2012年10月27日土曜日

この糞はアライグマのだ! Tha scats are a racoon's!

25日(木)の続き
テンにしては太すぎるし、こんな真っ黒なテン糞は今まで見たことがない。
ハクビシンかな?アライグマの糞かな?
ともかく、洗うの楽しみ。
金曜日、専門学校から戻ってから、洗った。
なんだ?全て毛だけ?
と思うくらい毛のかたまりであった。
途中で茶漉しから小さな洗面器に空けてともかく水を静かに垂らしながら
毛を流した。毛の長さは非常に短く5ミリ前後であった。
この毛の短さから、ネズミ科の動物かトガリネズミ目の動物を食べたことが判る。
最後は、指ですくうようにして毛を取り除いた。
洗面器の下にたまった物は、下の写真の骨片であった。
Aの部分は骨盤の部分であり、Aの左は右骨盤であり、右は左骨盤である。
Aの下の部分は大腿骨頭であり、それが三つもある。二匹を食べたのだ。
Bの上の部分は切歯であり、上顎の切歯(上)と下顎の切歯(下)である。
この切歯は厚さが薄いので、アカネズミの可能性が高い。
Bの下の部分は臼歯である。
Cは尾骨部分であり、Dは尺骨の上腕骨と接する部分だ。
Eは胸椎の一部だ。 
 Bの下の部分の臼歯を拡大した。右は根が一つ、左の臼歯は根が三本ある。
根が三本ある左の臼歯は第二臼歯で、一本の右のものは第三臼歯であろう。
上顎か、下顎の臼歯かは今のぼくの知識では不明だ。
ネズミたちの標本をもっと集め、上顎と下顎の臼歯の違いをはっきりさせなければいけない。
この糞は、今の季節の果実の種子が一個も入っていないので、アライグマのものと結論付ける。
さらに、この糞の直径が08-3.0cm(Mammal Tracks&Sign,M.Elboch,Stackpole Books,2003による)の間にあったからである。
このアライグマは、2匹のアカネズミを食べたんだ。偶然に大腿骨頭部分が3個もあったから2匹を食べたと結論付けられたが、これが見つけたのが2個だけだったら一匹を食べたとなるかもしれない。大腿骨頭がついた大腿骨だけで左右どちらのものかが判れば2個の大腿骨だけでも2匹か3匹かが判る。それには、頭骨とともに骨格全てをじっくり見るようにしなければダメだ。Dの尺骨でも右か左か見てすぐ分らなければダメだ。

慶應日吉の非常勤講師を来年度いっぱい、つまり再来年の3月で辞めることになった。
非常勤は70歳まではできるようだが、薬学部の教授から一緒に辞めましょうと誘われた。
それに代わる収入を工夫しなければならない。

1 件のコメント:

  1. この臼歯はヤマネだ!
    ブログ内検索をしていて、偶然このブログにぶち当たり、記事を読んで、気が付いた。
    この当時はまだヤマネの臼歯をすぐ同定できなかったのだ。
    2015年3月4日にはヤマネの臼歯だと同定できる。

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