2009年10月31日土曜日

切り払われた登山路

昨日、専門学校の丹沢実習があった。
親切がアダになると思うような真新しいロープが付けられている。
リュウノウギクが綺麗に咲き誇っている筈の岩場がある斜面にも目新しいロープが張られ、さらに路沿いの草木が刈り取られている。
確かに、見晴らしが良くなってはいるが、リュウノウギクくらいは刈り取らないで欲しかった。

ぼくは学生たちに「ロープに頼った歩き方をしては駄目だ!」
「足と手で3点をしっかり保持して歩け!」と叫ぶ。
自分の手で木の根や岩をつかんで歩く。

土山峠へ降りていく途中にクリタケ?があり、少し収穫してきた。
が、まだ調べきっていないので、食べていない。

ニガクリタケかとも思ったが少し生で食べてみたが苦くない。
これから調べて食したい。
アカモミタケも6、7本採ったので、それは昨夜の夕食の味噌汁で食べた。
美味い!
今年は、異様にキノコが少ないので、クリタケだったら良いなぁ~!

2009年10月29日木曜日

秋の丹沢観察会で採集したイノシシの頭骨

24日(土)の秋の丹沢観察会の帰路、唐沢林道の路肩の盛り上げられた土砂の上でイノシシの頭骨(下顎骨含まず)を含む骨を採集し、洗って干した。
肋骨、頚骨、胸骨、腰骨のいくつかと左側の寛骨と大腿骨の一部と脛骨、左側の肩甲骨の一部である。

骨が折れたり、掛けたりしているのは死後、おそらく白骨化した後に土砂と共に捨てられた時に生じたものだと思う。

頭骨の右の頚静脈突起が根元から折れて紛失しているのも土砂共に捨てられた時に生じたのだろう。

第一切歯や犬歯はまだ根がない。
左右の第二、第三切歯が欠如しているが、永久歯が顔を出しつつある。
左右の第一、第二小臼歯は乳歯であり、永久歯が顔を出している。
第三小臼歯は永久歯に置き換わりつつある。
第四小臼歯は永久歯が8割くらい伸びてきている。
第一大臼歯は完全であり、第二大臼歯はまだ完全に出揃っていない。
第三大臼歯は萌芽の兆候さえ見えない。

これらの歯の状況と脛骨末端の軟骨部分が剥がれ落ちていることからもこの個体は生後半年に満たない時に死亡したと思われる。

肋骨や大腿骨、肩甲骨の一部があったことから、この個体は猟期に猟師によって撃たれて解体されたものではなく、何らかの原因で死亡した可哀想な瓜坊(ウリボウ)である。

2009年10月27日火曜日

やまぼうしさんからのネコの頭骨

24日の丹沢自然観察会の後、やまぼうしさんからネコの骨を譲り受けました。
厚木植物会の時に早戸川橋の下で見つけたようです。

上顎の犬歯が磨り減っている。右の犬歯は死後欠けたものだ。
下顎の犬歯は歯根部分が残っているだけだ。

矢状隆起(左右の頭頂骨の縫合)が発達し盛り上がっている。





左右の寛骨が縫合合体していたことからも、このネコは老個体であると思われる。

早戸川橋は松茸山の南にある橋で、最も近い人家でもおよそ2キロくらい離れている。
このネコは、全く人に頼らずに自力で餌を獲得していたのであろう。
カイネコやカイイヌは柔らかい物を食べるため老個体でも歯は磨耗しない。

このネコは昆虫やカエル、トカゲ、ヘビなどの小動物を狩ることで自活していたのだろう。
そのため、犬歯が磨耗することになったと思われる。

死亡した原因は、昨年の暮れからの厳冬期に獲物を捕獲できなかったことによる餓死ではないかと考えられる。

2009年10月26日月曜日

秋の丹沢観察会(続々):トラツグミを拾う!

クマの爪跡のところでお昼にし、爪跡を囲んで記念写真!

さらにちょっと登って「能の爪」(T字路)着
そこから719のピークまで行き鍋嵐方向への道を確認
先日は、「行き止まり」を無視して北上したことになる。磁石ナシでは危ない危ない。

「能の爪」のから「お昼の山ノ社」までの斜面のザレ道をトラバースする。
この「お社」の側に毎年ナラタケが生える。
日曜の夕食が鍋だったので、ナラタケも容れた。

壊れかかった急な階段を下りて物見隧道にの札掛側にでる。唐沢林道だ。
やまぼうしさんに案内されて大好きなリュウノウギクやリンドウを見る。


唐沢林道を歩いていてイノシシのコドモの頭骨や骨を拾う。
さらに、飛べなくなったトラツグミを保護する。

七沢にある神奈川県自然保護センターに預ける。
26日(月)16時50分にセンターにこのトラツグミの消息を尋ねたら、
係りの職員が、今朝センターにやってきたら死んでいたようだ。
昨日は日曜日だったけれど世話をしてくれたのだろうか?それとも休日だからほっとかれたのだろうか?こちらが連れ帰って面倒看れば良かったのか?
何だかちょっと気になる死である。

