少なかったので、ぼくが前日に土山峠で拾った糞も使った。
先ず、糞の水洗いの方法を説明し、水を汲む。
アカンボウのバスタブ?容れた水で糞を洗う。 
指を入れて洗う。 
こでは、ブラスチックの箱に水を容れて洗う。 
洗う、洗う。 
念入りに洗った残渣を新聞紙に空けて、動物質、植物質、鉱物質などに分ける。
さらに、それぞれを細分したコピー用紙に置く。
イタチ糞の内容物
アケビの種子とそのアケビの種子を囲む消化されないものが残った。 
これは、ぼくが12日に土山峠の湖岸林道で拾った二つのテン糞
アケビの種子34個だらけのものと
赤字でアケビの種子は間違いだ。サルナシの種子21個とその果皮だ! 
ん?これもぼくの拾ってきた糞だ。 
テン糞の内容物だ
アケビの種子とサルナシの種子
下のは糞に混じっていた昆虫の卵、テンが糞をした後、ハエか蛾のような昆虫が卵を産んだのだ。 
これは、タヌキのタメ糞の一部を拾ってきたもので、
内容物からすると昨年の秋の物かも知れない。
唯一、骨(脊椎骨)が出た。哺乳類や鳥類のものではない。 
これは、何の糞を洗ったのだろうか?
まだ、仕分け途中だ!
糞一つを洗い、分類するだけなのに、1時間ちょっとの時間がかかった。
まー、始めてなのだから仕方がない。
糞の水洗い法の残渣から①判ることと②判らないことを皆に上げさせた。
①:食べた物の種類が分かる
②:食べた物の量は不明、アケビの種子とサルナシの種子が同じ糞から出てきたが、同じ時刻に食べたかどうかも不明
ということから、各動物の各食べ物によって消化率が違う。あるいは、各食物の消化によって摂取エネルギーが違うことなども上げられた。
1回だけの糞分析であるが、これによって食肉目の動物たちがいかに多くの食物を植物に頼っているかが実際に理解してもらえたと思う。