2014年11月30日日曜日

早くもキブシを食べているテン  The marten who had already eaten the fruits of Stachyurus praecox.

27日の不動尻・三峰・唐沢峠で見つけたテン糞
テン糞①:三峰・唐沢峠の稜線上で
サルナシActinidia arguta種子・果肉果皮、キブシStachyurus praecox種子、2匹昆虫幼虫外皮
水洗いした直後の糞内容物、中央右に外皮だけが残った2匹の幼虫だ。
長い毛がないのでハグロケバエの幼虫ではない。
 上の鉢トレーの中には、左のサルナシの種子と右のキブシの種子があった。
キブシの種子は夏以降初めてである。
 テン糞②:不動尻近くの道路の縁石の上に、
サルナシ種子・果肉果皮、ヤマボウシBenthamidia japonica種子
拾った時は、ヤマボウシの種子だけだと思っていたが、サルナシの種子や果皮付き果肉も入っていた。ぼくの手許のヤマボウシの種子標本と比べるとこちらは小さい。でもヤマボウシの種子に間違いないだろう。でもちょっと??だ。
このテンは、ヤマボウシは林床に落ちている果実を食べたのだろう。しかし、サルナシは強風でも果実が林床に落ちることは少ないので、木に登って食べたのだろう。
 テン糞③:テン糞②の場所から3メートルくらい離れた縁石の上に、
サルナシ種子・果肉果皮
これは、糞を見ただけでもサルナシの果皮・果肉がわかる。

今夕は5時から専門学校野生動物科の卒業生たちとの呑み会だ。
わざわざぼくのために新宿から横浜に変更してくれたので行かざるをえない。
彼らは卒業後10年近くたったのだ。どういう人生を送っているのか?
この貧富の格差が広がっている時代、今の若者たちの多くは正規労働にも就けず
働いても将来の不安で結婚もできないし、あるいは結婚しても子供を作れない。
一方では、働かなくてもマネーゲームで富を得る人たちがいる。
物を生産し消費する過程に参加しない人たちが力をもつ歪な社会になっている。

もうすぐ選挙だ。しかし、この社会の仕組みを変えて若者たちに夢のある政策を
提出している政党が見えてこないのが残念だ。

2014年11月29日土曜日

広沢寺温泉・不動尻・三峰唐沢峠稜線・唐沢峠 The record of GPS & some guideposts in Fdoujiri/Karasawa Pass.

8:25、厚木市の公設トイレがある広沢寺温泉無料駐車場に車を置いて、舗装道路の二の足林道のゲートのあるところまでひたすら歩く。砂防堰堤工事のトラックが走るが、頻繁ではないので、マー許せるし、登山者に対する気遣いある運転手がいるので気持ちが良い。
9:13、山神隧道に到着し、そのまま通過。暗いトンネルだからコウモリがいると思うのだが、今回もライトを忘れた。清川トンネルには周年コウモリやオオゲジゲジがいるからここにもいるだろう。
9:30二の足林道の終点着。積雪期はここまでラッセル車が入っている。
9:32、不動尻の道標だ。ここで煤ケ谷方面行く谷太郎林道へと、大山・三峰方面と広沢寺温泉方面のT字路である。煤ケ谷や広沢寺温泉までは三峰や大山から降りてからのバス停までの帰路が長く感じる。
9:40、厚木市の簡易トイレのある場所、ここから唐沢峠方面と三峰方面に分かれる。ここで、単独行の男性と互いに声を掛けあって別れる。
三峰方面は沢にそった気持ちの良い登りだ。
垂直に近いような3メートルくらいの鎖場があるので、ほんの少しスリルを味わえる。
もちろん、雨が降っていて滑る時は、沢沿いに少し登って行ってから登山道を巻くこともできる。
一昨日の27日は暑いほどの陽気であり、地面さえ濡れていなければ昼寝したいくらいだった。
歩いたGPSの軌跡である。
11:16、三峰・唐沢峠の稜線にでる。トイレのあるところから実に1時間半ちょっとかけて登ったことになる。
ここには休み台があるので、ザックを下ろしアクエリアスを飲む。それとミカン一個を皮ごと食べる。自動シャターにして三峰をバックに撮る。暑いので上は半そでシャツ、スポーツシャツ、セーターの3枚だが、腕まくりだ。
ここから南南西に走る稜線歩きとなる。右に大山北尾根を遠望しながら歩く。
ハイキングコースのようだ。テントを張れるような場所もあり、ここで一泊したら気持ちよさそうだ。
11:50、テン糞を見つけて写真を撮っていると、三峰方面からきた単独行の男性が通り過ぎていった。この稜線で初めて登山者に出会った。 
12:14、唐沢峠の道標だ。大山・不動尻方面の二方向に分かれる基点だが、道標の支柱の上部に↑三峰とマジックで書かれていた。道標の向こう側からぼくは来たのだ。
12:17、不動尻方面に下り始めて濡れたツチグリが触ると真ん中からホコリがでた。そうツチグリは腹菌類でホコリタケと同じ仲間だ。
 12:45、5頭イヤ6頭のシカのメスグループだ。スギかヒノキの立木が邪魔しているが、中央よりも少し下あたりに一頭写っている。倍率を上げてオートからマニュアルに切り替えてピントを合わせていると、クマ避けのカウベルのような音をたてるカランコロンという音がし始める。シカはもちろん気が付き動き始める。とうとうこちらのピントが合わない内に左下方面に走り降りていった。クマ避けを鳴らしながらの単独行の男性はぼくを追い抜いていった。

