ネクタイ尾根で拾ったテン糞の中で、サルナシの種子・果肉・果皮だと同定していた物の中で、果実がほとんどそのままの状態で出てきたものがあった。それはサルナシではなくマタタビの果実であった。しかし、種子では、サルナシとマタタビを虫眼鏡レベルでは区別できなかった。そのため、サルナシ?種子・果肉果皮とした。
これまでも恐らく、サルナシと同定したもののの多くはマタタビとサルナシの両方のものであった思われる。
同じように糞中の内容物の同定が困難な種子として、Rubusキイチゴ属がある。
10:55 テン糞5
アオハダ種子・果肉・果皮、サルナシ種子
11:16 テン糞6
サルナシ種子・果肉果皮
11:39 テン糞7
サルナシ種子・果肉・果皮、オオウラジロノキ種子・果肉・果皮
11:54 テン糞8
マタタビ?種子・果肉果皮、イヌツゲ種子・果肉果皮
12:04 テン糞9
イヌツゲ種子・果肉果皮
12:09 テン糞10
イヌツゲ種子・果肉果皮、マタタビ?種子・果肉・果皮
12:12 テン糞11
イヌツゲ種子・果肉・果皮、サルナシ?種子・果肉・果皮
12:19 テン糞12
イヌツゲ種子・果肉・果皮、サルナシ?種子
12:27 テン糞13
サルナシ?種子・果肉果皮、マメガキ種子
13:10 テン糞14
イヌツゲ種子・果肉果皮、
15:16 テン糞15
サルナシ?種子・果肉果皮
15:42 テン糞16
クマノミズキ種子・果皮、サルナシ?種子・果肉果皮、
15:51 テン糞17
マメガキ種子、サルナシ?種子、ムカデ5センチ3体、カマキリ外皮・羽根・肢、直翅目バッタ脚・翅
15:56 テン糞18
クマノミズキ種子・果皮、膜翅目翅・肢、羽毛・羽毛軸
k-ta隊員から裏高尾のマタタビの種子標本をもらっていたが、その種子は、手持ちのサルナシ種子の標本と比べると一回りもの小さいものでああるが、表面の模様が酷似しており。水洗いをして編み目模様の小さな種子があり、緑色の果肉付き果皮が出てきた場合はほとんどサルナシとしていた。テン糞8と10から出てきた果肉付き果皮はマタタビそのものの果実の形状をしていた。しかし、種子はそれほど小さくないのでマタタビ?とし、他はサルナシ?とした。
表1 テン糞の内容物
ネクタイ尾根で見つけたテン糞はいずれも果実を食べたものであり、山にはマタタビ属の2種のサルナシとマタタビがまだまだ残っており、さらにイヌツゲを食べているが、二の足林道周辺ではマタタビ属の果実とマメガキやまだ僅かに残っているクマノミズキの実を食べ、さらにムカデや直翅目や鳥なども食べている。
0 件のコメント:
コメントを投稿