秋の丹沢観察会(続)フィールドサイン

堤川林道で、サルナシの果皮と種、大きなイヌガヤの種子2個が入ったテン糞を見つける。

宮ヶ瀬尾根に登りつく途中の見晴らしの良い剥き出しの尾根にもテン糞

宮ヶ瀬尾根で観察会のメンバーとやまぼうしさん
ここからシカ柵に沿って少し下る。

またまた見つけたテン糞、もちろんところどころにシカ糞?カモシカ糞?

テン糞は自分たちの行動域の境界付近するマーキングなので目立つ。
単独行の少し頭が薄くなった男性に出会う。沢登りをしているようで、自分が作成した地図を紛失したので探しているようだ。さらにまた、テン糞。

シカが樹皮を齧り取った痕。食害と言われるが、彼らの当たり前の行為。
顔を横に傾けて食べた下顎の歯型がついている。

それらを観察する

これからもう少し登って、鍋嵐・719の稜線にでた。
そこには例のクマの爪跡とその剥された樹皮が。
ここでも、熟年夫婦の登山パーティに出会う。サルのことを尋ねる。彼らは宮ヶ瀬尾根の525と617との間でサルの群れ(4,5頭だったようだ)に出会ったことがあるようだ。
爪跡の下には剥された樹皮が落ちていた。

この辺りを歩いていて、今回始めて登山パーティに出会った。しかも、3パーティであり、さらに云えば3パーティとも中高年の人たちだ。以前なら、このような山歩きをするのは若者と決まっていた。(続)

2009年10月25日日曜日

秋の丹沢観察会

昨日、丹沢サル観察し隊で秋の丹沢観察会が行われた。
大棚沢駐車場に車を置き、土山峠に向かう。
8時20分:道路沿いの仏果山側斜面にハナレザルのオス。オニグルミの堅い殻をもつ種子を齧って割っている。

再び歩き出すと、今度はシカの親子だ。

土山峠に着き、そこから堤川林道を歩く。
マメガキがたくさん実をつけている。サルはこのマメガキを知らないのだろうか?

林道を歩いていると沢登のパーティに出会い、サルのことを尋ねる。
彼らは、鍋嵐の付近をあらゆる方向から登りつめている人たちだ。
林道終点で記念撮影。

ここから北西の尾根を登り詰めて宮ヶ瀬尾根にでる。続く!

2009年10月23日金曜日

聞こえない虫の音

庭に置いてるファレノプシスやオンジジュームなどのラン鉢をいくつか室内に取り入れた。
窓に、クビキリギスがとまっている。
鉢についていたようだ。

このクビキリギスの鳴き声はシーという甲高い鳴き声だ。
先ほど、我が部屋で鳴いていた。
が、ぼくにはパソコンのハーディスクの機械音のようにかすかに聞こえるだけ。
ネットで、虫の音を聞いてみた。
http://mushinone.cool.ne.jp/index.htm
エンマコオロギやキリギリスは聞こえるが、クサキリやクビキリギスはダメだ。
これほどまでとは思っていなかった。

宮ヶ瀬尾根・719ピーク・辺室山のフィールドサイン

昨年7月にここを通った時にはタヌキのタメ糞があった場所だ。
虫が糞に卵を産んで丸めた後、
成虫が羽化して地面から出てきた穴があった。
今朝のものと思われる軟便が二個あった。クリックすると拡大。

アカマツの幹にイノシシかカモシカあるいはクマが身体を擦った痕だ。
長さ4センチの剛毛をゲット(クマかも?だが、クマの毛が無いので不明)。

西へ行くと鍋嵐への稜線にでる。
クマの爪跡である。

この爪跡、深さが1センチちかくもある新鮮なものだ。
地面から1メートルも上に付けられている。
クマが立ち上がってガリガリやったようだ。
ぼくが使っているトレッキングポールの長さは1メートルちょっとだ!