このところメスジカのちょっとした異変に気になっている。
以前なら、ぼくが見つける前にメスジカたちが警戒音を上げる。
その結果、ぼくがシカだと気が付く。
しかい、いつのころからだろう。メスジカに出逢っても警戒音を出さないのだ。
以前なら、警戒音を出しながら逃げるので、音声で逃げた斜面まで分かったのだ。
が、このところメスジカたちは警戒音を出さない。
猟期以外にもシカを対象にした個体数削減のための狩猟が実施されていることによるのだろうか?

しばらく下っていくと、今度は単独行の女性が登ってきた。今から大山に登るなんて、大山には3時過ぎに着くだろう。が、彼女は身軽ですいすいと登っていった。
13:04、トイレのある場所に着く。カウベルの登山者が休んでいた。不動尻の道標付近で往きには気が付かなかったテン糞を2個ゲットだ。
14:04、車を置いた広沢寺温泉駐車場に到着し、トイレで小用だ。

2014年11月28日金曜日

不動尻・三峰・唐沢峠・不動尻

昨日は、不動尻・三峰大山分岐尾根・唐沢峠・不動尻・広沢寺温泉駐車場と歩いた。
本当は土山峠から湖岸道路を歩いて、宮ケ瀬尾根に行きたかったのだが、
大棚沢駐車場から土山峠まで歩くのは、猛スピードで走る車の風圧を受けながら歩くことになるので、それが嫌に思えたので、急遽行く場所を変えたのだだ。まーそれと大山北尾根の様子も見ておきたかったからだ。

もう、東丹沢は完全な秋の様子が草木の果実から伺える。
これはノブドウかな?果実が青々として熟している。
でもl食べてみなかった。サンカクヅルやヤマブドウや口に入れるのだが、、、。
 カラスウリだ。なんだが珍しく思うようになった。
写真を撮ったりして歩いていたら、単独行の登山者が追い抜いていった。
不動尻を過ぎたトイレのところで再び落ち合い、互いに声を掛けあう。
ぼくとてはこの登山者が三峰に行くのか大山方面に行くのかそれによって、
ぼくの行先を決めたいのだ。
同じルートだとどうしてもぼくが遅れるので、登山道上にある糞が踏み潰されてしまうことがあるし、また、他の登山者が先に歩いていたらならば、動物たちにはほとんど出会えないことになる。
この登山者にブログをやっているかどうかと聞かれ、差し出されたノートの故有事と記す。

