ウサギも植物食だ。しかし、ノウサギの歯は茶褐色に染まっている(図1)が、カイウサギの歯は少し茶褐色だが白い(図2)。たまたまこの両者の違いなのか、他の手持ちのノウサギやカイウサギの頭骨をみた。ノウサギでは切歯の方も黒褐色に染まっていたものがあったが、カイウサギで真っ白のものがあった。真っ白の歯をもつ2個体はラビットフードを与えられて実験動物として飼われていた。ヨーロッパの屋外で生活しているカイウサギの原種アナウサギの歯は黒ずんでいるだろう。
図1.東丹沢伊勢沢林道のノウサギLepus brachyurus左側面から
図2.釧路ふたば幼稚園で飼われていたカイウサギOryctolagus cuniculus
スーパーから出るキャベツや白菜などの切れ端をもらって与えていたようだ。園児たちが園内外のクローバーやタンポポも与えていた。
図3.実験動物として飼われていたカイウサギ
このように同じ植物食であっても野外のノウサギと飼育下のカイウサギでは食べる物が違うので歯が染まらない場合もあるのだ。それは、野生のイノシシと飼育されているブタにも現れている。これは次回にアップ。