辺室山から土山峠まではイノシシの掘り起こしがいたるところにあった。
ヤマイモを狙ったようだ。

2009年10月22日木曜日

丹沢(鍋嵐方面)下見歩き

今朝、早く目覚めたので、24日の秋の丹沢観察会の下見に行ってきた。
堤川林道終点から尾根に取り付き、ハタチ沢林道終点からの出会いに出る。
ここは宮ヶ瀬尾根の稜線でもある。
ここからしばらくはシカ柵に沿って鍋嵐に向かう尾根を歩く。
タヌキの古いタメ糞痕がある。
ウラジロノキの斑点入りの赤い果実が落ちている。
カンアオイが群生とは言わないまでもいくつかあった。
写真を撮っていて、葉を上げたら花があった。
どのカンアオイもこのような花が咲いていた。
しかし、大半の花は土に半分埋もれている

キク科の可憐なキッコウハグマが小さな花をつけていた。

2万5千分の1の地図は持ってきていたが、磁石を忘れてしまった。
遠方の景色や地形で大体の方位は判る。
鍋嵐の方の尾根に歩いて719のピークに出る。
すると、

「この先行き止まりです」とプリントアウトした紙を
しっかりしたプラスチックに入れて注意を促している。
尚も行くと、幅30センチくらいの細尾根となっている。
そこを超えて、しばらくいくと広々としたピークに出る。
817mのピークにはいったん降りて、また登らなくてはいけない。
ここで、磁石の無い悲しさを味わう。
これ以上進まなくて良かった。

2009年10月19日月曜日

社会の劣化を生み出す、利潤追求

少子化の影響で、実家の幼稚園は青息吐息であり、潰れる一歩手前である。
その中でも「時代を先取りして」経営規模を広げている幼稚園もある。

同じように、ぼくが非常勤講師をしている専門学校も如何にして学生を確保するかでさまざまな工夫を凝らしている。
有名私大も少子化の影響で、学生確保のために付属中学を増やす傾向となっている。
付属中学に入れれば大学までエスカレーター式に運ばれるようだ。さらに、全ての中学入学者は大学に入学できますと謳っているところも出てきた。

ぼくはある私立大学でも非常勤講師をしている。中学や高校からその大学の付属に入っていた学生は、高校から大学に入ってきた学生と比較にならないほど成績が悪い。
記述試験をやっているが、中学生でも書けるような漢字が書けないし、大学生なのにまるで小学低学年の生徒が書いたような平仮名が多いつたない文章に出合うと、子供の頃は優秀だったのに、試験がなくエスカレーター式に進級したきた結果が、考えることができない劣化した学生を生み出す結果になっている。もっとも考える力を育てる時期にほとんど考えないで悩まないで育ってきてしまったつけは大きい。

これが、多くの私学で小・中学から無試験で高校・大学へと進学できるようにすると、多くの劣化した社会人を生み出すことになる。

私立大学は自分の学校の「もうけ」という経営を考えるよりも、将来の日本や世界を背負って行くべき人材を作っていくのだという建学時の理念をもって学校経営を行って欲しい。

これが大学ばかりでなく、専門学校、高校、中学、幼稚園も将来を担う人材育成の場としての理念を考えるべきだ。それが「もうけ」の追求という経営を重んじているのは、劣化した人材を世に送り出すことをしているという反省をしてもらいたい。

この「もうけ」追求経営が、他のありとあらゆる法人の姿勢にもうかがえる。

あるいは、もうけ=利潤追求が、グローバル化の中で勝ち抜く姿勢であるかのように喧伝されていることで、法人も劣化の道を辿っている。

「もうけ」よりも社会還元を理念の柱にすべきではないだろうか?そうすることによって社会の劣化を防ぎ、生き生きした社会を生み出すことになると考える。

この巨大幼虫は?

軒下のナガイモの葉が枯れてきた。
そんな葉の裏に大きな幼虫が、、、。
この手の大きさの幼虫はスズメガの仲間の幼虫であることが多い。
ネットで、スズメガ 幼虫で検索した。
キイロスズメガの幼虫だった。ヤマノイモが食草のようだ。

もう、ほとんど水分もないような葉を食べているとは思われない。
葉を裏がしてみると少し動いた。
これからサナギになって越冬するのだろう。楽しみだ!

今年はムカゴをたくさん作ってくれた。
植物写真家の鈴木庸夫さんから、
この植物はヤマノイモではなくナガイモであるとご指摘されました。
葉の幅が広いからです。

2009年10月18日日曜日

江戸川区立行船公園の動物

西葛西駅から10分くらいのところに江戸川区立行船公園がある。
公園内に動物園があり、
クモザル、リスザル、タマリンやマーモッセトなどの広鼻猿類、
レッサーパンダ、ハナグマ、ハイイロリス、ワラビー、オタリアなどの哺乳類、
サイチョウや九官鳥、フクロウなどの鳥類や日本産の淡水魚が飼われている。
子供たちと動物たちとの触れ合いをさせる場所には、ヤギ、モルモット、ウサギ、
ニワトリ、チャボ、ウコッケイなどがいる。