そう言えば、このところ徒然草を読むようになった。
時々なるほどとおもわせる人生訓が述べられている。
 三峰・唐沢峠の稜線上では、ズミが熟してたくさん林床に落ちていた。
もちろん種子を見るために拾ってきた。
 また、メギも赤い実をつけていた。
まだ、メギの種子がはいったテン糞やタヌキ糞を見ていない。
これも実を少し斜面を下りて取ってきた。
 キクラゲだ。一昨日は雨だったので、、、、。ナラタケやシイタケも出ているかな?
と思ったがダメだった。このキクラゲはゲットした。
このキクラゲ昨日の夕食の汁物に容れて食べた。
以前、唐沢峠を少し下って大山方面に行ったところで、シイタケを見つけたことがあったが、
今回は、疲れていたので、足を伸ばせなかった。
大山北尾根だ!
来週は丹沢実習で、地獄沢橋から登る予定の尾根だ。
2時過ぎに帰宅。今回は朝飯代わりの鯛焼き一個と昼飯代わりの羊羹一個とミカンであった。
地面が雨で濡れていたので、落ち着いて休む気にならなかったからだ。
それにしても、気持ちの良い山歩きだった。
さぁー、今日はこれから葛西の専門学校だ。

2014年11月27日木曜日

今季のテン糞の中に初めて出てきた種子 The seeds that were included in the first time in the scats of marten in this season.

先週金曜日の向山トンネル・高取山・仏果山・経ヶ岳・華厳山ルートで
見つけたテン糞の内容物。

 テン糞①  テン糞⑤と同じ不明種子
 テン糞②③  マメガキ種子、サルナシ種子・果皮果肉
テン糞④  マメガキ種子、サルナシ種子・果皮果肉
 テン糞⑤   ①と同じ種子・果皮果肉、小哺乳類毛
水洗いすると、下図の黄色線で囲った果実とその種子と小哺乳類の毛があった。
ぼくはこの小哺乳類(トガリネズミ目?orネズミ亜科?)毛では同定できない。
今季、初めての果実と種子なので、ちょっと手間取った。
 この種子だ。サルナシの種子より一回り小さく、形が不揃いだ。
何の種子か判りますか?
テン糞⑥   サルナシ種子・果皮果肉
 テン糞⑦   サルナシ種子・果皮果肉
 テン糞⑧  サルナシ種子・果皮果肉
テン糞を見つけた位置と歩いたルート。
今季初めての種子はヒサカキのものであった。


2014年11月26日水曜日

ウミガメの頭骨(続)   The skull of a sea turtle.

ウミガメの頭骨の骨の名称を調べた。
日本語で記載しているものが見当たらないので、Skull Turtleでネット検索した。
すると、Emporia State Universityの生物学のホームページで学生への授業向けに
シラバスが載り、その中に講義スケジュール、実験室スケジュールがあり、
実験室スケジュールの2月20日にturtle bonesとある。そこをクリックするとウミガメの
頭骨の背面、腹面、側面からの写真があり、それに各骨の名称が記載されている。
supraoccipitalやpostorbital、さらにはprefrontalなどの頭骨部分は哺乳類ではないので、
ぼくが、勝手に上方後頭骨、後方眼窩骨、前方前頭骨とした。
側頭鱗のパーツがどうもこのウミガメでは欠落してしまったようだ。
後面からの写真で骨を特定しようとしたが、手許にこの頭骨がないので写真だけでは今一つ
確かめられなかったので、側面からだけのにした。
頭頂骨と前方前頭骨との間に小さな前頭骨があるが、この右側面からの写真では
縫合線が不明なので記載しなかった。

それにしても、エムポリア州立大学の動物学には脱帽だ。
講義内容がしっかりシラバスに載り、実験内容の日程までしっかり決まっている。
盛りだくさんであり、日本の大学生にはやりこなせないだろう。
この学校のどのくらいの学生たちがついてこれるのだろうかと思うほどだ。

2014年11月25日火曜日

自然探索雑感

丹沢実習の続きである。
向山トンネルの上の尾根である。
カンアオイの花が開いていた。
このスゲの仲間が食べられていた。
古い食痕だが、一本一本食べられているのでシカではなくノウサギかな?
モミの松毬の中の種子を食べた食痕が多数あった。枝についている松毬を取って
ここで食べたのだ。
マンネンダケがモミの根元から出ていた。
以上が向山トンネル上の尾根上だ。
仏果山から経ヶ岳方面への下りでは、リュウノウギクがもう終わりかけていた。
半原越では、シカの個体数調節のための狩猟が行われて猟犬の鳴き声が聞こえていた。
経ヶ岳山頂の休み台のテーブルの上にアカタテハが秋の日差しを浴びていた。
今回は、イノシシ糞の他にテン糞を8個見つけた。
テン糞については次回に!

