2010年9月30日木曜日

組織の生と死(1)

動物には新生児から少年・青年の成長期さらには老年期などの誕生・成長・死の成長段階がある。 生き物は性成熟まで生き残る個体以上に多くの個体が死ぬから進化していける。
死亡する個体が少なくて多くの個体が長生きする種はそれだけ進化が制限される。

ニホンザルでもチンパンジーでも子供期は可愛らしい。大人は怖いので大人の顔色を伺う。しかし、成長を遂げた青少年期は自分の力を誇示したくなるようで、乱暴になる。

それは、ぼくらヒトでも同じだ。
中学生・高校生の少年期の若者は電車内を含む公共の場で、他の人々が目に入らないかのような傍若無人・無礼千万な行動をとり、それが自分たちの特権だとさえ思っている。

二輪車を大音響を立てて乗って走り回り、男も女も自分を誇示する。
怪我をすることも厭わない。怪我が勲章のように思っている。
さらには死をも厭わない。歳をとる程に死を恐れるが、少年は死との瀬戸際の危険な行為に生き甲斐を感じる。

動物たちの多くも乳児期と思春期の頃に多くの個体が死ぬ。
動物の個体に誕生から死までの成長段階があるように、動物が作る社会組織にも同じような成長段階がある。

ニホンザルやチンパンジーが作る最小の社会組織の群れ社会にも誕生があり、分裂や消滅がある。死・消滅があるから新しい群れが誕生する。

群れの成長期は群れの個体数が増加し、群れそのものが活気に満ちている。
しかし、老衰期になると群れ内の血縁集団間に明確な格差ができて、劣位の集団は群れの周辺でひっそりと暮らし、群れ全体に活気が見られなくなる。そして、その群れは分裂と言う形で消滅し、新たな複数の群れが誕生することになる。

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