いつも親子連れや保育園や幼稚園の団体でにぎわっている。

16日(金)授業を動物を見ながらやることにして公園に行った。
クモザルが身体を伸ばして、外堀の浮かんでいる木の葉を取ろうとしている。
尾だけで自分の体重を支えることができるのはクモザル科のサルだけある。
尾の先の方の内側は手の平のように皮膚がむき出しになっている。

しばしば日本の昔話しの絵本などで鴨居からサルがぶら下がっているような絵があるが、アジア・アフリカに生息するサルではそのような芸当はできない。


クモザルの仲間は、こうやって二足歩行をいとも簡単に行う。
器用で頭が良いので、中南米のチンパンジーと云われる。

しかし、上の身体を伸ばした手先を見て欲しい。
彼らには親指がない。アジア・アフリカに生息するサルでもテングザルやキンシコウなどのコロブス亜科のサルにも親指がない。ブラキエーション(腕渡り)をするときに親指が邪魔になるので、消失したと説明されている。

2009年10月17日土曜日

今年はキノコがない!

今朝、早起きしてK.Yabeさんの車に乗って丹沢にいく。
丹沢に着く頃に明るくなる。
奥野林道をゆっくり登る。途中で松茸山の山頂にある東屋で休憩だ。
毎年、この時季にはキノコが目につくのだが、あったのはホコリタケの仲間だけであった。
今年は、キノコが極端に少ないように思うが、他の地域ではどうなのだろうか?

ムラサキシキブが実をつけていた。コムラサキシキブとは違って果柄が短く。実も疎らにしかついていない。

キク科の木本のコウヤボウキがいくつも咲いていた。

山を歩くと、ジョロウグモの巣に顔を被われることが度々ある。
人が歩きやすそうな尾根道など周りの木々が刈り取られた少し幅の広い通路は
ジョロウグモにとって絶好の巣の張り場所である。
このような通路は風の通り道でもあり、チョウやガなどの通り道でもある。
松茸山山頂でテルモスに容れてきたコーヒーを飲みながら休む。
Yabeさんの話しでは、ここで30分くらい休んでいるとリスが見られるようだ。
が、お喋りをしているのでリスはあらわれず。

山頂からの下り始めてすぐに、リスがぼくらの前を横切っていく。
と、新鮮なエビフライを見つける。

早朝は寒いかなと思ったが、まだ手袋が欲しい寒さではない。

2009年10月16日金曜日

都会のガマガエル

昨夜、大学時代の友人の父親が亡くなったので、横浜の高台にある家に行ってきた。
お焼香の後、飲み。11時近くなったので帰ることにした。

大学時代は、伊勢崎町などで飲んで遅くなったら彼の家に押しかけたものだ。
そんな時でも親父さんは「おー、やっているね!」と寛大であった。

友人は庭にガマガエルがいるという。
すぐ、オトナのガマを見つける。
なんと、今年誕生したような小さな個体もいる。
全部で6匹のガマがいるようだ。

庭には1メートル四方くらいの池があり、初春にそこで卵を産むようだ。
ガマがいるため、虫や団子虫を捕ってくれるようで、草花にもヨトウムシや毛虫がつかないようだ。

なんだか、このガマ、逝ってしまった彼の親父さんの代わりのような気がした。

2009年10月15日木曜日

丹沢の虫たち

キタテハである。
タテハチョウ科のこの蝶は成虫のまま物置の内側の壁に羽根を閉じて越冬していた。
ぼくが子供の頃のことだから、物置の中でも厳冬期は零下20度以下になったであろう。
だから、そんなキタテハを漬物樽などが置いてある物置で見つけたときは、可哀想に思いそっと板壁からはずして部屋で飼ったことがあった。もちろん、ストーブをつけた部屋の暖かさで飛び回るが食べるものがないので、2、3日もしないで死なせてしまった。
このキタテハをみて寒い物置の壁にへばりついていたのを思い出した。

同じタテハチョウ科のルリタテハだ。
林道のガードレールに停まったので撮る。
1メートル以内に近寄ろうとしたら飛んでいった。

蝶々は、全く素人の者でも
シジミチョウ科、タテハチョウ科、セセリチョウ科、アゲハチョウ科、シロチョウ科、ジャノメチョウ科など外形からすぐ判断できる。
そして、絵合わせをすることでほぼ大体の種まで同定できる。
そんなこともあって、美しいので専門家並みに詳しい小学生もいる。

左は先日載せた伊勢沢林道のヤブキリであり、右はハタチ沢林道を歩いていると飛んできたウマオイである。こうやって写真でみると、もう一つウマオイの弱弱しい感じがでていない。
ウマオイは根釧原野にもいて、昼間は鳴かないで夕闇迫ってくるとスイーチョとかなり通る声で鳴く。この藤沢湘南台でも鳴いているのを聞いたのだが、この10年は聞かなくなった。