今日は、朝6時40分に家をでて、満員電車に揺られて、葛西に行った。
専門学校の授業が9時の1時間目から4時間目の16時まであり、6時過ぎに帰宅した。
明日は慶応の2時間目の授業だけだが、
明日の授業が終わらないとほっとした気持ちになれない。
今月末から年末まで、卒業生たちとのクラス会や食事会、忘年会が続く。
楽しいお酒はついつい飲み過ぎてしまうので、注意しよう!

2014年11月24日月曜日

ウミガメの頭骨  The skull of a sea turtle.

昨日、専門学校の高校生向けの授業があった。
ぼくが担当の時は、教務の方が机の上に頭骨などを並べてくれる。
昨日はウミガメの頭骨があった。
このウミガメはもう10年くらい前に学生が拾ってきたものだ。
この時にはカメの頭骨には興味がなかった。
しかし、昨日は授業後一人で手にとって眺め回し、Lumix GF5で写真を撮ってきた。

正面から
なんだか、被り物のお面のようだ。
哺乳類の頭骨とはずいぶん異なる。 
前頭骨の前、鼻腔の上部にある骨、鼻骨ではなくprefrontal(前方前頭骨?)と云うようだ。
眼窩のすぐ後ろの骨はpostorbital(後方眼窩骨?)とのことだ。
どのような和名が付けられているのか?
眼窩の下は上顎骨で、鼻先は前額骨のようだ。
 後面から
不思議な感じだ。
 左側面から
上面からだ
何だか、後頭部分が欠けたような感じだが、そうではなく。
これで、完全なウミガメの頭骨のようだ。
 底面から
う~ん、不思議な頭骨だ。
歯は無いのかな?
骨の各部分の名称はまだ調べきれていない。

2014年11月23日日曜日

主にサルナシとマメガキ食べたイノシシの糞   The scats of wild boars that ate mainly the fruits of Kiwi berry and date plum.

先日21日の丹沢実習で見つけ採集してきた、イノシシ糞の内容物についてアップする。
これらのイノシシ糞はどれも当日の朝か前夜のものであると思われた。
イノシシ糞①
マメガキDiospyros lotus種子、サルナシActinidia arguta種子・果肉果皮、うじ虫外骨格多数
下の写真の毛虫の外骨格が多数あった。
ん?これ?っと思い10月17日に大山の帰路、梅ノ木尾根の林床で蠢いていたあのウジムシではと思い前の写真を見直した。
10月18日にアップした写真を拡大。まさしくコイツだ!
ハグロケバエBibio tenebrosusの幼虫だ。これなら地面に大量に蠢いているがイノシシにとっては
一分もかからないで舐め取ったことだろう。
イノシシ糞②
ケンポナシHovenia dulcis種子多数、サルナシ種子・果肉果皮、マメガキ種子、ムカデ外骨格1
イノシシ糞③
サルナシ種子・果肉果皮、植物繊維少々
アナグマ糞?
マメガキ種子、サルナシ種子・果肉果皮多数
柔らかいのでアナグマとしたが、アナグマはたいてい3、4センチの穴を掘ってそこをトイレにして
糞をすることが多いので、これは岩の上にあり、イノシシ糞の可能性が高い。
これらの糞は全て向山トンネルの上の尾根上で見つけた。
イノシシは林床に落ちているサルナシやマメガキ、さらにはケンポナシを食べ、
次いでにハグロケバエの幼虫やムカデのような土壌動物も食べたのだ。
不思議なのは、おちているドングリを食べた痕跡が出てこないことだ。
イノシシは落ちているドングリやクルミなどもバリバリ食べてもよさそうだが、
ドングリ、クルミ食いは厳冬期に食べるのかな?